食わずに死ねるか!【東京下町食べ歩き】

ベリーダンス

毎日20時から、ベリーダンスショーが行われているらしい。今日も20時から開始。このショーのことを考えると、19時に予約を入れて入店、というのが一番良さそうだ。僕らは全くショーの事を知らずに、偶然19時に予約を入れていたのでラッキーだった。

これがうっかり、18時予約だったら、20時に退店することになっていた。

ステージなんてないお店で、一体どうやるの?と思ったら、通路となっている場所でダンサーが踊る踊る。

ベリーダンス

電飾も光る光る。

ベリーダンス

店主のアリさんはとても有名な人だ。というのも、この人は気が向いたら店内をうろうろし、目に付いた女性を褒め称え、男性をけなしまくるからだ。そのキャラクターがウザいと思われつつも愛されて早10年以上。

ベリーダンスのダンサーさんが、タイコの上によじ登って踊るというパフォーマンスがあって、そのとき観客席にいた僕はアリさんに腕をぐいっと引っ張られ引きずられ、ダンサーさんの脇に正座をさせられた。ダンサーさんがタイコに登る際の支えになれ、というわけだ。

その際、アリさんには

「お前、たまには社会の役に立てー!」

と言われた。すいません、社会の役に立っていなくて。でも今回アリさんのおかげで役に立てて良かったです。

一事が万事こんな感じで、ばばろあを見たアリさんは周囲に聞こえる大きな声で

「ねぇ、見て見てー。この男、ガイジンじゃないのに毛深いー。ガイジンのワタシよりも毛が濃いー」

と言われていた。

一方女性に対しては、一転してベタ褒めだ。接客も、自然と丁寧になる。

ただし、いきなり

「写真を撮ったらFacebookに上げろ!『いいね!』を押せー!」

なんて命令したりする。

こういう絡みを面白がってゲラゲラ笑える人向けのお店だ。僕もばばろあも、楽しめるからいい。回りのお客さんも、大抵は笑っていた。

隣に座っていた男性客に、「前来たときもさんざん罵倒されたんですよ」と苦笑いしながら話しかけられた。ああ、やっぱりここに何回もやってくるお客さんは、そういうのが楽しいと思えるんだな、と思った。

ただし、中には困った顔をしていたり、イヤそうな顔をしている女性客もいたりした。連れてくる仲間は、ちゃんと人選をしておこう。「お腹いっぱい食べられるよ、珍しいよ」というだけでこのお店にやってくると、危険。

ちなみに、後日僕はおかでん兄貴を連れてランチを食べに行ったのだが、真面目人間の兄貴は露骨にイヤがっていた。何しろ、アリさんに

「何ここ、男同士~。ここに来るとテンション下がる~」

と言われてたから。

むしろ「いじって貰ってありがとうございます」と言えるくらいじゃないと、楽しめない。

ちなみに話は脱線するが、店頭の看板にも出ている「幸せランチ1,000円」というのは、本当に1,000円だった。出てくるものは、夜のメニューの簡略バージョンといった感じ。ナンはなかったけど、ラムのタンの煮込みとか、料理は重複していた。で、ストップと言わないと料理がどんどんわんこそば状態になる。

アリさんは時折、思いついたように客席を回り、ちょっとした料理やお菓子を配って、男をけなし、女を褒めるということを昼でもやっている。僕と兄貴が訪れた時は、綿菓子をお客さんに配り歩いていた。綿菓子を手渡しで1ちぎり分貰ったなんて、初めての体験だ。

そうやりながらもアリさんは抜かりなく客のテーブルをチェックしていて、僕らのテーブルに料理がなくなっていたら「あそこ、料理がなくなってるよ。すぐに持ってきて!」と店員さんに小声で指示を出していた。単なる暴言の面白おじさんではない。すごくしっかりとした商売人なんだと思う。

ベリーダンス

ベリーダンスショー最後は、アリさんが

「美人は全員立テ!」

と言いながら、店内にいる女性を片っ端から引きずり上げ、ベリーダンスの踊り子さんと一緒に踊らせていた。ノリノリの子もいれば、そうでもない子もいて、そのまだら模様っぷりも端から見ていると面白い。

乗り気じゃなかった人、災難でした。

ケーキ

最後、近くのテーブルで誕生日ケーキが振る舞われていたのだけど、あまりに巨大だったのでお裾分けがぐるっと各テーブルにやってきた。

ケーキ、といってもスポンジ部分は少なく、生クリームが大量なもので、これはこれで面白かった。

ザクロの前で記念撮影

驚きと興奮と、そしてお腹いっぱい。いやあ、いろいろすごいわこのお店・・・と感慨に浸りながら、お店を後にする。

「たくさん仕入れたんだけど、賞味期限があと数ヶ月しかないので100円で売る!」

とのことで、1リットル近いザクロジュースが100円で売られていた。思わず2本、買う。100円って安すぎだろ。「賞味期限が今月中」ならまだしも、あと数ヶ月もあるのに。

おかでん邸に戻り、風呂上がりにザクロジュースを早速飲む。ばばろあが

「いかん、ついつい飲んでしまうわ。100%のザクロジュースじゃなくて、砂糖とか入っとるのはわかっとるのに、なんかええね、これ」

としみじみ語りつつカパカパ飲んでいた。結局翌日、ばばろあは残り1本のザクロジュースをお土産にして、山口へと帰っていった。随分重たい荷物になったと思うけど、それくらい平気なくらい、気に入ったらしい。

「それにしてもどうなってるんだ、あの店?」

二人で、ザクロについて話をする。

「ありえんよな、あれだけ料理をたくさん作って、提供して、それで2,000円だなんて」

たとえビュッフェ形式のセルフサービスにしたとしても、安すぎると思う。

「いや、案外高い食材は使ってなかったかもしれん。一度に大量に作ったりもするだろうし」
「でも、肉はしっかり使われているしなあ。本業はレストランじゃなくて、貿易とかそういうので儲けていて、レストランは道楽なのかもしれない」

この日はこういう会話をしたのだけど、後日僕と兄貴がザクロで昼飯を食べた時にもアリさんはいた。つまり、昼も夜もお店にいる、ということだ。「本業」が別にあるとは思えない。どうなってるんだこのお店。やっぱりよくわからない。

いずれにせよ、あの店主はかなりのやり手だ、ということは間違いなさそうだ。すっかり気に入ってしまったのでまた訪れたいが、一人で食べに行ったら「キモーイ」とか言われるんじゃないか、と若干戦々恐々。

そんなわけで二日目は終了。

ばばろあがおかでん邸の風呂から上がってきて、こんな事を言う。

「リンスってないんか?」
「えっ、うちにはリンスなんてないぞ。シャンプーだけだ」
「そうなん?リンスないと髪の毛がバサバサになる感じがするんじゃけど」
「ばばろあの髪の毛(短髪で、やや天然パーマがかかっている)でリンスという言葉が出てくるとは思わなかった」

サッカーW杯の試合を深夜に二人で見て、試合終了とともに就寝。

(つづく)

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