交通機関、使いませんか?【筑波山リターン】

2015年は全く山に足を向けることがなかった。温泉療養ひとり旅シリーズがすっかり気に入ってしまい、癒しのために毎月のように温泉旅行に出かけていたからだ。くりゃんくりゃんに体をほぐす。それこそ自分にとってのジャスティスであり、ストレス社会を生き抜く延命措置だった。

登山?いや、もちろんやりたいけど、なんとなくそんな気になれない一年だった。引っ越しがあったため、シーズンである夏の間はバタバタしていたし。

しかしやっぱりそれじゃいかんと思う今日この頃。特にそう思ったのは、正月早々のイベントだった。駅伝大会にエントリーし、3kmを走ることになったのだ。人不足の穴埋めとして出走したのだが、もちろん僕は走ることはからきし苦手だ。3kmをノンストップで走ったことなんて、人生で一度もないくらいだ。

ジョギングシューズを買っただけで、練習を一回たりともしないまま本番当日。結果、案外普通のタイムでタスキをつなぐことができ、すっかりご満悦のおかでんであった。人生チョロいもんよ、と。しかし、2日後に右足くるぶしを腫らしてしまい、その後2日間家の玄関から出ることすらままならなくなり会社を欠勤。舐めたらアカン、ってことだ。そりゃそうだ。

そんな己の肉体の限界を知ったからではないが、2016年こそまた山に登ろうと思う。「おかでんは多趣味の人」とよく言われるが、実は案外趣味の幅は狭い。その狭い中で一番の核となる趣味の「登山」をないがしろにしてはいかんと思うのです。登らないと。そして、登るためには鍛えないと。いきなり高い山に行くなんてのは、無理だ。

そういうことを、会社のトイレでおしっこをしながら考える日々。トイレは窓に面しているのだけど、その窓からは関東平野、そしてその遥か先に山が見えた。てっきり赤城山だと思っていたのだが、それにしては形が違う気がする。そもそも、近すぎる気がする。どこだろう?と思って股間をゴソゴソしていて気が付いた。ああ、あれって筑波山じゃねぇか、と。凝視すると、ネコ耳型の二つの山頂が確認できた。あれは筑波山の特徴だ。

筑波山といえば、以前兄貴と一緒に登山し、よりによって二つの山頂のうち低いほう(男体山871m)に登って悦に入っていたことがある。百名山、一座制覇!といきまいていたのだけど、後でもう一つの山頂(女体山877m)の方が高いことに気づき、「一座制覇」の称号を返上したっけ。なんだよ、「女」と「男」だったら、男の方が大きいイメージがあったのに。違うのか!とびっくりしたものだ。

兄貴拉致計画【筑波山】
登場人物(2名) おかでん:新車調達で有頂天気味の人。 おかでん兄:体調が悪くても、連れさらわれてしまう人。 2002年06月30...

ということで、未だに筑波山というのは「日本百名山」のなかでも未踏破の山として僕のなかでは位置づけられている。

そうだ、じゃあ今年一発目はここを皮切りにすればいいじゃないか。リベンジマッチだ。標高が低い山だし、疲労困憊したらロープウェイもケーブルカーもある。2016シーズン幕開けにはちょうど良い山だと思った。

そんなわけで、筑波山行きが決まった。6月に筑波山に行き、夏の間にあと1~2座、日帰りの山に登る。そして9月から10月の間に山中泊の縦走を目指す。こんなスケジュール感でいこう。

2016年06月19日(日)

TXつくば駅

07:46
秋葉原を起点に、つくばまで伸びている新しい鉄道「つくばエクスプレス(通称TX)」のおかげで、びゅーんとつくばまで到着。昔は、常磐線の土浦や荒川沖からバスでアプローチしなければならず遠い場所だったが、今やすっかり便利になったものだ。

ただし新線なので工事費が随分とかさんだらしい。運賃はかなりお高い。まあ、たまの登山だしいいか。しかし、この路線に住んで、通勤する人というのは会社はたまらないだろうな、通勤費がかなりお高い。

それでもつくばエクスプレスのことを褒めておくと、ロングレールを採用しているために電車特有のガタンゴトンが全くない。新幹線のように、しゃーっと軽快に、揺れも音も少なく突っ走る。しかもかなりのスピードだ。120km/hだったっけ?

気がついたら秋葉原から1時間程度でつくばのど真ん中に到着。既に開発された街に鉄道を敷設したものだから、つくば駅は地下に作られている。随分ぜいたくなものだ。すまんすまんと近隣の皆様に謝りつつ地上駅、とはいかず、贅沢にトンネルを掘りまくったのか。そりゃあ運賃に跳ね返ってくるよな。

ちなみにつくばエクスプレスは、「陸の孤島」とこれまで揶揄されてきたエリアを走る、地元悲願の路線。そういう意欲的な場所だけに、大開拓時代状態にまだまだ土地が余っている。埼玉県に入ったあたりから沿線の景色が地味になってきて、茨城県に入ると、あれっ、田んぼや畑の中を電車が突っ走ってる!という光景になる。ついさっきまで、電気街でおなじみの秋葉原にいたとは思えない変わりっぷりだ。

そんな最果てにあるのが、つくば。そしてさらにその先にあるのが、今回の目的地である筑波山ということになる。

つくば駅地上

07:49
つくば駅から地上に出てきたところ。

大きなバスロータリーがお出迎え。思わず周囲をキョロキョロしてしまったが、まさにつくばの街ど真ん中で、かなり栄えている。「つくばセンター」というらしい。

つくばエクスプレス沿線は、ゲーム「シムシティ」のように、駅周辺だけ高層マンションや病院が建ち、駅から離れると一気に何もなり田園風景になる。しかしこのつくばだけは別格だ。さすが終着駅だけある。

ちなみにつくばのことを田舎だとバカにしてはいけない。この界隈に住む人たちは、日本国の精鋭技術者や研究者たちなので、年収はかなり高い。このあたりの人たちが全滅したら、日本全体の知的偏差値が少し下がってしまうかもしれない、そんなエリートな街だ。

バスターミナル

バス乗り場で、筑波山に行くバスを確認する。

公共交通機関を使った筑波山行きの経験は初なので、いまいち状況がよくわかっていない。

事前に調べた限りだと、筑波山方面に行くには「直通バス」のほかに、「つくバス」と呼ばれるコミュニティバス?っぽい名前のバスがあるらしい。ただこの「つくバス」、筑波山の山麓までしかいかないらしく、登山・観光客にとってはあまり関係がなさそうだ。時と場合によっては山麓まで行ってこのバスを利用することもあるだろう。

バスターミナル外観

ずらりと並ぶバス。

観光バス的な乗り物

07:50
バスターミナルの1番乗り場が筑波山行きのバス乗り場になっている。

既にバスが停車していて、客が乗り込んでいた。あれっ、乗り合いバスじゃなくて観光バスなのか。

このバス、つくばセンターと呼ばれるこの地を出たら、筑波山界隈まで一気にぶっ飛ばしてしまう。途中の地元民は完全に相手にしていない。なので、乗り降りが頻繁ではないので観光バスの流用で十分なのだろう。

料金表

07:52
運賃は現在地のつくばセンターから目的地のつつじが丘まで乗って870円。結構高い。

つくばまで電車でやってきたら、もう目と鼻の先に筑波山があるような印象を抱くが、実際はまだまだ先だ。ざっと1時間近くの所要時間がかかる。だから高くて当然。

最終便は早い

復路の終バスは17:00ですよ、と大きく掲示されていた。

今乗っているこのバスがつくばセンター発の始発であり、08:00に出発する。なので、バスで往復するならば現地滞在時間は最大でも8時間、ということになる。案外短いものだ。まあ、山だから、日が暮れるまで遊ぶ人はいないだろうといことか。

あと、それほど大きな山ではないので、そんなに長時間登ったり下りたりはしないだろう、という想定でもあるのだろう。実際僕は、今回の登山では昼過ぎに下山し、山の中腹にある蕎麦屋で昼ご飯を食べてから帰宅しようと思っている。

まっすぐの道を走る

08:05
ひたすらまっすぐ続く道。これがつくばクオリティ。ひたすらまっすぐで、ひたすら土地が広い。首都機能移転の話があった時、とっととここに移ってしまえばよかったのに。もったいない。

こんな道をバスはチンタラと走っていく。もっとスピード出せよ、何をゆっくり走ってるんだ!と思って身を乗り出して運転席のスピードメーターをのぞいてみたら、ちゃんと制限速度通りに走っていてびっくりした。道がまっすぐすぎて、スピード感が全然ないのだった。

こういうところでは、ネズミ取りのおまわりさんは捕まえ放題だろうな。

それはさておき、道路脇にある研究施設もでけぇことでけぇこと。まず、通り過ぎる際に「警備員さんがいるゲートは見える」んだけど、そこから奥、建物が全然見えない。アメリカの巨大企業みたいな施設が、日本にもあるのだなと今更ながら驚かされる。

防災科学技術研究所、高エネルギー加速器研究機構・・・。一体どんな研究をしているのだろう?

筑波山が見えてきた

08:24
学園都市を抜け、田園風景が広がった頃に筑波山が見えてきた。おお、これだこれだ、いつもトイレから拝ませてもらっているよ。なので、こいつを見ると無性に尿意を催してしまう。条件反射のようなものだ。

腎臓が健やかでありますように、と思わず手を合わせてしまう。筑波山の神様はびっくりしたかもしれない。

左の山頂が、以前僕が登った男体山。右の山頂が今日の最大の目的地であり、筑波山でもっとも高い場所である女体山。