16:13
吹割の滝を後にし、日光湯元を目指す。
道中、今晩の夕食+明日の朝食用の食材買い出しのため、マルイ商店というスーパーに立ち寄った。
事前にざっと調べた限り、日光湯元の温泉街にはスーパーが存在しない。なので、現地に到着する手前のどこかで買い出しをしなければならない。
もちろん、旅情というか風情というか、「できるだけ本日の幕営地に近いところで、ご当地感がある食材を買いたい」という欲がある。しかし、あまりチキンレースをやりすぎると、お店を発見できないまま日光湯元に到着してしまう。ほどほどのところでお店を見つけ、そこで買い出しをしないと。
なにせ、僕らは今群馬県の最果てを目指している。グイグイと山に向かっている最中であり、お店の密度は下がる一方だ。
片品の集落にお店があることはあらかじめ把握していたけど、規模感がわからない。酒とタバコ中心のお店だったりしたら途方に暮れることになるので今ここで買い物を。
・・・とはいっても、地元の人々のためのお店だ。「ご当地感!」という食べ物が売られているわけではなかった。そりゃそうか。そういうのは道の駅とかに行くべきなんだろうな。かといって、道の駅はスーパーではないので、調味料とか食料全般が買えるわけではない。そもそも、農産物直売などをやっていない、トイレと観光案内程度しかない道の駅だってある。道の駅は過度に期待しちゃいかん。
16:24
マルイ商店ののち、ちょっと進んだ先にある「道の駅 尾瀬かたしな」に向かう。
道の駅の存在は知っていたけど、どういう規模の施設で何か旅人向けの売り物があるのかどうかは全くわからない。
しかし、ここはいいぞ!いろいろ売ってた。まさに絵に描いたような農産物直売所で、農産物をはじめとし、トマトジュースなど農産物の加工品なども売られていた。
ご当地感あるお酒も売っている。よし、ここで追加購入をしておこう。
これで大丈夫、心置きなくキャンプができる。もし日光湯元キャンプ場が「大規模修繕のため閉鎖中」とかだったりしても、最悪車中泊でも対応可能だ。
17:21
金精峠を越え、群馬県から栃木県に移ってきた。峠道を下ったところが、日光湯元。
案内看板を見ると、「奥日光湯元」と書かれているので、表記に若干のゆらぎがあるようだ。
日光湯元は広々とした道路が碁盤目状に整然と並んでいる。道路脇に緑が生い茂り、リゾート感がある。朝、この界隈を散歩するだけでも気持ちが晴れ晴れとするだろう。温泉地ならではのごちゃっとした感じがまったくない。
おそらく、ここが国立公園内であること、そして宇都宮や日光といった鉄道がある場所から随分と遠く離れた山奥であることから開発がドカドカと進むことはなかったのだろう。
ええと、キャンプの受付は日光湯元ビジターセンターで行うらしい。
ビジターセンターといえば国立公園内にある、環境省管轄の施設だ。ということは、今回泊まる日光湯元キャンプ場は環境省管轄のキャンプ場、ということか。実際の管理は外部委託しているかもしれないけれど。
ビジターセンターは17時半で閉館するので、急いで中に入る。ギリギリ間に合った。
17:23
キジの剥製などに睨まれながら、キャンプ申込用紙を書く。
ここ最近キャンプブームがすごく、キャンプ場を選ぶのは面倒な時代になった。便利なところ・快適なところは混んでいるし、マナーが悪い人が増えたとも聞く。僕はそういうのはイヤなので、キャンプをするならばある程度不便でもいいから客が少ないところがいい。
今回は現地で何もレンタルしないでキャンプを決行する。これで問題がなければ、あとはどこのキャンプ場でも利用できるだろう。
キャンプ場利用申込書には、
湯元地区には、キャンプ用品や食材を購入できる店舗はありません。
と真っ先に書いてあった。利用申請をしました、テントを張りました、さてメシを調達しに行こう・・・えっ、売ってる店、ないの!?となったら大変だ。あらかじめご了承ください、というわけだ。
たぶん、ここから最も近い商店は、中禅寺湖湖畔だと思う。ずいぶんと遠い。夕方だったら、もうお店が閉まっているだろう。
日光湯元エリアの日帰り温泉入浴マップ。
これを見ると、結構な数の旅館・ホテルが日帰り入浴を受け付けていることがわかる。源泉はおそらく一緒なのでどの施設を利用しても同じ効能だけど、浴槽の雰囲気をあれこれ楽しみたければ湯巡りをするのも楽しかろう。
ただ、僕らの場合は時間の制約がある。既に時刻は17時半近く。これからテントを張って、さあお風呂に入りましょうといっても受け入れてくれる宿はそんなに多くない。19時まで、とか20時まで、といった遅い時間まで日帰り入浴を受け付けてくれる宿を選んで、そこのお世話になろう。
キャンプ場はビジターセンターすぐ脇、というわけではない。スキー場のゲレンデが夏の間はキャンプ用として開放されているのだという。へえ、そういうことか。
キャンプ場は、休暇村日光湯元の裏手の山の斜面だ。休暇村の脇にある駐車場に行き、かろうじて1台分の駐車スペースを発見しそこに車を停めた。
日光湯元キャンプ場。
1泊大人1,000円。今回は二人なので、2,000円だ。
野っ原に自分でテントを立てて、自炊するだけなのに1,000円もするの?とは思うが、炊事場やトイレの使用料なので納得するしかない。
目の前には、スキーゲレンデが広がっている。なるほど、今晩はここでキャンプか。
(つづく)
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