10:15
レンタカーを借りるために、越後湯沢駅をあとにする。
駅の構内に、立ち食い蕎麦の「湯沢庵」があったので、念のため写真を撮っておく。
そば、うどんが売られているのは当然として、「いくらたらこめし」や「牛~っとコシヒカリ」弁当も売っているようだ。
頭の中は、すでに明日の夕方のことを意識している。日曜夕方の越後湯沢駅は激混みが確定している。その中で、夕ご飯をどうするのかというのは重要な課題だ。僕ら大人は「東京に戻ってからにしよう」で済むけれど、2歳児にそれを言って納得してもらえるわけがない。
小腹が空いてご機嫌が悪くならないように、食料補給ポイントを探しておくのは大事。
特に今年は、「のっとれ!松代城」がどういうタイムテーブルになっているのかがよくわからない。いや、ちゃんと公式サイトで「15時閉場」と書かれているんだけど、「まじで?」と思っている。
というのも、過去の記憶では「抽選会などすべてが終わり、万歳三唱をしたのが16時近く」という回があった。早く終わったとしても、近隣の温泉に立ち寄っていたら新幹線の時間ギリギリになったこともあった。なので、時間に余裕を持っておくのは大事だ。
ここでも「子どもがいる」ということで制約が出てくる。大人だけなら、「帰宅が遅くなってもいいや」と言えるんだけど、子どもがいるならそうはいかない。翌日朝から保育園があるし、遅すぎない時間に帰宅しなくちゃいけない。だから、新幹線の時間は早めに設定してある。
当のお子さま、弊息子タケは嫌がる中バギーに乗せられ、移動中。
ベビーカーは断固拒否していたけど、新しいのりものであるバギーにたいしてはちょっと抵抗感が少ないようだ。歩くのに疲れたら、自分で乗り込む。ベビーカーと違って、椅子感覚で使えるのが良いらしい。
10:17
越後湯沢駅前。ああ、今年も雪が少ないなぁ。
すっかり温かくなっていいて、山肌の雪も少なめだ。僕が「のっとれ!」に参加しはじめた2014年以降、ほんとうに年を重ねるたびに雪が減ってきているように感じる。
もちろん、瞬間最大風速的に豪雪ということはあるのだろうが、3月に入ると雪解けが著しい。
10:45
レンタカーを借り、最初に目指したのは「魚沼スイーツガーデン NATURA(ナトゥーラ)」というお店だった。
当初の計画では、この日は上越市にある農家民宿「うしだ屋」さんを表敬訪問する予定だった。
のっとれ!の参加を決めたあと、駄目もとでうしだ屋さんに「ご挨拶に伺ってもいいスか」と連絡したら、オッケーだったからだ。うしだ屋さんには何度かチームアワレみが泊まったことがあり、楽しく過ごさせてもらっている。
現在は娘さんが二人産まれ、育児と農業にお忙しい様子。農家民宿としての営業は中断している。営業していれば僕らが泊まりにいったのだけど。
この娘さん二人は、ちょうどタケを挟むと3人が年子になる。子ども同士、友だちになるといいなぁ、と思っている。「自分が住んでいるところと全然違うところで、全く違う環境で暮らす友だちがいる」って素敵なことだ。それで、定期的に会いに行くという交流ができれば素敵。
ただ、いざうしだ屋さんのオッケーをとったものの、今日の出発は越後湯沢、うしだ屋は上越、そして宿は六日町ということで車による大移動になる。それぞれ1時間ずつの移動だ。そうなると、お昼ごはんはスムーズに済ませたほうがいい、ということで選んだのがこのお店。
ちょうど上越市に向かっていく道中の近くにあるからだ。
他にもいろいろお店はあるだろうと思ったら、びっくりするくらいこの界隈にお食事処は少なく、選択肢はあまりない。いしが好きなスイーツも扱っているお店だし、ここがちょうどいいや、ということで選ばれた。
ちなみにうしだ屋さんは、娘さんが40度近くの発熱、そこから家族に伝染して大変な事になったらしい。急きょ表敬訪問は中止となった。
小さい子どもあるあるだ。子どもが拾ってきた病気が親兄弟に広がって、むしろ本人よりも周辺のダメージが大きくなるやつ。あまりに共感し気の毒に思える状況なので、「また今度!」ということで。
タケ、人生初の雪との対面。
「わあ!なんだなんだ!」と驚き、興奮することを親としては期待していた。それくらいのリアクションがないと、せっかく雪国まで連れてきた甲斐がないというものだ。
もっとも、ちびっ子なので新幹線代は無料だし、宿代もかかっていないんだけど。
しかし残念なことに、タケは雪を前にすっかり警戒した目つきだ。「これはなんだろう」と自分なりに観察し、不信の目で雪を見ている。大人が期待していた「タケは喜び庭かけまわり」という展開にはならなかった。うーん。
タケの手を掴み、「ほら、これが雪だよ。触ってごらん?」と触らせてみた。
すると、手が冷たかったこと、濡れたことが不快だったらしい。イヤそうな顔をした。そして、「アチィ」と言った。いや、熱くない。その逆で冷たいんだ。彼はまだ「熱い/暑い」という言葉しか覚えていないので、「冷たい」と言えない。
それ以降、親が「ほらご覧!雪だよ!」とはしゃいで見せても、子どもならではのハッスルは全然得られなかった。えー。そういうものなのかー。
新しいものに対して慎重なのはまあ、悪くないことだけど。
NATURAに入店すると、「NATURAを全力で楽しむ為の心得!」という張り紙が貼ってあった。
7箇条の心得のうち、1番目が「試食は必ず全種類する!」だった。すごい、試食を大推薦しているぞ。
その後も、「試食の後はNATURAオリジナルブレンドのハーブティーを試飲する!」なんて条項もある。試食に次いで試飲もか。ずいぶん太っ腹だ。よっぽど商品に自信があるということか。
いしが喜び勇んでお店に入っていった。
しかし、探しても試食するものが置いていない。あれー。
お店の中央には手書きの店内マップが吊り下げられていて、それを見ると店内にはわざわざ「試食コーナー」まで存在しているようだ。でも、試食はやっぱり見つからない。
コロナかー。やっぱりコロナのせいで試食中止かー。
でもコロナで状況が変わってからかれこれ3年経つわけで、試食中止したなら表示を改めて欲しい。
試食は諦めて、11時からオープンする併設レストランでご飯を食べることにする。
石窯ピザが名物らしい。それとは別に、「プロが本気でつくる手作りからあげ」も大人気だそうで。
「プロが本気で作っていない」からあげというのが比較対象としてなにやら存在しているっぽいけど、一体どんなやつだ?
レストラン。
サラダバーがある。品数は少なめなので、「ピザだけじゃ物足りないので、ちょっとサラダが欲しい」という人向け。本格的にワシワシと野菜を食べるぞ!という人向けではない。
注文した料理を待っている間、タケには絵本を読み聞かせ。
絵本は彼が今朝チョイスしたものだけど、なぜか「まっくらけーのけっけさん」という本だった。夜更かしするとおばけが出るかもよ!という話なのだけど、なぜか彼は愛読している。「シムラー、後ろ後ろ!」的な展開なのが、読んでいる側からすると心ときめくのかもしれない。
今晩、初めて泊まる宿だけど、こういうおばけの本を読んで大丈夫なのか?と思うが、そもそも彼はまだ「今ここがどこなのか」「今日中に家に帰るのかどうか」などまったく理解できていない。あと、「おばけ」という概念がよくわかっていないし、怖いものだとも思っていないので平気だ。
そもそも、おばけに対する恐怖心というのは、一戸建ての広い家に住んでいるほうが育まれやすいと思う。マンション暮らしで、夜中トイレに行こうとするとものの10歩程度で着いちゃう、という距離感だと「静寂に包まれた漆黒の空間」なんてなく、怖いものが潜む余地がない。
(つづく)
コメント
コメント一覧 (11件)
エントリーしようかどうしようか思案した結果、今年ものっとれ!に馳せ参じることに決めました。
2023年はいしが出走しましたが、2024年はおかでんが出走します。(いしは弊息子タケと会場で過ごします)
今後、1年おきに夫婦が交代で走ることにしてはどうか、と考えています。
小さい子どもがいる家族が手軽に泊まれる宿が十日町にはないのが悩ましいところです。
結局、今年もお隣の六日町市に宿をとることになりました。