[18番札所 恩山寺(おんざんじ) 徳島県小松島市]
井戸寺から20kmの道のりののち、恩山寺に到着。車でも40分くらいはかかる道のりだ。結構離れている。でも、歩きだと4時間前後かかることを考えれば、文明の利器=車はすごい発明だと思う。
恩山寺境内。
弘法大師修行像、という像が建立されていた。
正面階段を上ったところが本堂、左手が大師堂。
お手洗い中。
金剛杖は神聖なものなので、不浄な場所への持ち込みは良くないとされている。だから、お手洗いに入るときは入り口に立てかけることになる。
あと、首からぶら下げる「輪袈裟」も、お手洗い中は外してしまっておくのが礼儀だとか。
そんなわけで、「ちょっとお手洗い」というときは、少しだけゴソゴソしなければならないのであった。
5km走って立江寺。
ここの駐車場は有料。
「車遍路の人は自動的にお賽銭を払うシステムだな」
などといいながら、ゲートをくぐる。ここは自動料金収受機が設置されていて、お金を払うとゲートが開く仕組みになっていた。
[19番札所 立江寺(たつえじ) 徳島県小松島市]
仁王門の前で記念撮影。
本堂には、団体で訪れた人たちがいた。
一糸乱れぬ声で般若心経を唱えていて、聞いていて心地よい。上手だなあ、と感心する。
その団体の中の数名は、修験僧や天狗がつけているような小さな帽子をちょこんと頭にのせていた。輪袈裟のデザインも普通と違う。白衣は相当年季が入っているっぽく、朱印が一面に押されていた。南無大師遍上金剛とは書かれていない。真言宗ではなさそうだ。
いろいろな宗派の人もお遍路に訪れるのだな。
立江寺本堂。非常に大きく立派だ。神社のようにも見える。
札所によって、立派なお寺と質素なお寺があるというのは面白い。下世話な話だが、札所に認定されているところは他の寺院と比べて実入りが大きいはずだ。そして、札所によってお賽銭の大小がかけ離れているとはあまり考えられない。立派にしようとすればできるのだろうが、そこは「歴史を重んじる」or「老朽化著しいので改築したら立派になっちゃった」ということなのだろうか。
次の札所、鶴林寺は山中にある。焼山寺に続く第二の山岳ステージだ。ここも結構難所だと聞こえてくる。鶴林寺までの道中を標した地図があったので、出発前に確認。やはり結構山に分け入っていくようだ。
駐車場の近くに薬局があったので、おかでんは酔い止めの飲み薬を調達。その場で飲み干した。
車酔いは後部座席のほうが起きやすい。体が固定されないので、車が右に左に向きをかえればそのまんま体が振り回される。後部座席に陣を構えるおかでんとしては、山岳ステージは闘いだ。
前部座席の2名は、当然シートベルトを締めて体が固定されているし、これから行く方向を目視確認できているので車酔いの可能性は少ない。酔い止めは買わなかった。
酔い止めを飲んだ余裕からか、危惧したほど道は困難ではなかった。焼山寺の狭い道の方がスリリングだった。
しかし、登ったなあ。標高差500mくらいあるらしい。
そんな山中なので、駐車スペースがあまり広くない。車がいっぱいでさてどこに停めたものか、と一瞬躊躇してしまったくらいだ。何とかスペースを見つけて、無事駐車。
駐車場から山門までの道。
標高が高いだけあって、霧がでてきた。
お寺は山の頂上にあるそうだ。
[20番札所 鶴林寺(かくりんじ) 徳島県勝浦郡勝浦町]
仁王門前で記念撮影。ようやく到着したーという開放感。
鶴にちなんで、カンフー映画で出てくる「鶴のポーズ」をとってみる。
仁王門からさらに階段をしばらく上って、ようやく境内に到着。
ここでおかでんの数珠がちぎれた。自宅から持ってきたものなので、今回用に調達した新品ではない。しかし、「数珠のひもがちぎれる」なんて事があるとは意外で、驚いた。
そんなにじゃらじゃら言わしていたわけじゃないんだけどなあ。
既に20番も札所を打っているわけで、合計40回お経をあげていることになる。さすがに短時間でこれだけ握りしめられたら、数珠の耐性が保たなかったか。
・・・新しい数珠、どこかで買わなくちゃ。
境内には立派な三重塔があった。
一同、前へ前へ、次の札所へという気持ちをいったんストップし、「立派な塔だなあ」としばらくみとれていた。
後で知ったが、この三重塔は県の文化財に指定されているそうだ。
細かいところの彫刻も手がこんでいる。
なぜか頭を抱えて「Oh My God!」と叫んでいるかのような人(仏様?)が彫り込まれていた。何を意味するポーズなんだろう、あれは。
「聞かざる」・・・ではないよな。「言わざる」「見ざる」がないし、そもそもそれは日光東照宮だ。
鶴林山の山を下ると、今度はロープウェイの出現だ。
次の札所、21番太龍寺も山のてっぺんに位置する。しかし、そこに通じる車道はない。もちろん歩き遍路用の山道は存在するのだが、車の人は山麓に駐車し、そこからロープウェイでのぼっていかないといけないのだった。
お寺だけのためにロープウェイというのは、すごい。
このロープウェイ、遍路巡礼の人だけで経営が成り立っているぞ。経営状態は潤っているのかピンチなのかは知らないが、何ともスケールがでかいというか大げさというか。あ、違うか、お寺専用のロープウェイだからスケールは極小だ。
山の上に行っても、公園があるわけでもなし展望が素晴らしいわけでもなし。巡礼者以外は乗らないロープウェイだ。
ロープウェイ降り場が本堂になっております、なんてなっていたら傑作なのだが、さすがにそんな不遜なことはしていなかった。
ロープウェイで楽しやがってこの野郎、といわんばかりに、降りてからもまだ階段はある。
それにしてもこの「四国霊場第三十一番」「舎心山 太龍寺」の柱のでけぇことでけぇこと。圧倒されて、思わずここで記念撮影。
「ロープウェイの収益で建てたな」
と勝手なことを妄想する。
広い境内を歩いていると、本堂などの並びに多宝塔があった。それ自体は仏教建造物に詳しくないわれわれにとって特に興味を引くものではない。しかし、なんの気なしに解説看板を読んでいて笑った。
この多宝塔にも真言が存在しているのね。しかもその真言がとてもかわっている。
おん・ばじら・らたな・あ・あー・あん・あーん・そわか
しぶちょおとおかでん、二人して「ああーん」「うふーん」などと男ならではの気持ち悪い声を発しつつ御真言を唱えた。
歩いていると、「ごりやく錫杖 まわしてください」という棒があった。
回す、というのは多分土台に突き刺さった状態のものをそのまま回すんだとおもうが、しぶちょおはむんずと重い錫杖をつかみあげ、そのままぐるんぐるんと棒術使いのように振り回し始めた。
なるほど、これなら御利益倍増だろう。・・・って、ホントか?
太龍寺本堂。
ロープウェイから降りたときに見たあの巨大な柱と立派な石段から、「きっと本堂は豪華絢爛に違いない」と想像していた。しかし実際は質実剛健というか、至って真面目で成金ではないお堂だった。
さあ、読経は終わった。またロープウェイを使って麓までおりよう。
歩き遍路の人は大変だよな、こうやって山を登ったり下りたりを繰り返さないといけない。何しろ、ロープウェイで上り下りするような場所まで歩かないといけないのだから。
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