山上集落の山を行く【御岳山】

表参道

10:26
杉林の中の参道を歩いて行く。

日差しがとても心地よい。12月だけど、日が差しているうちはまだ暖かさが残っている。身体が冷えて苦労するかと思ったが、ずっと直立不動でもない限りは大丈夫そうだ。

先ほどから、前後を行く人、すれ違う人、やたらとワンちゃんを連れて歩いている人を見かける。なんだろう?これは。

最近犬を観光地にまで連れてくる人が結構いるが、それにしてはやたらと人口密度ならぬ犬口密度が高い気がする。そもそも、わざわざここまで犬を連れてくるか?

その理由は、このあとすぐに判明した。武蔵御嶽神社というのは、犬のお祓いも受けられる、「わんこの神社」として知られているのだそうだ。えっ、アンタら、お祓い受けたん?お守りとか貰ってきたん?と驚いて犬を見てしまう。

道理で、ご主人様から可愛がられている感満載の服を着用していたりするわけだ。

それにしても驚いたなあ、犬っていうのは神社の境内に入れることさえNGな場合もあるのに、ここはそんなにおおっぴらなのか。

さてはアレだな、日本武尊を導いたとされる山犬(オオカミ)が祀ってあるんだな。数ヶ月前に登った両神山もオオカミが神社を護っていたっけ。

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この界隈は日本武尊伝説があちこちに残されている。

武蔵御嶽神社のwebサイトを確認してみると、おいぬ様の由来についてこう書いてあった。

日本武尊(やまとたける)が東征の際、この御岳山から西北に進もうとされたとき、深山の邪神が大きな白鹿と化して道を塞いだ。尊は山蒜(やまびる=野蒜)で大鹿を退治したが、そのとき山谷鳴動して雲霧が発生し、道に迷われてしまう。そこへ、忽然と白狼が現れ、西北へ尊の群を導いた

日本武尊は、山梨県の雁坂峠を越えて埼玉県の秩父方面に向かったとされている。なので、その前の出来事なのだろうか?いったん東京までやってきて、それから山梨経由で埼玉というのは随分と迷走しているように見える。

まあ、このあたりは伝説だから。あんまり細かく考えちゃ駄目。

そもそも、地図なんてまともなものがない時代だから、当時は未開の地に出かけるなんてとんでもなく大変なことだったと思う。伝説ではない、史実とされている坂上田村麻呂の東征だって、一体どれだけ苦労したことやら。

山麓からの道

10:27
おっ。眼下に、下界から通じている唯一の道路が見えてきた。

ケーブルカーを使わないで、律儀に麓から歩いて登ってくる人はこの道を使うことになる。かなり急だし、細かいつづら折れの道になっている。

ちょうど今、下から軽自動車が上がってきている。エンジンが悲鳴を上げている。

切り返し道

あーあーあー。

あまりにカーブがきつすぎて、曲がれない道だった。何度も切り返しながら、ようやく車の進行方向を変え、また動き始めていた。

軽自動車でさえ、これだ。普通乗用車は、当然無理。

この道路は、山の上の集落関係者のみが利用でき、しかも軽自動車限定なのだという。そりゃそうだ、観光客が車でここまでやってきたら、前にも後ろにも進めなくて悲惨なことになりそうだ。

すれ違いができるような場所が見当たらないので、不運にも車同士がお見合いしてしまったら大変だ。考えただけでとても怖い。

参道

10:28
生け垣と石垣に挟まれた道。

いよいよ集落の中に入ってきた。

当たり前だけど、電柱も立っている。

へええ。さっきまでは山の中の遊歩道、って感じの道だったのに、急に集落が現れたよ。

ビジターセンター

10:28
まずは集落の入り口近くにある、ビジターセンターに立ち寄ってみる。

このビジターセンターは、積極的にいろいろなイベントを主催していて以前から気になっていたところだった。今回は特にそのイベントとタイミングを合わせていないけど、いずれはこのセンター主催のイベントにも顔を出してみたいと思っている。

ビジターセンター内部

ビジターセンター内部。

山登りの格好をしている人と、全くそうでない人との服装のギャップが面白い。

どこかで見たことがあるなこの光景、と思ったら、ああそうだ、上高地がこんな感じだったっけ。

ただ、上高地にいる山ヤたちはガチ勢なので、ザックがかなり大きいしロープやらヘルメットやらをくくりつけている。さすがにその迫力と比べるとここはマイルド。

ビジターセンターイベント

イベント情報が張り出してあった。

すでに終了した日程だけど、「夜神楽鑑賞と猟師料理(夕食)」というイベントがあって、こりゃあいいなあ、と思った。猪とか鹿が振る舞われるのだろうか?

しかし、17時集合というのがかなり遅い時間だ。そんな時間に集まって、夕食を食べて神楽を見たら、下山が出来なくなってしまう。このあたりの宿坊に泊まることが前提なのだろうか?

・・・と思ったら、夜神楽開催日は御嶽駅までの臨時便が出るのだそうだ。

ますますそれはいい。来年以降、覚えていればぜひこれに参加してみたいものだ。

集落

10:32
憧れの山上集落、眼前に現る。

空が広い。

さっきも書いたけど、「山の中集落」ではなくて「山の上集落」である証拠だ。

この写真だけ見ると、まるで平野部の集落のように見える。でも、軽自動車がヒイヒイ言ってたあの坂を登り切った先が、ここだ。

驚いたなあ、こんなところにこんな集落があるなんて。

宿坊

10:33
ビジターセンターすぐ脇にある宿坊、「丸山荘」。

いやあ、でかい!

建物自体は奥まっていて見えていないのだけど、門がこれだけ立派なのだから驚きしか感じない。なんだこりゃ。お寺じゃないんだよな?宿坊だよな?

この宿坊の前には、お墓のような石碑が並んで建っていた。一つが「足立御嶽睦講」、もう一つが「足立扇御嶽講」と掘られている。両方とも東京都足立区の「講」らしい。つまり、これらの「講」はこの丸山荘を定宿にしているのだろう。

「前回あっちに泊まったから、今回はこっちの宿にしようぜ」みたいな移り気じゃないんだな。

「足立御嶽睦講」の石碑には、「東京都足立区本木東町」と記してあった。地図で確認すると、その地には「御嶽神社」があった。なるほど、ここから分祀された神社があるのだな。ちなみに「足立区扇」は「足立区本木東町」のすぐ近くだ。

かやぶき屋根

茅葺き屋根を一部残している宿坊もある。

宿坊

これもまた宿坊。

大根

道路沿いに、大根が吊して干してあった。このあと沢庵にでもするのだろうか。

こういう景色を眺めながら歩くのは、楽しい。

(つづく)

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