09:23
笹だんごの天ぷらを食べ、カロリーチャージをしたところで裏磐梯方面に向かう。
前方に磐梯山が見えてきた。
山が幾重にも重なっているように見えるけど、あれ、大爆発で山がごっそりなくなってしまったからそう見えるだけで、もともとは手前の山も奥の山も、一つの山だ。一体どれだけ派手にぶっ飛ばしたんだよ、というレベル。
09:36
裏磐梯ビジターセンターにやってきた。
ビジターセンターがあると、条件反射のように立ち寄っている。自分でもよくわからない。
ちなみに、いろいろなビジターセンターを見てきたが、心底面白い!と思った施設は果たしてどれほどあっただろうか。ほとんど記憶にない。しかしそれでもしつこく立ち寄るのは、環境省のメンツをかけて建てられた施設が立派だからだ。中に入ってざっと展示物を見て回ると、何か高尚な気分になるというか。でも、ほとんど記憶に残らないんだけど。
それにしてもなんでこんなにビジターセンター前に人がたくさんいるのだろう。そしてその人たちは、山に登るほどではないにしろ、運動をする格好をしている。
どうやら、このビジターセンターの裏手界隈に、「五色沼」と呼ばれる湖があちこちに点在しているエリアがあるらしい。その沼を巡ると、とても美しくて感動するとかなんとか。
全長1.6kmで70分~90分程度のトレイルだという。
沼によって、エメラルドグリーン、コバルトブルー、ターコイズブルー、エメラルドブルー、パステルブルーと色が違う不思議な場所で「神秘の湖沼」と言われる。特に青沼は自然が作り出したものとは思えない綺麗な色。
(裏磐梯観光協会のwebサイトより引用)
だというから、気になる。時間も手頃だし・・・と思ったが、今回はパスしておこう。連れがいることだし。
あと、こういうのは空が晴れていてこそナンボの世界で、今日は曇り空だから湖面はあまり綺麗ではないだろう。
ビジターセンター脇に石組みの建物があり、そこの扉が全開になっていた。
中には、雪がちらっと見える。あ、雪室なのか。
雪室にため込んだ雪の冷気が、夏場の冷房に使われている。
雪室脇に、「冷風体験」という穴があったので手を当ててみると、なるほど確かに涼しかった。
過去、この地における最大積雪量をマーキングしてある。
柱の傷はおととーしーのー♪
背比べじゃないけれど、いろいろな高さに印がつけられている。
「古いものになると1920年代から記録があって、その頃は冬場は本当に寒くって・・・」みたいな、白黒写真な昔話を今更聞かされても「はあ、そうですか」としかいいようがない。しかし、ここにマーキングされているのはどれも新しい。全部21世紀に入ってからの記録だ。
ちなみに、今年(2015年)の積雪量は過去最高で、この記録の中で一番高い位置に「2015年3月14日」と記してあった。積雪量、238センチ。すげー。3月でそんなに積もるのか。
「最近は温暖化のせいで、雪が全然降らなくなっちゃって」という話は、深刻な環境問題だとは思うけどいい加減聞き飽きた。たまには、「直近、スゲー雪が降ったぜ!」という話を聞くと、新鮮な興奮を覚える。地元の人からすると、大雪はいい迷惑だろうけど。
さすがに雪室の中には入っちゃダメだった。扉は全開なんだけど。
しかし、せっかくため込んだ雪を、こうやってむざむざと溶かすのは惜しい話だ。空気を冷やしたって、周囲の気温が下がるわけではあるまい。
どうして?と思ったら、「今年は雪が余ってしまったので扉を開けて融かしています」だって!
ああそうか、先ほどの238センチ降雪の名残か。
しかも、溶けきらないものだから業務用扇風機を雪に当てて強引に融かしている有様。
エコのつもりで雪室を作ったのに、その雪を溶かすために電気代をかけるという、なんたる矛盾。
「溶かしてしまわないで、また来シーズン使えばいいのに」と思うけど、それはダメなんだろうか。1年経っても溶けないような雪はガッチガチになって、雪室用の雪として使い物にならない、とか?
09:57
ビジターセンターに引き続いて、近くにある「磐梯山噴火記念館」にやってきた。こちらは有料。
1888年、477名の死者を出した磐梯山の大噴火に関する資料を中心とした展示。明治期の噴火ということで記録が比較的残っていて、かなりリアルな内容になっている。おすすめ。
あともう一つおすすめなのが、この記念館のwebサイトだ。この文章を書いている2018年5月時点においても、1990年テイスト大爆発の、ふるーいサイトデザインになっていて、大変に渋い。
磐梯山噴火記念館webサイト(www.bandaimuse.jp)のトップページ。アクセスカウンターという20世紀のド定番がまだ健在だし(その割にはあんまりアクセス数がないように見える)、外国人が見るわけでもないのに「Sorry!Japanese Language Only」と書いてある。これも、昔のサイトの流行りだった書き方だ。そして画面をフレーム構造で2分割しているのも、古いデザイン。
これを見ると、1997年からwebサイトを運営していた僕にとっては、「懐かしい」というよりも「自分の恥ずかしい過去を見せつけられた」感があって、とてもソワソワしてしまう。
このページは1998年開設で、2018年になっても更新が続いている。「生きた化石」とも言える内容なので、こういうのが好きな人はぜひ早く拝みにいったほうがいい。
磐梯山噴火記念館から見た、磐梯山。
見ろ、山がぼっこり無くなってるぞ!
まるで公園の砂場で作った山を、蹴り飛ばして壊したかのような形になっている。ドロドロ溶岩を垂れ流したりするのは面倒くせえ、一気に爆発したれ!と磐梯さんが張り切りすぎた結果だ。むしろ、これだけ山の形が変わってしまって、477名の犠牲で済んだというのが驚きだ。
噴火記念館の売店で売られていた、のれん。
「BANDAI 出逢いが熱い」と書いてある。どういう意味か、さっぱりわからない。
(つづく)
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