食わずに死ねるか!【東京下町食べ歩き】

朝倉彫塑館

10:36
かき氷を食べ終え、引き続き谷中散歩の人に戻る。

とにかく暑い。かき氷を食べたからといって、涼が得られた気がしない。むしろ、摂取した水分が汗となって噴出している気分だ。

次に向かったのは、「朝倉彫塑館」という施設だった。彫刻家・朝倉文夫のアトリエ兼自宅が、今は公開されている。

「アトリエ」部分に、彼の彫刻作品が何点か飾られている。そして壁面にびっしり本が並ぶ書斎を通り抜けていくと、その先は急に和風建築の自宅になる。

自宅は、錦鯉が泳ぐ池を取り囲むように作られていて、庭の景色が美しい。畳の部屋は、好き勝手に座り込んで構わないので、畳の感触を楽しみつつ、くつろぎながら窓の外の景色を鑑賞できる。

冬場だと窓が閉まっているのだろうが、夏なので簾戸が開け放たれている。そのため、開放感もあって、とても清清しい。

地味な施設だとは思うけど、僕はここを四季折々に訪れたい、と思っている。ひとまず、夏はこれでクリア。

・・・いや待て、「クリア」という表現を使うのはよせ。

谷中の華

11:46
谷中銀座の入り口、夕やけだんだんまで戻る。

ランチ目当てだ。

もうランチなのか、という気がするが、今日は朝ごはんを食べていない。朝ごはん兼昼ごはんの時間だと思えば、バチは当たるまい。

朝ごはんのかわりに、かき氷やらゆずソフトを食べているけど、まあ、甘いものは別腹だから。

普通、「食事の後のデザート」の際に「甘いものは別腹」という言葉を使うが、僕らの場合「甘いものを食べたちゃったけど、これから食事を食べる」という言い訳に使っている。なんだかあべこべだ。それだったら、「辛いものは別腹」と言ったほうがよいのかもしれない。

この階段を下りると、そこには昨晩の食事を食べた「レストランザクロ」がある。ランチがどんなものか確かめるために、またザクロ・・・というわけではない。

階段のたもとに、黄色い壁の狭いお店がある。「京の華」という。このお店を昨日発見して、僕は仰天したばかりだ。仰天したついでに、訪れてみよう、ということを決めた。

元々ここには、「深圳(しんせん)」というお店があった。ご飯の上に炒めものが乗る、丼もの系の料理を専門に出す中華料理店だったのだけど、その豪快な料理に僕は深く魅了されていた。

このサイトでも、何度か登場したことがある。

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そんなお店が移転した、と聞いて悲しんでいたのだけど、後釜として入居したのがこのお見せ。なんと、台湾料理のお店らしい。

台湾風唐揚げ 500円
蒸し小籠包 600円
エビ入りカボチャ春巻き 600円
台湾鉄道弁当 角煮 1,150円
台湾鉄道弁当 排骨 1,150円
魯肉飯 600円
台湾麺線 600円
台湾ビール(小瓶) 650円

メニューはシンプル。がっつり満腹にさせるような構成ではなく、小吃(しゃおちー)料理だ。でも、麺線(めんしぇん)や魯肉飯(るーろーはん)がある、というのは「なんちゃって台湾料理」ではなく本気の台湾料理を出すっぽい。これはぜひ食べなければ。

麺線

「二人いるからシェアできるもんな」

といいつつ、なぜか3品頼む。

いや、その気になれば、全メニューを頼んでしまうということもできたのだけど、微妙にメニュー数が多かった。さすがにそれは無理だろう、ということで、妥協して3品。

でも「妥協して3品」ってなんだよ。2名なのに。

最初に届けられたのは、台湾麺線。

そうめんみたいな食べ物だ。暖かく、とろみがついたつゆの中に麺が入っている。台湾ではこれを朝食として食べる人が多い。

するするっと食べられるものではない。とろみがついているので、ズルズルと音を立てながら食べる。「ズルズルと音を立てて麺を食べるのは下品。日本人の蕎麦の食べ方はキモい」とよく言われたものだが、台湾人が麺線を食べるときも音を立てる。同士よ!

ルーローハン

こちらは魯肉飯。

豚肉のそぼろ肉を甘辛く煮込んだものを、ご飯にかけたもの。

昔、台湾に本店がある魯肉飯チェーン店「ひげ張魯肉飯」が都内に何店舗かあり、とても嬉しかったものだが、日本人の口にあわなかったのか、全て閉店してしまった。

案外魯肉飯を食べさせてくれるお店は多くないので、こういうお店があるとありがたい。

ただし、日本人に遠慮したのか、五香粉の風味は抑え気味に作られていた。もっとガツンとやっちまいなよ!と思うのだけど、それをやると売れなくなるので、難しいところだ。

弁当

3品目は、「台湾鉄道弁当 排骨」。1,150円と割高な値段設定なのは、このステンレス容器込みの値段か?と思ってしまうが、もちろんそんなことはなし。

台湾にも、駅弁という概念がある。しかし、大抵は紙箱に入っていて、僕の浅い知識の範囲では、「ご飯の上に肉が載っている」という印象だ。とにかく肉肉しい。もちろん、そうでないものもあるのだろうけど。

弁当中身はぱーこーが入っている

わーい、排骨と煮卵が入った弁当だよー。

これが定食形式で提供されていたら、見栄えが物足りないと思う。でも、こんな容器に入っていて、しかも二段重状態だったら、むしろ嬉しくなってしまう。茶色だらけのおかず、上等じゃないか。

大の大人ふたりが、シェアしながらもくもくと食べた。

なかなかに楽しいお昼ご飯だったぜ。

レストランザクロ外観

11:47
食後、夕やけだんだんを下り、また谷中商店街を目指す。ここからしばらく、谷中でたどり着いていない奥のほうまで歩いて行こうと思う。

レストランザクロの前を通ると、「100円マーケット」なるものが店頭で開かれていた。

ザクロジュース山積み

あ、昨日買ったザクロジュースが100円で山積みになっているぞ。

やっぱり大量に買いすぎて、余らせてしまったのだろうか?「通常価格400円」のところが100円だよ、と書いてある。

いくら在庫整理とはいえ、100円で果たして商売になるのだろうか?ペットボトルの水なみに、安い。トルコ産なのに。

(つづく)

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • >おかでんさん
    髭のルーロー飯、ねぐらの金沢の隣の野々市市に辛うじて残ってます。
    金沢工大生の胃袋のパートナーとして頑張ってますよ。

    たまにアワれみ隊の記事が頭に浮かぶと、つい車を飛ばして食べに行きます。
    罪な食べ物ですね(笑

  • ティータさん>
    ひげ張!懐かしい!ありがとうございます、すっかりその名前のことを忘れていた!なにせ、渋谷にあったのはずいぶん昔だから!食べたいなぁ。

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