4年ぶり!時代は流れて島流しは無くなった【のっとれ!松代城2023】

15:45
本日の宿、「こぐりやま山荘」にやってきた。

三角形をした建物で、高原の別荘といった風情がある建物だった。

もともとは企業の保養所だったらしい。それが今では一般に解放された宿となっている。

昔はこういう保養所が全国いたるところにあったのだから、驚きだ。企業ごとにあちこち土地と建物、従業員を雇うだけの財力があったということだ。日本は豊かだったんだな、とつくづく思う。

この宿の建物の一階部分は、ガレージと玄関だけの構造になっている。

豪雪地帯である新潟県でよく見かける建築様式で、一階は冬の間雪で埋もれて使えないことがある、という前提に建物が作られている。建物の外壁も、1階部分はコンクリート剥き出しで2階からがオシャレな作りになっている。

なので、新潟に来てつくづく感心するのが、広い土地があるにもかかわらず3階建ての住居が多い、ということだ。豪雪地帯に住む人は、家を建てるときの費用が他地域とくらべて高くつきそうだ。

さて、玄関から中に入ると、そこはロビーしかない狭い空間だったのでびっくりした。てっきり、目の前に宿のフロントがあると思ったからだ。

えっ、フロントはどこ?と思ったら、目の前にホワイトボードの立て看板が立っていて、「エレベーターで1階にお越しください」と書いてあった。あれっ、ここは地下1階だったのか。てっきり、1階だと思っていた。

壁に貼ってあった「避難経路図」を見る。僕、旅館の避難経路図を見るのが大好きだから。

なるほど、たしかにこれを見ると今いるフロアは玄関とホールしかない。あとは倉庫や機械室といった、建物を維持するための業務用スペースだ。

スリッパを履いて、エレベーターに乗って上の階に向かう。

あれっ、弊息子タケもスリッパを履いていこうとしている。君にはちょっと大きすぎると思うぞ。

彼はこの後読みたい絵本を抱きしめて離そうとしない。親がカバンに入れて持っていくから大丈夫だ、と彼に伝えても、断固として自分で持っていこうとする。親が信用されていない、というより、2歳になると所有欲・独占欲という概念が芽生えてくるらしい。

エレベーターに乗って、2階・・・じゃなかった、1階に上がると、そこには小さなフロントがあった。

僕らよりちょっと前に到着していた、若い女性グループが宿のスタッフさんからチェックイン時の説明を受けている。そのグループは、津南のランタン祭りを見に行きたいと言っていたが、スタッフさんから「ちょっと難しいのではないか。かわりに、この近くの塩沢でも規模が小さいけれどランタン祭りが行われるので、そちらに行ったらどうだろうか」と提案を受けていた。

へえ、ランタン祭りが今日、あるのか。

今から3年前の2020年3月、仲間たちと「のっとれ!松代城」に参加するつもりで準備を進めていたが、そのときは津南のランタン祭りに行く計画だった。会場に入るためのチケットは入手困難だったため、仲間で手分けして苦労してチケットを入手したものだ。また、その頃はまだ付き合っていなかったいしに、「ランタン祭りがあるけれど一緒に行きませんか?」と声をかけ、彼女から賛同を得ていた。しかし、COVID-19流行によってイベントはすべて中止となり、この旅行は幻となった。

あわせて読みたい
のっとれ!2020残念会 2014年から毎年参戦している、新潟県十日町市の「雪中鉄人レース・のっとれ!松代城」。さすがに毎年欠かさず参加していると、だんだんダレてくるものだけど、2020年も...

ランタン祭りに行こう、と僕が画策したのは、まだ知り合って間もないいしに対して、「雪中鉄人レース『のっとれ!松代城』に一緒に出走しませんか」と声をかけるのはマニアックすぎると思ったからだ。雪の夜、真っ暗な空高くにランタンが舞う光景だったら若き女性であるいしにも提案がしやすかった。そんな下心があってのランタン祭りだった。

そのランタン祭りが、2023年には復活しているという。さすがに2歳の子どもがいるので、日が暮れてからお出かけするつもりはない。しかし、宿の近くの塩沢でも小規模ながらランタン祭りがあるなら、部屋の窓から鑑賞することができるかもしれない。

そんなことを考えながら、チェックインの順番待ちをしていた。

フロントがある1階の避難経路図。

大きな会議室が一つと、客室3部屋、そして管理人室という構成。

「館内の説明を先にしますので」と言われ、僕ら家族と女性グループは一緒になって館内を見て回ることになった。

2階に上がる。

そこは、「おおお!」とお思わず声を上げてしまう空間になっていた。

吹き抜けの広い空間の中央には、ハンモックが2つ用意されていた。ハンモック!乗ってみたい!

ハンモックは貴重な存在だ。乗りたいときにいつでも乗れる、というものではない。ハンモックが置いてあるカフェやリラクゼーションスペースは東京近郊でもときどき見かける。しかし、ハンモックを使おうと思っても順番待ちの人がいたり、自分が利用する番になっても待っている人のことが気になって落ち着かない。だから、こういう旅館にハンモックがあるというのは最高だ。

今回、16時前という早い時間にチェックインしたのは、ハンモックにゆっくり乗る時間を確保したかったからでもある。きっと、弊息子タケも気に入るはずだし。

この吹き抜けがある2階部分には、7部屋+男女別の浴室がある。この宿におけるメインフロア、という位置づけだ。大人数で泊まったとしても、ハンモックが置いてある「サロン」と呼ばれる広間にみんなが集まれば親睦が深められる。

食堂はさらにこの上、建物の最上階にあたる3階にある。

サロンの片隅に自販機があったので、値段をチェックする。

お酒ばっかり売られていて、僕にとってありがたいノンアルコールビールはまったく売られていない。

350mlのビールが300円。宿内で売る値段としては良心的だ。ここで割高にしてしまうと、みんなコンビニやスーパーでお酒を買ってきて持ち込むだけだ。これくらいの値段設定だと、「わざわざコンビニでお酒を買わなくてもいいや。欲しいと思ったら冷えたビールがすぐに自販機で買えるから」と宿泊者は思うだろう。

この自販機、ところどころ風変わりなものが売られている。

「地酒 八海山」という550円の品は謎だ。「八海山」は日本酒として全国的な知名度を誇るブランドだけど、様々なバリエーションがある。「地酒 八海山」とだけ書かれていたら、これが何の種類なのか、全然わからない。ミステリー感があるので、そういうのにワクワクする人は是非買ってみてほしい。

もっとミステリー感があるのは、「何が出るか解らないミステリー地酒」というメニューがあるということだ。新潟県には100を超える蔵元があり、日本酒の種類は数多い。そんな土地柄なので、本当に何が出てくるかわからない。

(つづく)

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15

コメント

コメント一覧 (11件)

  • エントリーしようかどうしようか思案した結果、今年ものっとれ!に馳せ参じることに決めました。
    2023年はいしが出走しましたが、2024年はおかでんが出走します。(いしは弊息子タケと会場で過ごします)
    今後、1年おきに夫婦が交代で走ることにしてはどうか、と考えています。

    小さい子どもがいる家族が手軽に泊まれる宿が十日町にはないのが悩ましいところです。
    結局、今年もお隣の六日町市に宿をとることになりました。

1 2

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください