
レストランザクロの「食べきれないコース」の写真をざっと紹介。
あぐらをかいてペルシャ絨毯の上に座った我々の前には、板が置いてある。それをテーブル代わりにして食事をする。昨晩の「駒形どぜう」と偶然にもスタイルが一緒だ。
料理はランダムにやってくる。
まずはスープ。

次はオリーブとかハラペーニョとか。これは二人で1皿。

テーブルの上をあらかた占拠してしまう、巨大なナン。胡麻がふり掛かっているのが特徴。

肉詰めのパイ。

鶏もも肉とサラダ。
とにかくもう、わんこそば状態でやってくる。テーブルはさほど広くないので、おちおち喋っていられない。どんどんテーブルの上を片付けないと。

豆とかの煮込み。

こちらは肉の煮込み。

汁気の少ない煮込み。
もう、何がなんだかわけがわからん。

ケバブ。

これなんだっけ?
パンのお焦げみたいなやつ。

隣の人とはこんな距離感。
隣の人と同じコースを頼んでいるのだけど、テーブルに載っている料理は違っていたりする。その時その時で、出てくる料理が若干違うようだ。厨房でどかっと作って、ばーっと配って、また違う料理を作って配って、という感じなのかもしれない。

「これいる?」と店員さんが言いながらお客さんの間を回っている。
こういう、ランダムイベントが時々発生して、その場に居合わせたらアイテムゲット、ということがあるのがこのお店の特徴。
貰ってみると、ナツメだった。

羊の舌を煮込んだものも臨時配給があったので、ゲット。
そんなわけで、どうもこの「食べきれないコース」というのは「この料理、あの料理」とガッチリ決まったコースがあるわけではなく、そのときの雰囲気とタイミングによって微妙に変わってくるものらしい。
どこまでがコースで、どこまでがサービスなのか、さっぱりわからない。なにせ、隣のテーブルと微妙に料理が違うからだ。
一人の女性客が客席内にいたけど、その人もがっつり「食べきれない量」が振る舞われていた。僕らは二人でナンが一枚だったけど、その一人客にもナンが1枚、フルサイズで提供されていた。
後にこのお店について、ばばろあはこう振り返った。
「ああいう店、ええよね。一人で行っても、何人で行ってもええけえ」
どういうことだろう、それは?何を言っているのかよくわからなかった僕は、その意味を聞いた。
「あれこれ食べたい、と思っても、一人だと食べれんじゃろ。でも、ああやってちょっとずつたくさん食べられるのはいい」
なるほど、そういうことか。でも、それならビュッフェレストランがあるぞ?
「いや、ビュッフェじゃダメなんよ。いちいち取りにいかないといけない。そうじゃなくて、あの店は料理を配ってくれるところがええんよ」
なるほど、確かに。ビュッフェのように、「好きな物を好きなだけ」というのは、自由度が高い反面、面白みが少ない気がしてきた。それよりも、「次に何がやってくるかわからない」という不自由さがあるこのお店のほうが、むしろ面白い。
方式としては、シュラスコ料理のお店に近い。

グラタン。

このお店は、オーダーを通すという仕組みがうまく機能していなかった。
長年営業しているのにこれはなんだ?というくらい、ドリンクのオーダーが通らない。店員さんに告げても、5分経ってもやってこず、何度か「注文してるんですけどー」と言わないといけない有様。これは僕らだけでなく、他のお客さんも全員そう。
料理を次から次へと配り歩いているせいもあって、店員さんは常にバッタバタ。そのせいだと思う。
ばばろあが、「だったらもう、度数の強いやつを」といって、あっちの方の蒸留酒を頼んでいた。
最初は透明なんだけど、水で割るとカルピスのように白く濁るという、不思議なお酒。

ストップ、と言わなければどんどん料理が出てくるのかもしれない。いや、じきに止まるのかもしれない。よくわからないまま、「いる?」と言われたら「はい」と答えて、料理を受け取る。
「今、料理全体のどの程度のところに自分たちはいるのか?」というのがよくわからないので、胃袋を全開放してよいのか、控えめにした方がいいのか、判断がつかない。そうなると、来る者拒まず、という方針を打ち立てるしかない。
これはジャガイモ。

カボチャなどの野菜。ここにも胡麻がかかっている。胡麻を多用する食文化なのかもしれない。
ああそうか、アラビアンナイトで「開け、ゴマ!」という呪文があるよな。
(つづく)
コメント
コメント一覧 (2件)
>おかでんさん
髭のルーロー飯、ねぐらの金沢の隣の野々市市に辛うじて残ってます。
金沢工大生の胃袋のパートナーとして頑張ってますよ。
たまにアワれみ隊の記事が頭に浮かぶと、つい車を飛ばして食べに行きます。
罪な食べ物ですね(笑
ティータさん>
ひげ張!懐かしい!ありがとうございます、すっかりその名前のことを忘れていた!なにせ、渋谷にあったのはずいぶん昔だから!食べたいなぁ。