交通機関、使いませんか?【筑波山リターン】

山頂の神社

10:51
山頂が見えてきた。いや、正確に言うと「山頂にあるほこら」が見えてきた。こちらも、筑波山神社。つまり、筑波山神社は標高270mのところにある拝殿と、男体山および女体山にそれぞれ本殿がある構成になっている。

どっちが本物なんだ!?さては分身の術ではあるまいな。「あまりに高速に移動しすぎて、物が二つに見える」現象かもしれん。

調べてみると、男体山はイザナギ、女体山はイザナミが祀られているそうだ。知らなかった。

ほこらの石垣脇に、「男体山頂」という看板が出ている。さすが、筑波山最高峰というわけではないので、表示が地味だ。日本百名山やで!といった自信に満ちた看板は一切ない。チクショウ、昔はこの地を踏みしめ、「筑波山に登ったぞー!」と意気揚々としていたんだ。まんまとはまった。

測候所跡

筑波山気象観測ステーション。男体山山頂すぐ脇にある建物。90年近く前の建築物なので、コンクリートの壁一つとっても重厚さが違う。

門は既に一部が崩れかけている。こんな観光地に、山の山頂に廃墟が存在しているとは。

解説看板

いやいや、廃墟なんて言ったら怒られるぞ。

遥か昔この地を訪れたときも「廃墟」だと思っていたのだけど、10年以上経ってもその認識は変わっていない。しかし、新しい解説看板が張り出され、この建物が今でも現役で稼動していることがわかった。えっ、そうだったの?

建物は古ぼけているけど、中にはきっちり気象観測機器が納められて稼動していたのだった。

もともとはアメダス地点として利用されていたらしいが、アメダスの統廃合で気象庁の管轄から外れたそうだ。で、今では筑波大学と筑波山神社の共同管理という形でここは運営されている。

「最新の研究に活用中」だぞ?なめたらアカン。

建物入口

10:53
殺風景な建物のように見えるけど、いちいち芸が細かい。入口はアーチ型の、ロマネスク風とでも言える装飾。しかし、シャッターが閉まっていて、人が出入りしている気配はない。無人測候所として機能しているのだろう。建物の中に入るところはシャッターがぴっちり閉まっていた。そうでもしておかないと、この外観なら闇夜に乗じて「肝試し」とかで悪さをする人が出てきそうだ。

ほこら

10:53
で、イザナギが祀られている方の筑波山本殿。これにて双耳峰の両方に登頂したことになる。完膚なきまで、筑波山!これでもう、何も問題はない。枕を高くして眠れるっていうものだ。

筑波山北側

10:54
山頂からの景色。山頂周辺は木々が生い茂っているのであまり展望はよくないが、チラ見するくらいならできる。景色を満喫するなら、この場所よりも御幸ヶ原まで下りたほうがいい。

山頂で写真

10:56
山頂で記念撮影。

満面の笑みなのは、昼前にして早々に「あとは下山するだけ」の状況なのが嬉しいからだ。山頂に登ったことによる達成感とかそういうのではない。早く下山して蕎麦を食べに行きたい。

おりてきた

11:06
というわけでとっとと御幸ヶ原まで下りてきた。

相変わらずここは人が多い。男体山は人がちらほらやってくる程度なので、おそらく「筑波山観光」として訪れた人たちはここで満足して、下山してしまうのだろう。

ケーブルカーの「筑波山頂駅」と、円形の「コマ展望台」が並んでいる。

ケーブルカー乗り場

11:09
どうしよっかなぁ・・・。

チラ

とりあえず値段だけでも見ておこうかなぁ・・・

チラチラっ

足はそのまま、ケーブルカーの筑波山頂駅に向かっていた。そして、確認するは自動券売機と時刻表。もう山頂には登ったわけだし、このままケーブルカーを使って下山しちゃってもいいよね?いいんだよね?

いいとも!

一人で勝手に納得し、自分の良心と葛藤する。

ケーブルカーは1時間につき3本。運賃は580円。決して高い値段だとは思わない。しかし、歩いたらタダだ、それを思えば高いっちゃあ高い。

歩いたら筑波山神社まで70分。ケーブルカーなら8分だ。この差はデカい。デカすぎる。男の子なので、乗り物大好きだし。

チラッ

また見る。どうしようかな。

ただ、下山を楽したら、なんだか「登山」として完成していない気がするんだ。ちゃんと歩いて下山しなくちゃいかんのではないかと。

でもよ、それを言うなら、山に登るなら海抜ゼロメートルから登ってみろ、という話になる。どこまで「文明の利器」で楽をしたら「邪道」なのか、自分でも基準がわからない。

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