
20:44
さらにダメ押しで、ハムを焼いた。
これも片品で手に入れたもの。なんでハムを買おうと思ったのか、覚えていない。
でも、ハムっていいよな。キャンプ向きだ。ソーセージも大変に愛しい奴で、キャンプ地に向かう途中の農産物直売所だとか観光牧場で買うと本当にウキウキさせられる。でもソーセージよりもハムのほうがもっと楽だ。薄くスライスすれば、あっという間に炒めることができる。香ばしくなって、贅沢品の雰囲気が漂ってくる。一方、愛しいソーセージはちょっと時間がかかるし、色気を出して生ソーセージなんて買ってしまったら、茹でるのに時間がかかる。

そんなわけで、お互い飲み物の2本目に突入。
いしは「月夜野クラフトビール」というのを開栓。群馬県のマスコットキャラクター、「ぐんまちゃん」が描かれている。ペットボトルのビール、というのが面白い。これは観光客向けにとても良いパッケージだと思う。瓶はとにかく重たいので、土産にするのがつらいからだ。

21:41
夕食を終え、家から持ってきた珈琲をドリップして飲む。
もう寝る時間だよ、とは思うけど、こうやって開放感がある空間で過ごす時間は貴重。もう少し起きていたい。
ただ、気持ちが落ち着かずバタバタしていたようだ。このとき珈琲のお供として食べたお菓子がほとんど写真に写っていないし、さっきのハムだって何者だか写真で記録が残っていない。どうもソワソワしていたようだ。

22:41
夜空を見て過ごす。
僕は星空を眺めて静かに興奮していたのだけど、夜勤明けのいしにとってはただただ眠たかったようだ。ガクッと崩れて、その勢いで折りたたみ椅子が壊れた。

上高地キャンプでも星空を堪能したけれど、上高地とはスケールが違う。あちらは谷間から空を見上げているので、狭い範囲しか見えていない。しかしここ日光湯元は、バーンと空が見える。
こんな満天の星空をじっくりと眺めるのは人生初かもしれない。

「すごいなー」
といいつつ、シャッタースピードを25秒とか20秒とか調整しつつ写真を撮る。いしは足元で寝ている。
すごいのはすごいんだけど、どの星がどの星座なのか、星の名前が何なのかはさっぱりわからない。
いやまあ、星座なんて覚えなくてもいいと思うんだが、状況把握するための目印がなにもないのはやっぱり残念だ。

どこに何の星座があるのかわからないので、やみくもに撮影する。
しかも、デジカメの液晶画面では星が写っていないので、実際にレンズが何を捉えているのかは撮影が終わってみないとわからない。

結局、星の数が多すぎて、むしろ「どれが天の川なんだっけ?」ということさえわからなかった。なんかそれっぽいものはあったような気がするけど、自信がない。

23:09
寝る前にトイレに行っておく。トイレは、一旦キャンプ場を出て、駐車場を突っ切り、その先にある。キャンプ場内にトイレがあればいいのに、と思うが、冬の間はスキーゲレンデとなる場所だ。トイレを設置するには不向きだったのだろう。
トイレは二重扉になっていて、最初の扉を開けたら次は網戸。こういう対策をとっておかないと、夜は明かり目掛けて虫がバンバン入ってくる。

1:42
夜中、トイレのために一旦テントから抜け出す。
日常生活でさえ、夜中のトイレというのは忌々しく面倒くさいものだが、キャンプのときはなおさらだ。遠方まで歩いていくのが大変なのはともかく、一緒に寝ている人を起こさないように、そーっと動いて、衣擦れに気をつけつつテントのファスナーをゆっくり開けるのが疲れる。
でも、そうやって外に出てみると、ますます素晴らしい星空が待っていた。
寝ている間にすっかり目が暗闇に慣れたので、星がよりくっきりと見える。なんだかわからないけど、きれいだなあ。

夜中2時近いけど、テント脇に座り込んでしばらく星空を楽しんだ。今見ておかないと、次はいつこんな星を見ることができるだろうか。
できれば月に一度はキャンプをしたいな、といしには話をしている。でも今年はおそらくそんな余裕がないと思う。何しろ、これから結婚式に向けて猛ダッシュがスタートするのだから。まだこの段階ではどこで挙式をするのか、規模はどうするのか、諸々何も決まっていない。でも、休みの日が全て潰れるんだろうね、というのはなんとなくわかっていた。次は来年だろうか。

闇夜に浮かぶテント群。
長時間シャッターを開放しているので、くっきりと見えるけれど実際はかなり暗い。闇夜に、このテントたちが並んでいる。
この時間まで起きてくつろいでいる人は当然おらず、静かな空間となっている。でも、時折トイレに行く人のヘッドライトが遠くに見えたりもする。
(つづく)
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