ふたたび温泉療養に戻る【那須湯本療養2】

17:13
夕方になると、雪が降りはじめた。急に寒くなる。

夕食時間が近づいてきたので、その手前でひとっ風呂浴びに行く。

雪が降っていてもへーき、傘なんていらない。「わー」と叫びながら、小走りで目の前の滝乃湯へ。

この近さは本当に素晴らしい。

あと、お風呂に入るちょっと前から、部屋の窓から滝乃湯をチラ見しておくといい。「あ、今は混んでるな」とか「ここ最近人の出入りがないな、空いているっぽいな」ということがわかる。宿の場所は本当にナイスポジションだ。

17:45
旅館松葉の夕食、2日目。

ちゃんと1日目とは違う料理を用意してくれているのが嬉しい。

メインディッシュは、陶板にアルミホイルをかぶせて作った「簡易フライパン」によるハンバーグ。面白い、こういうのは初めて見た。

ノンアルコールビール(2缶)をプシッと開けつつ、ご飯を食べる。

このあとの写真は全くなし。18時前に夕食を食べ終わり、部屋でパソコンをいじりながらゆっくり過ごし、風呂に2度だったか3度だったか入り、24時前に寝る。

旅先でありながら、「これは写真に残しておこう」というヤラシイ気持ちが起きない、すごく素直で素朴な時間を過ごすことができた。スッキリだ。

2018年01月30日(火) 3日目

06:52
3日目の朝。今日はチェックアウト後、宇都宮に立ち寄ってから帰京するスケジュールになっている。宇都宮立ち寄りは、あともう少し「宇都宮の焼きそば事情」を知りたいからだ。

思えば、今回の旅は「俗から解脱した、静かな時間」とはなりきらなかった。食べ歩きをやっているし、昨日は老松温泉を捜し求めてるし。しかし、それでも何度もしつこくお風呂に入り続け、宿で過ごす時間というのは心が癒やされた。家で過ごす2泊3日とは大違いだ。

今回もまた、旅が終わる前から「この療養は大成功だった、と言わざるを得ない」と深く確信している。

07:25
朝風呂でシャキッとしたのち、宿でご飯をいただく。写真の上端に水が入ったグラスと瓶が写り込んでいる。なにせ、風呂三昧の日々なので、水分補給は必要以上に意識しなくちゃ。

09:16
今回の温泉療養、最後の風呂に向かう。

宿のチェックアウトは10時。今ここで30分弱、お風呂に入って着替えれば、10時には間に合う。

こうやって、全てが逆算できて、いつどこで何をやらなければならない、というのが明確なのは心地よい。

こんな性格だったら、僕は犯罪を犯して刑務所に入った方が快適なのではないか?と一瞬思ったが、それはさすがにイヤだ、勘弁してくれ。

わずか2泊3日だけど、風呂に入った回数は10回程度だと思う。

たとえが悪いが、「お腹を壊した人が頻繁にトイレに行く」かのように、お風呂と部屋とを往復した。

毎回、入浴時間は「30分程度」を目標としている。湯船に浸かっていても浸かっていなくてもいい。とにかく、風呂場に滞在するのが30分。

なんで時間を区切るのかというと、そうすることで「スマホやPC、テレビや書籍といった情報に脳が被爆しない」時間を確保できるからだ。

さすがに共同浴場だと、風呂場に本もスマホも持ち込めない。そもそも、腕時計さえも劣化がイヤなので持ち込まない。おかげで今の時間がわからなくなる。

初日は、30分のお風呂というのはなかなかキツかった。5分もお風呂に入っていればのぼせるので、「よし、お風呂終わり。風呂から上がって部屋に戻ろう」という気になる。情報量が少ない空間にじっとしているのが苦しい。

でも、そうやって常に情報の被爆を受け続けているから、今の僕の生きづらさがある。情報デトックスを行うのが、今回の旅の目的だ。

何度か風呂に入っているうちに、「情報が少ないこと」に段々慣れてくるし、「30分の入浴」というゆったりした時間間隔に体が馴染んでくる。そうなってくると、心も晴れやかになってくる。

もしここで一ヶ月などとありえないレベルで長期滞在できたら、僕は一体どうなってしまうのだろう?悟りを開けるかもしれない。本当にそれくらい、わずかな期間でも精神の立ち直りを実感させられた。

09:57
宿のご主人にお礼を言って、チェックアウトする。10時ギリギリまで滞在するのが、温泉療養のジャスティスだ。

また訪れたいものだ。どうせ、いずれまた精神がカリカリしてくる時がやってくるんだし。これだけ素晴らしい温泉環境があるのだから、これ以上「まだ見ぬ強豪」の温泉地や宿を探す必要はない。そう思えるくらい、今回の宿と湯には感謝している。

09:58
鹿の湯方面の道は、日陰になっているところが凍りついていた。車がスリップしながら、かろうじて登っていく。自分も転ばないように、気をつけないと。

ここで転倒して骨折したり脱臼したら、違う温泉療養が必要になってしまいかねない。それでは意味がない。

(つづく)

10:03
那須塩原行きのバスが出る時間まで、湯本バス停すぐ近くにある足湯「こんばいろの湯」で過ごすことにする。

宿のチェックアウト時間直後で、バス待ちのお客さんがいてもおかしくない時間帯。でも、誰もいなかった。冬の平日ともなれば、こんなものか。

あと、そもそも宿に10時ギリギリまで滞在する客というのが少ないのだと思う。9時頃から、宿の廊下はあちあこちにリネンが積み上がり、空いた部屋から掃除機をかける音が聞こえてくる。このプレッシャーに耐えつつ、10時ギリギリまで過ごすのはかなりの胆力を要する。

こんばいろの湯は、中央から見て左右に足湯がある。足湯なので男湯・女湯が分かれているわけではないけれど、一瞬どっちに浸かるのが正解なのだろうかとキョロキョロしてしまう。

湯船にホースが突っ込んであるので、掃除の真っ最中なのかな?と心配になる。でもこれはアッツゥイ源泉温度を冷ますための水だ。

足湯だけれど、営業時間がある。09:00-18:00。

そうか、清掃時間を除いて24時間使えます、というわけではないのだな。

18時という早い時間で終了にしているのは、夜間に騒がしいヤツが車やバイクでやってきて、ドタバタされるのを警戒してのことだろうか?

ジェントルおかでんは、一人静かに足湯に浸かる。

10:41
バスがやってきた。

那須湯本、どうもありがとう。2泊3日、くつろいだ。十分とは言えない。理想を言うと一週間くらい過ごしたい。暇で絶望になるくらいが、真の療養だと思う。でも、社会人としてはこれが限界。

さあ、外界に戻ろう。

11:15
黒磯駅にやってきた。

那須塩原駅行きのバスだったけど、ここで下車してJR東北本線に乗り換える。

自動改札がある駅だ。首都圏でSuicaが使えるエリアの北端となるので、ここから一駅でも仙台方面に向かってしまうと「えっ、現金払いっすか・・・」と絶句することになる。僕はこれから東京方面に向かうので、Suica利用で大丈夫。

交通の要衝であると同時に、東北本線を分断する駅でもある。ここから北に向かう電車は、だいたい1時間に1本くらいしか走っていないローカル線だ。

改札脇に、跳び箱のような箱があるぞ?と思ったら、昔の列車に取り付けていた行き先表示版だった。

ああそうだ、昔はこういうのがあったなぁ。始発駅で、駅員さんが各車両に取り付けられたこの板を差し替えていたっけ。

いずれ、それが「スクロールする幕」で行き先が電動切り替わりするようになり、さらには今はLED表示になった。時代は変わる。

それにしても、アナログな時代ならではの良さもある。こうやって、当時はどういう路線だったのかが未来に記録として残るからだ。LEDならこうはいかない。

驚きなのが、「上野-黒磯」というかなり長距離な便があったということ。しかも、「通勤快速」があったり、浦和を素通りして黒磯から池袋に行く便もあったようだ。

この言葉どおり、黒磯から通勤快速に乗って都心に通勤しようとしたら、一体どれだけ時間がかかるというのか。無理だ、心が折れる。那須塩原から都心に新幹線通勤というのでさえ大変なのに。

13:25
宇都宮にやってきた。

お目当ては、「宇都宮焼きそば」をもう少し追求するということ。あと1軒お邪魔すれば、今回の旅で合計4軒食べ歩いたことになる。「なんとなく、雰囲気はわかった。」程度にはなりそうだ。

でもその前に。

「正嗣」という餃子専門店に立ち寄ることにした。ここはとても美味しいという噂を聞いているのだけれど、その分行列も凄いらしい。

「来らっせ」を運営している「宇都宮餃子会」には加盟しておらず、「来らっせ」でここの餃子を食べることはできない。

なので、お店に行かなくちゃ。

なお、店名の読み方は「まさし」というのが正解だった。やべえ、僕はさっきまで「まさつぐ」って読んでた。そしてその前は、「せいごう」って読んでた。

お店は、平日のお昼とはいえさすがに行列ができていた。「行列なんて並んでいられるかよ!」という性格の僕だけど、ここはおとなしく並ぶ。次いつ食べられるかわからないから。

それにしても安いなぁ。1人前210円。

値段につられて、焼き餃子も水餃子も頼んじゃった。おい、このあと焼きそばを食べるはずなのに。

なお、このお店は潔く「焼餃子」「水餃子」「冷凍餃子」の3つしかメニューがない。ビールもないし、ライスだってない。黙って水飲んで食べてろ、というガチなスタイル。

13:14
いやあ、びっくりですよ。これはうまい。皮も、あんも、ちょっと他とは次元が違う気がした。

これは毎回食べたい、頻繁に食べたい、と思った一品。

(つづく)

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