23店舗目 TRATTORIA BUBU
「第1回おうちで激辛グルメ総選挙優勝!!」と大きく書かれたお店。
「おうちで激辛グルメ祭り」というのは、2020年にコロナで中止となった激辛グルメ祭りのオンラインバージョンとして、出店予定だったお店の一部の商品が冷凍でお取り寄せできるようになった企画だ。
僕自身、その詳細はまったく知らなかった。へえ、そんなことをやっていたのか。「コロナでイベント中止!」という通知があった時点ですっかり興味を失っていた。
つくづく、僕は「激辛を話題のネタとしてみんなで楽しみたい」のであって、単に激辛料理が食べたいわけではないことに気づく。自宅に配送してもらってまで激辛料理を食べたいとは思わなかった。
今日は僕一人なわけで、これも何の意味があるのか?と自問自答しだすときりがない。でも、翌週以降の仲間にたすきを繋ぎたい(第四区間はゆうどんさんが参戦するという内諾を得ている)という考えと、「ここまできたら引き下がれない。1店舗でも食べ損ねるのは悔しい」という考えの両方がある。
店頭にはハバネロより辛いとされる唐辛子、「ブートジョロキア」の袋がずらりと貼り付けられている。真っ赤な字で「WARNING」と書かれていて、体調が悪い僕にとってはこれを見ただけでドキドキする。
メニューは「激辛悪魔アラビアータのペンネ」と「悪魔風海老のペペロンチーノ」。
ペンネは・・・辛さが喉に絡みつきそうだ。怖いのでパス。海老だったら、シャクシャク食べて一気にごっくんすれば喉へのダメージが少ないかもしれない。こっちにしよう。
もう、「どうやって喉を守るか」という観点でしか物ごとを見ていない。
ところで「おうちで激辛グルメ総選挙優勝」と書いてあるから、ワンチャンお持ち帰りができるかも?と期待したんだけど、それはできないっぽかった。やっぱり会場で食べるのかー。
「悪魔風海老のペペロンチーノ」(デス辛)。
辛さを抑えるという選択肢はあった。というか、そうするべきだった。
でも、「あなたが落としたのは金の斧ですか、それとも銀の斧ですか?」と聞かれたら「金の斧です」と即答するような性格の僕だ。「デス辛」という選択肢があったら、そっちを選んでしまう。ああ。
出てきた料理はパリッとしたまるごと有頭海老に唐辛子入りオイルをかけたもの。そしてその上ににんにくと粉末唐辛子がかかっている。
この「パリッと感」は良かった。こちらの思惑通り、シャクシャクと食べられる。リズミカルに、できるだけ前歯の先端で海老を噛む。そして、一気に飲み込む。焦るな、落ち着け。早い段階で飲み込むと、海老の尖った殻で喉をひっかいてしまうぞ。
「デス辛」という辛さ表記にビビったけど、その警戒の甲斐あってか悶絶する事態にならずに済んだ。
ただ、最後に残ったオイルの扱いをどうしようか、逡巡する。
これはフランスパンに浸して食べたい・・・!と思ったが、そんなことができるわけがない。できてもやっちゃいけない。今回だけは勝ち逃げさせてもらう。海老を食べ終わったので次へ進もう。残ったオイルに未練を感じちゃ、駄目だ。
24店舗目 親鳥専門店 ばかたれ
昨日、「お持ち帰りできませんか?」と店員さんに聞いてみて、駄目だと知ってがっかりしたお店。今日こそは会場で食べて帰ろう。
「親鳥」と聞くと、僕は香川県の「骨付鳥」をイメージする。硬い肉だけど、噛んでいると独特のうまみがあっておいしい。
しかしこのお店で今回扱っているのは、「幻の鶏ホルモン」だった。確かに言われてみると、鶏肉のホルモンって珍しい。ハツ、砂肝はよく見かける食材だけど、ホルモンは見慣れない。へえ、これは面白そうだ。
選択肢は3つ。ノーマルの辛さ、10倍の辛さ、100倍の辛さ。え、えーと。100倍ください。
やってしまった。
あ、なるほど、こういうやつか。
「こういうやつ」とは、ホルモンの窪みに溜まった赤黒いソースを見て感じた言葉だ。カプサイシンたっぷりのソースが辛さを際立たせる。このタレの風合いを見ると、これまでの体験を踏まえて「マジでやばいやつ」ということがわかる。
まずはできるだけタレをホルモン全体に行き渡るよう、一部に集中しないよう、丹念にペタペタとホルモン同士をすり合わせる。そうしないと、これはヤバい。
意を決して食べてみる。本日最後の1品だ。
あああー、これはすごい。辛いという感覚はもはや少なく、「痛い」。痛さが口の中に充満している。これはすごい。さすが100倍。そりゃそうだ、だって100倍だもの。これがすごくなかったら、10倍とかノーマルの辛さのやつは一体何なんだ?ということになってしまう。
幸い喉が痛くなる系の辛さではない。口の中が痛くなる系だ。なので喉は大丈夫、なんだけど・・・痛い!
ホルモンなのでしっかり噛まないと飲み込めない。で、噛んでいる間にどんどん痛さが広がってくる。噛むのを止めても消えない痛み。
ホルモン残り3切れ。ここで飲んでいたカルピスが尽きた。
残り3切れなんだから、一気に食べちゃえばいい。会場で飲み物を買うと高くつくんだから、あとすこし頑張れ。
でも、我慢できなかった。急きょカルピスを追加購入。悔しい!これは無念!あと3切れのために、この俺様にカルピスを買わせるとは!
せっかくなので、生クリーム入りだという「カルピス・ザ・リッチ」なる量が少ない飲み物を買ってみた。貧乏性の僕は、このサイズの飲み物は「割高だ」として買うことがない。でも今回は特別だ。ラストまで後もう少しだし、濃厚なカルピスなら今この僕を助けてくれそうだし。
その選択は正しかった。いや、すごいわこのカルピス!甘さが強く、カロリーは高そうだが、口の痛みを見事に中和してくれる。特効薬だ。これは激辛料理の友としておすすめだ。会場価格180円。
一人で悶絶しながら、満身創痍で「第3.5区間」をクリアした。これでひとまず、LEAVE NO MAN BEHINDの精神で全てのお店を食べてきた。次は9月21日水曜日、第四区間。
参加希望者はこちらの記事のコメント欄にて。
対象となるお店の数は、7軒。まだまだ高いハードルが僕らの前に待っている。おかでん一人では太刀打ちできないので、協力してくれる人を求む。
(つづく)
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