激辛グルメ駅伝2022

33店舗目 Earth Eats

Earth Eats。

店名からは何料理のお店かわからないけれど、トリッパとアラビアータがメニューにあるのでイタリア料理店だろう。

前回、つまりつい数日前に「TRATTORIA BUBU」で激辛のペンネを食べたばかりだ。アラビアータのパスタがフジッリ(らせん状になている、ネジのようなパスタ)とはいえ類似しているので別のものにしよう。

つまり、トリッパ一択。

トリッパとは牛の胃袋であるハチノスをトマトソースで煮込んだ料理だ。

噛みごたえのある内蔵肉と激辛とは相性が悪い・・・いや、辛さをより強く感じさせる組み合わせだ。これも辛くなりそうだなあ、という予感はある。唐辛子がツノみたいにそびえ立っているし。硫黄島を米軍が制圧したときに星条旗を掲げた、あの写真を思い出した。戦没者の関係者には不謹慎なたとえで恐縮だけど。

トマトソースには「良いトマトソースと悪いトマトソースがある」と思っている。激辛領域においては、という話だけれど。辛さをやたらとぶっとく増強するトマトソースと、辛さを和らげてくれるトマトソースがこの世の中には存在する。これはどっちだーーー

答え合わせ。正解は「辛さを和らげてくれるトマトソース」だった。赤黒い唐辛子、そしてその種はとても辛い。でも、トマトソースの包容力が僕を優しくフォローしてくれた。うん、これなら大丈夫。おいしい。

トリッパなんて、お酒を飲まない人だとなかなか出会わないメニューだ。こうやって激辛グルメを食べていると、普段では食べない料理に出会えるから楽しい。

さて、残りの2品は・・・これはえいっと家に持って帰っちゃう。

場所は切り替わってこの日の夜。家に持ち帰られた料理は、おかでん家の食卓にしれっと並んだ。さりげなく、おかずの一品として。

34店舗目 宇都宮餃子館

まずはこちら。宇都宮餃子館。

激辛餃子を引っ提げて毎回出店しているものの、パクっと食べることができる餃子ゆえの形状で、僕からは「大して辛くない」という扱いを受けてしまっている。

しかし今回はシウマイというメニューが用意されていた。シウマイか!これなら、餃子よりも辛いかもしれない。なるほど、そう来たか。

餃子は0辛、3辛、5辛の3種類なのに対し、シウマイは0辛、5辛の2種類になっていた。

シウマイ5辛。

食べてみると、ハバネロが入っているのか、重たい辛さが感じられる。あ、たしかにこれは辛い料理だ。

でも、シウマイのサイズは二口・三口程度だ。たれが絡まっていてねっとり口の中に留まることもない。ぱくぱくと食べられてしまう。そこまで尾を引く辛さではない。「あっ、辛い辛い。いやー辛かったね」と瞬間的に身構える、そんな料理。

と思っていたら、一緒にこれを食べたいしが「あーーーー!辛い!これは辛い!」とジタバタしはじめた。彼女は僕よりも食べるペースが早く、パクパクと食べ進める人だ。それでもこのシウマイには思いっきりやられてしまい、当分「あーーー」とうめいていた。食べやすいサイズかどうか、というのは関係なく、辛いものは辛いらしい。

35店舗目 四川料理 京華樓

最後。四川料理京華樓。

メニューは3つ。麻辣ピーナッツ、麻婆豆腐、よだれ鶏で構成されている。

僕はこれまでの34店舗で、麻婆豆腐2回、よだれ鶏を2回食べている。3回目はさすがにもういいや、と思っているので、敢えて麻辣ピーナッツを選んでみた。

麻辣ピーナッツはいくら頑張っても辛くできる限界というものがある。もちろん常識を度外視して激辛の唐辛子をふりかければ規格外の辛さにはできるけれど、「美味いけど辛い」レベルで料理を提供するとなると、麻婆豆腐やよだれ鶏よりも辛くできないと思う。

実際、お店の看板に書いてある辛さ表記は「ピリ辛」となっている。麻婆豆腐が「激辛」と「超激辛」の2択なのに対して、ずいぶん穏やかな辛さだ。

昔の僕だったら、「このお店で一番辛いやつを」と問答無用で超激辛の麻婆豆腐を選んでいたはずだ。

でも今は違う。「なんでこんなことを一人でやっているんだ」という自制心が働いてしまって、「激辛の求道者になるよりも、いろいろな料理を楽しむ人になりたい」と思うようになっている。だから、麻辣ピーナッツ。

42店舗という果てしない店舗数を全店舗クリア、という目標を掲げた時点で激辛を追求する意欲が失せた。そして会期中に罹患した手足口病も物理的にしんどかった。さらには、前回激辛グルメ祭りから3年の間に僕は結婚した。配偶者がいる、ということで自分を相対化して見るようになった。

良くも悪くも、丸くなっちゃったな。激辛企画なのに。

つくづく思う。無茶は若いうちにやっとけ、ということだ。「若気の至り」というのは大事だ。だって、歳を重ねてから「若気の至り」は、できないから。そういうアイディアそのものがそもそも脳から欠落するから。

そんなことを考えながら食べた麻辣ピーナッツは、新鮮なしびれでとても美味しかった。コンビニなどのスナック売り場で売られている麻辣ピーナッツよりも、はるかに花椒の爽やかさが違う。花椒のグレードがそもそも違うのだろうし、できたてを食べると香りが立つのだろう。「たかが麻辣ピーナッツ」と思わずに、敢えてこれを頼む価値がある商品だった。

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次回9月29日は最終回。残り7店舗を一気にまくる予定。

今週は2回も大久保公園を訪問することになるけれど、もうどうとでもなれ。敢えて金曜日にしなかったのは、週末に悪い体調を引きずりたくないからだ。

9月29日は、お初にお目にかかります、のいそぺちさんが参加予定。42店舗完全制覇のあと、なにかの達成感は得られるのだろうか?・・・いやぁ、たぶんないだろうなぁ。でも、食べ続けるしか道はないんだよなぁ。

(つづく)

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