戦場の癒やしは温泉【日光湯元キャンプ・戦場ヶ原縦走】

550円の有料エレベーターに乗って、100メートルの崖下の観瀑台へ。100メートル移動のために550円って、かなりの贅沢だ。1メートル進むのに5.5円。(正確に言うと往復料金なので、2メートル進むのに5.5円だが)

横浜ランドマークタワーの69階展望台に行く有料エレベーターが「273メートル、1,000円」なので、こちらは1メートル3.7円。なんと、日本最速を誇るランドマークタワーのエレベーターより高額なのだった。

まあ、これだけ高くても見える滝の景色は一緒だよね、でも何事も体験だもんね、一度で十分だよね、と半笑いで観瀑台に向かう。

しかしどうだ、観瀑台から見える景色は、100メートル上の無料展望台とは全然違うものだった。これにはびっくりした。

やっぱり滝って、水平方向とか見下ろす角度で見ても迫力が減る。それよりも、断然「下から見上げる」角度の方がグッとくる。なにしろ、滝つぼからの水しぶきと轟音が間近だ、これは滝体験としては圧倒的だ。

そして、改めて滝を低い位置から見て、「ああ、滝の周囲には『白糸の滝』みたいな細かい滝がいっぱいあるんだな」ということに気づく。今更?と思うかもしれないが、こういうのは至近距離の低い位置から見ないと、案外気づかないものだ。

観瀑台にあったお土産物店。レトロなイメージを感じさせる。

でも、具体的に何がレトロなのか?と言われると答えに窮する。ただなんとなく、だ。

たぶん、「昔っから売っているものは殆ど変わらない」なんてことはない。時代の流れとともにどんどん変わっているのだろう。僕ら観光客は気づいていないけれど。

昭和の時代だったら、黒いペナントとか、木刀とか、そういうものが必ず売っていただろう。それがどうだ、今じゃラングドシャだのなんだの、横文字の洋菓子がいっぱいだ。

エレベーターに乗って地上に戻る。

ステンレスの扉が鈍く光る、大きなエレベーター。

地上に戻ってからも、いしはお土産物屋の探検に余念がない。

職場にお土産を買っていくんだ、とか、何か面白いものがあれば自分のものとして、とかいろいろ彼女の頭でぐるぐると考えつつ、吟味を続けている。

僕なんて、「まあ、こんな感じね」とざっと一べつしただけでお店を立ち去ってしまう。でも、一緒にお土産物屋であれこれ見ていると、細かい驚きと発見がいっぱいあることに気づかされる。

なんで僕がスカした態度をとってしまうのかというと、お土産物屋さんで店員さんに声をかけられたり勧められるのが嫌だからだ。数としては少ないけれど、しつこく構ってこられてイヤな思いをしたことがあるので、買う予定がないお土産物屋さんには近づかないことにしている。

おっと、いしが「日光♨まんじゅう」をバラで1個買ったぞ。やっぱり甘いものには目がないんだな。

一方僕はというと、自宅消費用として「サラゆば」というのが面白そうだったので買ってみた。

甘いおまんじゅうを買ういし、湯葉を買うおかでん。かなり方向性が違う。

18:26
さすがにもう日没時間だ。宇都宮までやってきたけれど、18時を過ぎていて軒並み施設は終わりになっていた。大谷石記念館も閉館しているし、「道の駅うつのみや ろまんちっく村」も営業が終わっていた。せっかく車を停めたのに。

この「ろまんちっく村」は道の駅なのに、ブルワリーがあってクラフトビールを醸造しているという面白い施設だ。ビールの醸造タンクを外から眺めるだけで、この場は退却。

19:33
夜になったので、宇都宮の「来らっせ」で餃子を食べて帰ることにした。

しかし、宇都宮の市街地はお巡りさんがたくさん出ていて、交通規制をしている。何事かと思ったらどうやらお祭りが開催されていて、車の通行ができないらしい。

粘って、交通規制の外側でコインパーキングを探してみたが、どこも満車。慣れない・狭い路地をウロウロしていると、交通事故を起こしかねない。危ないので中心部から脱出した。

とはいっても、頭と口はすっかり餃子を食べるモードになっている。諦めきれないので、探しあてたのがこれ。「和の中」。医食同源、と書いてある。薬膳餃子のお店だって。珍しい!

良かった、営業中だ。

ゆで、焼き、スープと3種類の薬膳餃子がある。ええと、全部ください。

テーブルの調味料は、「にんにく醤油」「中国黒酢」「胡麻醤油」「特製ラー油」。

薬膳焼餃子。うん、うまい。

薬っぽい味だったかどうかは忘れた。

なにげにチャーシューも美味。ほろほろ、というよりとろとろに近い食感。

えっ、なんで卵かけご飯なんてオーダーしたの!?

と一瞬びっくりするビジュアル。いや違う、これは卵かけご飯じゃない。実は、「石焼餃子チャーハン」なのだった。

玉子の下に餃子のあんが潜んでいる。ここににんにくしょうゆをかけてかき混ぜると・・・

ほら、こんな感じ。石焼ビビンパのようにご飯に焦げ目がついていて、食感の違いも楽しめる。

もはやこれは「餃子」と言えないけれど、「featuring 餃子」くらいには言える。

実際、うまかった。

21:24
東北自動車道羽生PAに立ち寄りつつ、東京を目指す。日曜日夕方ならではの渋滞は既に解消されていて、すんなりと東京に戻ることができた。

7月に上高地、8月に日光湯元と2ヶ月連続で楽しくキャンプが出来た。やっぱりキャンプはいいもんだ。不自由さこそが自由、自由こそが不自由。そして自然の中にいることによる、緩慢な時間の流れと情報量の少なさによる癒やし。都会にいると感じるザワつきがないので、随分気が楽だった。

これからおかでん&いしは結婚に向けて急激に忙しくなっていく。でも、機会を見つけてまたキャンプに行きたいものだ。

(この項おわり)

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17

コメント

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください