激辛グルメ駅伝2022

第6区間 2022年09月29日(木)

「第3.5区間」という変則的な訪問があったので、今回で7回目の訪問となる「第6区間」。

これで2022年シーズン最後の激辛グルメ祭りとなる。

この日出店している9店舗中、7店舗を食べることができれば全42店舗すべてを食べたということになる。ゴールまであとすこし。

おかしいな、本当ならばこの「激辛グルメ駅伝」、ちょいちょいとおかでん不在の回があって、僕はなんやかんやで20~30店舗程度しか食べていないという展開を予定していたのに。結局僕は42店舗全部を食べることになった。

それでも、僕一人でこの42店舗を食べ尽くすのは無理だった。途中、馳せ参じて伴走してくれた仲間がいてくれたおかげだ。

辛い料理を食べるということは、自らの身体を痛めつけることと一緒だ。正直、つらい。でも、そのつらさを共に乗り越えた仲間がいる、というのは心強いものだ。戦友、という言葉を使っても差し支えあるまい。

この日、いそぺちさんが初参加。初めまして、の方で、とても嬉しい。

殆ど読者がいないと内外に公言しているこのサイトだけど、オフ会を開くと「ずっと十年くらい読者でした」とか「これまでROMってましたけど参加します」という方がヒュッと出現するのでびっくりする。全くの予想外だ。また、以前はこのサイトのことを全く知らなかったけど、激辛グルメ祭りのオフ会があると聞いたので来ました、という人もいたっけ。これもびっくりだ。あの人、今でも元気にやっているかなぁ。

オフ会主催者というのは、久しくお会いしていない方のことを一方的に心配しているものだ。「来るもの拒まず、去るもの追わず」といえば聞こえがいいが、オフ会に参加しなくなった方が一体何をやっているのかこちらでは全くわからないからだ。

単に忙しいのか、サイトに興味を失ったのか、それともオフ会がおもしろくなかったのか。

いくら考えたってわかりっこないので、僕ができることはただ一つ。「参加しなかった人が、後になって『いいなぁ、参加したかったなぁ』と悔しがるような楽しいことをやる」だけだ。

今回がまさにそう。いそぺちさん、僕のパートナーのいし、そして見届人として弊息子タケ1歳児による最終回。

手分けして買ってきた料理は7店舗7品。

ああ、なんだか今回は結構攻めてくる色合いの料理がいくつもあるぞ。食べごたえがありそうだ。

36店舗目 辛麺屋一輪

まず最初に食べるのは、「辛麺屋一輪」。麺料理は早く食べないと。

とはいっても、この「辛麺」はこんにゃく麺だった。時間が経っても大して伸びないことが判明。

変わった麺料理だな、とおもったら、宮崎発祥のソウルフードなんだそうだ。いや、ソウルフードって名乗ってらっしゃるけど、さすがに宮崎県人みんながこの真っ赤な料理、食べないよね?

お店のメニューは2種類。「辛麺(マグマ)」と「辛麺(とんでもねぇ)」。

すごいよな、どっちも辛さの表現じゃない。というか、料理名自体が「辛麺」だから辛いに決まってるんだけど、激辛を表現するのに「とんでもねぇ」というのはとんでもねぇ表現だ。

この赤黒さ、やばい予感しかしない。特に白い容器の壁面についている汁の波打ち際を見ると、「これは絶対に見かけ倒しじゃないぞ、本当に辛いやつだぞ」と確信する。

「スープ!スープをもっとどうぞ」

各自が取り分ける際、早くもお互いが牽制を開始する。スープ多めだと確実にダメージをくらうのがわかっているからだ。

このオフ会は麺料理のスープを完食しなければならない、といったルールはとくにない。残しても構わないし、そもそも「辛くてこれ以上無理」ならば食べ残すのも自由だ。だったら自分の取皿にスープが多めになってもいいじゃないか・・・と思うでしょ?違うんだな、これが。

スープから引き上げた麺だけを取皿に取って食べるのと、スープに浸った麺をすくい上げて食べるのでは、圧倒的に後者のほうが辛い。フレッシュな激辛スープに食べる直前まで浸かっているからだ。

それをみんなわかっているので、「スープは均等に!」と牽制をし合うのだった。

仲違いをしているわけじゃないぞ。あくまでも「平等」を心がけているだけだぞ。

で、食べてみたら案の定辛い。「あああ・・・」と思わず声が出るレベル。

溶き卵が入っているので、それを食べて辛さを緩和させようとしたけど

「駄目だ!全然辛さが緩和されない!」

という悲鳴が上がる。卵の甘みが全く感じられないほど、スープが辛いからだ。

そしてこのこんにゃく麺、弾力があるのでよく噛んで食べることになる。噛めば噛むほど、口の中に突き刺さる辛さ。

痛い!

これは一店舗目にして口が麻痺した!

お店のwebサイトを見てみると、実店舗では辛さを「0辛~25辛」まで選べて、そのさらに上に「マグマ」というランクが存在する。えっ、さっき店頭で見たメニューだと、「マグマ」は「中辛」って書いてあったぞ。お店では最大級の辛さのハズだったのに。

じゃあ、今僕らが食べている「とんでもねぇ」というのは、お店のレギュラーメニューではないレベルの辛さってことか。とんでもねぇなあ!

37店舗目 アジアンタワン168

アジアンタワン168。

タイ料理を扱っているお店のようだ。

「トムヤム唐揚げ」「旨辛ガパオライス」「激辛ヌアーパッキーマオ」の3種類。

いそぺちさんがこのお店で買ってきたのは、「トムヤム唐揚げ」だった。

「あまり辛そうに見えませんが、辛さのレベルは?」
「中辛ですね」

むしろそれを聞いてほっとする僕といし。激辛グルメを食べに来たはずなのに、激辛でないことに喜びを感じるというのは矛盾した話だ。でもしょうがない。辛麺でさっそく一発おみまいされているんだから。

「いそぺちさんは辛いもの、お好きなんですか?」
「いやー、そういうわけではないんですけどね。昔は食べていましたけど、最近はぜんぜん」

じゃあなんで今回のような自分を痛めつける激辛料理のオフ会に参加したんだろう?それを聞いてみると、「面白そうだったから」という答えが返ってきた。

そう、そうなんですよ。激辛は面白いんですよ!大の大人が、汗をかいてキャアキャア言って無邪気になれる、稀有な存在なんですよ。酒を飲んで野太く「ウェーイ」と叫ぶのとは似て非なる世界で、どっちかというとキャッハウフフの世界なんですよ。

メニューを見てあれこれ作戦を考えたり、買ってきて実物を見て恐れおののいたり、仲間と「せーの」で食べてみて感想を述べ合ったり、みんな一斉に「辛い!辛い!」と叫んでみたり。全部、楽しいアトラクションだ。これまでもいろいろな人が「激辛グルメ駅伝」オフ会に参加してくださったけど、激辛好きな人よりも「激辛を前にあたふたするのが楽しい」という理由で参加した人のほうが多いと思う。

いそぺちさんもまさにそう。だから、「トムヤム唐揚げ(中辛)」というほっと一息つける料理が卓上にあるわけだ。

みんな、神妙な顔つきでこの唐揚げを食べる。

ん・・・ファーストアタックは辛くないな。

まるで何かの鑑定士のように、辛さの所在を探す。いや、無理に見つけなくてもいいんだけど、つい探してしまう。辛いのを見つけてしまうと、その後がつらい思いをするわけだけど。「いきなり不意打ちを食らうくらいなら、自分から辛さにぶつかっていく」ことを心がけるのがむしろ楽だ。

「さっきが辛かったからか、あんまり辛く感じないですね」
「ですねぇ。上にかかっている粉の量次第なんですかね?」
「粉がかかっているところを食べても、そんなに辛く感じないですよ」

このお店の名誉のために言っておくが、激辛グルメというのは前後に食べる料理の順番によって全然感じ方が変わってくる。おそらく、この唐揚を一番最初に食べていればもっと辛く感じていたはずだ。

なお、「ところで、トムヤムの味ってする?」「あんまり感じないですね」という会話もあったので、全体的に味覚が馬鹿になってしまったらしい。

38店舗目 プサンアジメ

プサンアジメ。韓国料理のお店。

トッポッギ、チーズトッポッギ、ヤンニョムチキンの3品があって、すべてにおいて「小辛」「中辛」「激辛」の3段階が用意されている。

トッポッギの激辛とチーズトッポッギの激辛は、やっぱりチーズトッポッギのほうが辛くないのだろうか?

チーズトッポッギ(激辛)。

激辛グルメ祭りにおける韓国料理は、よくある「甘辛い料理」ではないことがおおい。「これは甘みを感じる」と思わせておいて、その後に「イテテテ!」と苦痛に顔を歪ませるような辛さがやってくる経験をこれまで何度もしてきた。

今回も要注意だ。特にトッポッギというもちもちした食材なら、なおさらだ。モグモグやっている間にダメージを受ける可能性がある。

・・・と、わかっていたんだけどなぁ。痛い!いてててて!!

予めわかっていたとおりに、激辛だった。

韓国料理における激辛は、中華料理の激辛とくらべて色がマイルドな分、わかりにくい。なので不意打ちを食らってダメージ甚大。

39店舗目 福盛楼

なにか箸休めをしたい。息も絶え絶えになっている一同が目につけたのが、福盛楼の餃子。

「四川風旨辛餃子」。辛さは「中辛」。

「ほほう」

一同、まずは外観を観察する。こうやって食べる前の心の準備と、観察と、洞察が楽しめるのが激辛の醍醐味だ。しかも、ぜんぶの料理が辛いわけじゃない。中には拍子抜けする辛さのものもある。「こいつはどうなんだ?」という品定めをするときが、一番ワクワクする。

これは・・・辛そうには見えないな。

生地はたしかに赤みを帯びているけれど、毒々しさはない。

食べてみたけど、「旨辛」の名前に偽りなし。美味かった。辛さ?いや、これまでの辛さがまだ口や喉にへばりついているので、これくらいの辛さなら無に等しいレベル。

「ああ、そういえばどこが四川風なんだろうこの餃子?」
「あれっ」

この「福盛楼」、横浜中華街のど真ん中にあるお店だ。なので、なんちゃって四川風というわけではないと思うんだが・・・もうね、味の品評なんて無理ですよ。「辛い料理が好きなやつは味覚がおかしいんだ」とよくバカにされるけれど、実際に激辛を食べていると、モウ何がなんだかわからないっすよ、という状態になる。

(つづく)

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