09:53
滝本駅の改札前に、「御岳山宿坊マップ」なる掲示があった。
さすが山上集落!
ここからケーブルカーで山の上に登るというのに、その山の上に宿坊がびっしりだ。地図右下にケーブルカーの御岳山駅があり、左上に武蔵御嶽神社がある。その道中、うねっている道すがらに宿坊があるわあるわ。
黄色い表示が宿坊、青色の表示が飲食店や土産物など。
数えてみたら、宿坊は25軒、売店は9軒あった。
高尾山のように山全体が観光地化しているような場所ではなく、もう少し「山」感が強い場所なのがこの御岳山。しかも、この滝本駅から山の上までの間は、茶店のようなお店は一切ない。なので、いきなり山の上にポコン!とこれらの集落ができあがっているというわけだ。
さすがだ。
この地図を見て、静かに興奮してしまう。
地図には載っていないけど、やっぱり住んでいる人たちのために風俗街があったりするのかな・・・とか余計なことを考えてしまうが、さすがに神社の門前町なのでそれはないだろう。
そのかわり、診療所はあるようだ。さすがに病気ともなれば、即座の対応が必要だ。
ただし、食料品を売っているような商店は見当たらない。観光客向けの地図に書く必要がないから省略したのか、それとも食料品や日用品は全て下界まで行って買ってきているのか。
Amazonの配達なんてどうしているんだろうな。Prime対象になるのだろうか?
ケーブルカーの駅から神社まで、「参道一本道」じゃないところがワクワクさせられる。ああ、本当に集落なんだな、人が住んでいるんだな、ということがわかるからだ。
ちなみに僕の今回の最終目的は、その山上集落ではない。神社からさらに奥にある、山だ。この地図でいったら赤い建物として描かれている武蔵御嶽神社の左側にあたる。
09:53
ケーブルカー乗車待ちのお客さんが行列を作る。
ホーム上で待たせるわけにはいかないのだろう、改札前で行列ができていて、すでに建物からはみ出しそうな勢いになっている。
なるほど、12月の冬でさえこの状態なのだから、暖かい季節ともなれば大混雑で行列はもっともっと長いものになるだろう。
そんな行列を作っているお客さん相手に、売店は抜かりがない。
売店の敷地からぐぐぐぃとせり出してテーブルを設置し、おすすめ商品を並べている。
で、並んでいるお客さんは基本的に暇なものだから、これらの商品をガン見し、店員さんの口上につられてついつい買ってしまうのだった。うまい商売だ。
しかも、飢餓感を煽るように「数量限定 無くなり次第終了いたします」なんてPOPを掲げている。
その限定商品というのは、「わさび大福」だった。
へえ、面白い。大福餅の中にわさびが入っているのか。罰ゲームみたいだけど、おいしいのだろうか。
珍しいので、3個入りのパックを買ってみた。荷物になるので、帰りに買いたかったのだけど「数量限定ですよー」の言葉につられて。
実際、夕方にこの駅を通った際にはすでに売り切れていた。「売り切れじまい」の言葉に偽りはなかった。欲しいものがあれば、早く買っておくことをお勧めする。
09:56
ケーブルカー「武蔵」号に乗車開始。
車内はすごい角度だ。
最後尾部分は、犬が乗る際のスペースになっている。犬!こんなところまでやってくるのか。
さすがにどこに犬が乗ってもオッケー、ということにはしていないで、エリアが決められている。
ちなみに逆方向、つまり山の上から下におりるときはお犬様エリアは逆転し、山の上方面(やっぱり最後尾部分)に鎮座していただくことになる。
先頭部分は人間様がかぶりつきで風景を観賞するために優先させたい、ということだろうか。
それにしてもなんだこのレール。
僕は昭和の人間なので、「銀河鉄道999」というたとえを思いついてしまったが、今の人には通じるだろうか?
わざわざケーブルカーを敷設するくらいだから、急斜面なのはどの山のどの路線でも一緒。
でも、こうやって「高架橋」形式になっている部分があると、がぜん斜面が急で、ヤバい角度に見えてくるのだった。
ああなるほど、この景色はジェットコースターに乗ったときに見かけるものだからだ。どこかでストーンと落とされるんじゃあるまいか?
そんな景色なので、先頭車両にかぶりつく人たちの数がとても多い。老若男女、関係なくみんなガッツリ鑑賞中。
そんなお客さんを尻目に、僕はスマホの画面に夢中。
今日が12月3日なので、ちょうど一か月後の1月3日の新幹線予約をしなくちゃいけないからだ。新幹線の座席指定予約は1カ月前の午前10時から行うことができるので、正月の帰省終わりで東京に戻る新幹線を、スマホ連打でゲットすることに成功。
10:05
中間地点で、もう一台のケーブルカーとすれ違い。
こっちは赤いカラーリングで、「御岳」号という名前がついていた。
10:06
滝本駅の近くだけが高架橋になっているのかと思ったけど、その後も山肌を離れて高架になっているところがある。山のアップダウンが結構あるらしい。
眼下に、細い道が見える。
ケーブルカーを使わないで徒歩で登る場合、この道を使っていくことになる。
「うわー、歩かなくて良かった」
という声が車内から聞こえた。
でも、歩いている人の姿が見えたので、律儀にここを歩く人はそれなりにいるらしい。
(つづく)
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