ふたたび温泉療養に戻る【那須湯本療養2】

13:25
「正嗣」で餃子を食べたあと、すぐ近くにある「みんみん」のお店を見に行った。

休業日だった。

むしろ休業日でよかった、ここで営業をやっていたら、「せっかくだから食べ比べをやっておくか」という気持ちになるところだった。

そもそも、「様子を見に行く」という時点で行動が不穏だ。スキあらば食べてやろう、という気が満々だ。

13:45
しばらく街を歩く。

宇都宮駅の北西に、焼きそば専門店「あおやぎ」があるのでそれが目当てだ。

歩いていくと、本当に住宅街の中なのでびびった。こんなところに焼きそば屋、しかも専門店があるのか!と。

今回の旅の初日に食べ歩いた焼きそば屋3軒は、いずれも繁華街または繁華街に近い場所だった。それに比べて、ここは周辺人口が少ない。

メニューはシンプル。やっぱり宇都宮焼きそばは独特の世界観だ。

「やさい入り」が一番安くて400円。そこから、玉子、肉、いかを組み合わせていき、全部入り状態になると750円から、となる。

「から」という書き方になるのは、50円単位で麺の量を増やせるからだ。

ビールどころか、うどんさえない。本当に、直球すぎる焼きそば屋だ。

このお店の立地条件やメニューを見て、「ああ、広島のお好み焼き屋も似たところがあるな」と思った。観光客は知らないと思うが、広島は本当に住宅街のいたるところにお好み焼き屋がある。クリーニング店とどっちが多いかといったら、多分お好み焼き屋の方が多い。そんなレベル。で、ひょこっと民家が並ぶ一角にお好み焼き屋がある。もちろん、客層というのは、お店から半径数百メートルまでに限られてくる。「遠方からわざわざ食べにくる」という名店も中にはあるけれど、多くのお店はもっと気軽な、地元民の食堂だ。

ただ、広島のお好み焼き屋は、せめて「そばか、うどんか」を選ぶ選択肢があるし、焼き上がるまでの間、待ちながらビールを飲んだりする余裕はある。その点、宇都宮の焼きそばのなんとストイックなことよ。

餃子屋においても、「餃子だけしかないです」という営業形態だったりする。どうも、宇都宮の人は余分なものを究極的に削ぎ落とす性格なのだろう。

13:50
「あおやぎ」の焼きそば。

肉、キャベツ、玉子とそれぞれの具が存在感を発揮する。むしろ、麺の量は控えめだ。屋台の焼きそばとは似て非なるものだ。屋台で売られている焼きそばは、「大盛り」を売りにして、「ほら!プラ容器が閉まらないくらいたくさん盛り付けるよ!」と道行く人の耳目を集める。しかし、その分具は殆ど入っていないものだ。

麺もしっかりした食感で、スーパーで売っているような、ブチブチ切れる歯ごたえの悪い麺とは大違いだ。こういう良い食感なら、専門店で焼きそばを食べる価値があると思う。

14:05
「おや、青源があるぞ」

半分わかっていたけど、一応大げさに驚いてみる。

焼きそばを食べたあと、「もう思い残すことはない、あとは東京に戻るだけだ」と宇都宮駅に向かう。

その宇都宮駅の駅ビルに、餃子専門店の「青源」がある。

14:07
青源は、「来らっせ」で常時水餃子がメニューに載っている。味噌汁のようだけど、酸っぱくて辛い。酸辣湯的な味わいのある水餃子で、これがかなり僕好みだ。餃子そのものの味は、よく覚えていない。とにかく、水餃子のつゆは好きだ。

そんな青源が目にとまってしまった以上、無視はできなかった。

恐ろしや宇都宮。

餃子にしろ、焼きそばにしろ、「ちょこっと食べられる」ので、つい油断して食べてしまう。食べ歩きが好きな人は、無限地獄に陥りそうだ。

これがガッツリしたお店ならば、暖簾をくぐるのにはそれなりの覚悟が必要だ。でも、「餃子専門店」ともなれば、メニューはサクッとしてるし、客もひっきりなしに出入りしている。とにかく気軽だ。

で、入店。

あー、ネギ味噌焼餃子(420円税込)と、青源水餃子(490円税込)を頼んじゃった。

なにが「気軽」だ、900円以上お金を払うことになるぞ。

この日三度目のお昼ごはん。

いくら温泉に入って無我の境地を目指そうとも、一気に煩悩に引き戻される。でも、そんなものだ。二泊三日の温泉療養で何かコペルニクス的地殻変動が起きるとは思っていない。

今回の温泉療養は、これまでの一人温泉療養シリーズと異なり、「食べ歩き」の要素が加わった。頭を休ませる事ができなかったのでは?と思われるかもしれないが、予め一筆書きのコースを策定してしまうと、あとは楽だ。当日、決められたルートを歩き回るだけだ。カロリー過剰摂取にはなるけれど、歩き回って町探検ができる良い気分転換になる。

気分転換する、というのも、何らかの強制力がほしい。そうでないと、大いなる日常生活に甘んじてしまう。「宇都宮焼きそばと、餃子を食べ歩く」という強制力のおかげで、宇都宮の街を歩き回れたのは良い体験だった。

湘南新宿ラインは便数が多い。

時刻表を見比べてはいないけれど、新幹線で東京に向かうよりも便数が多いんじゃあるまいか。平日14時台だというのに、15分刻みで横須賀線の逗子駅行きがある。

電光掲示で、高田馬場駅(山手線)で起きた人身事故に伴う電車遅延について説明がされていた。それを見て、一気に東京の重力に引っ張られた気がする。ああ、これで日常に戻るのか。

やっぱり一週間くらい東京を留守にして温泉療養したいなぁ。。。

14:41
湘南新宿ラインに乗り、3日ぶりのコーヒーを飲むおかでん。これにて今回の旅は終わり。

リフレッシュできただろうか?多分、できた。身体に流れる生気が、詰まった感じが薄れた気がする。

ただし、写真で見てもはっきりとわかる。この短期間でやたらと太った。太ったり痩せたりを繰り返す僕だけど、今は体重増加期。暖かくなったら、山に登って体重を削っていこう。

(この項おわり)

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