11:46
シャーという音が聞こえてきたと思ったら、しばらくしてぬっとケーブルカーが現れた。これが文明の利器というものなのか!なんだこの圧倒的なスピード感は!
みるみる、ケーブルカーは傾斜をものともせずに通り抜けていった。取り残されたのは、圧倒的パワーを前に唖然とするおかでん。
いつの間にか、登山道はケーブルカーの線路を乗り越えていた。このケーブルカーは珍しいことにトンネルがあり、さらにルートが「く」の字に折れ曲がっている。ケーブルカーは一直線に走ることが多い乗り物だけど、ここ筑波山では曲がるやら、トンネルを潜り抜けるやら、かなりトリッキーだ。
トンネルの上を登山道が通っているので、下山当初は左手側にあったケーブルカー線路が右手にかわっていた。若干頭が混乱する。
11:49
線路脇に出た。
ちょうどこのあたりは上りと下りのすれ違い場所で、線路が複線になっていた。
次のケーブルカーがやってきたら手を振ってお出迎えしよう!と身構えていたが、いつまで経ってもやってこないので諦めた。そりゃそうだ、ついさっき通過したばかりだ。次は20分後。
11:59
深い森の中をどんどん下っていく。
山頂が騒がしくて、中腹が静か。そして山麓に戻るとまた騒がしくなる。今が一番心落ち着くときだ。折角だからここらで一句詠もうかとも思ったが、妙案が浮かばなかったのでやめた。
12:03
ぐいぐい下山の真っ最中だけど、ここでようやく正午。すばらしい、1時には下界でお昼ご飯だぞ。これが低い山のメリット。
といっているうちに、隣をまたケーブルカーが通り過ぎていった。早いなー。また感心する。
手を振ってみたが、乗客からすると茂みの中の登山客は目に留まらないらしい。完全にスルーされてしまった。あらー。
12:06
ぐいぐいと下る下る
12:13
ここの登山道はつづら折れという概念があまりないらしく、清清しくどんどんと標高を下げる。下るのも一苦労だが、登るほうはなおさら一苦労だろう。標高が低い山なので油断しがちだが、結構骨が折れるのは間違いないだろう。
下山したら、風呂に入るかどうしようかまだ思案中。風呂に入ってウヒャーッ!くつろぐゥゥゥゥ!というのは大いに魅力だけど、とっとと蕎麦を食べたい気もする。いや、蕎麦なんて面倒だから、いったんつくばセンターまで戻ろうかという気もする。さてさてどうしようどうしよう。
既に心は筑波山にあらず。次の目的地に向かうための途中経過に過ぎなくなってしまっている。何しにきたんだ一体?もっと山に経緯を払わないと。
12:15
おっと。ケーブルカーのりば、という矢印看板発見。ということは、山麓側のケーブルカー駅まで下山してきたということになる。よし!ここでもう一丁!ケーブルカーで山頂まで戻るぞ!
・・・えー。
ケーブルカーだと8分、徒歩だと70分。この現実を前にすると、歩いて登ろうという気にはなかなかならないものだ。よっぽどの物好きだけだ。
12:16
ケーブルカー駅に通じる石段に出た。この上にケーブルカー駅がある。
「ケーブルカーを使えば簡単に筑波山頂に登れるよ!足腰が悪いおっかさんだって簡単だよ!」と親孝行のためにおっかさんをつれてきた息子は、この石段を見て途方に暮れるだろう。しまった、肝心のケーブルカー駅の手前に石段があったか!と。
もう少し低いところに駅を作れなかったのか?と思うが、何か事情があったのだろう。切ってはいけない神木が行く手を阻んだとか。
ケーブルカー駅を拝もうかと思ったけど、面倒くさいのでやめ。そのまま階段を下る。
階段の踊り場には、手作り七味唐辛子や柚子味噌を売るお店が営業していた。
今だったらおかでん様のしたたる汗から作った天然塩、売ることができますけどどうですか?いらない?
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