温泉に浸かってブルブル【中ノ沢温泉】

さざえ堂の特色

15:30
白虎隊の墓を見たあと、山を下りる。

そろそろ夕方だ。夜までには東京に戻りたいので、退路につかねばならない。なにせここは福島県。那須や日光あたりにいる感覚で「じゃあそろそろ帰ろうか」って時間を見計らっていると、予想以上に時間がかかってしまいぐったりするハメになる。

この飯盛山周辺には武家屋敷があったり見どころが多い。本当はそれらを見て回りたかったのだけど、今日はこの辺で勘弁してやらあ!・・・違った、勘弁してください。

そんな中、飯盛山のふもとに、「さざえ堂」なる場所があることを地図で知った。なんだ?さざえ堂って。

サザエでございます!

脳内再生余裕。

いや、そのサザエではないと思う。

「サっザエさーんはゆっかっいだーなーーーーー♪」の時に、磯野家一同が駆け込む家のことでもないと思う。

当たり前だ。

じゃあ何か?と思ったら、ご丁寧にさざえ堂に通じる道のところにちゃんと見どころが端的に書いてあった。

さざえ堂の特色

上りも下りも階段がない
1度通ったところは2度通らない

なんだそれ、だまし絵の、「永遠に続く階段」みたいなものか?

気になるじゃねぇかこの野郎。

「拝観料400円」というプライスに相当ひるんだのは事実だけど、これはもう事故にあったと思って、お金を払って中に入るしかあるまい。どうなっているんだ一体?

さざえ堂

で、これが「さざえ堂」。

はー。五重塔のような建物だけど、なるほど外から見てもなんとなく中の作りがわかる。要するに、カタツムリの殻みたいに、らせんの形をしているのだな。

さざえ堂正面

とはいっても不思議なものよ。

だって、カタツムリにしろサザエにしろ、巻き貝っていうのはウンチのようにとぐろを巻いているものだ。だからてっぺんまでグルグルと回りながら登っていくというのは想像がつく。で、そこからUターンするのではなく、ちゃんと別ルートで下りてくることができるのか?

どういう作りなんだ、本当に。入り口から見ても、さっぱりわからない。

ただ一つ言えるのが、中から出てきた人がみな一様に神妙な顔をしている、ということだ。「ひゃー!すごかったねぇ!」とテンションが高いわけでもなく、かといって「面白くなかった」と不満げな顔をしているわけでもない。敢えて言うなら、仏頂面。

ひょっとしたら、悟りの境地なのかもしれない。

さざえ堂

お金を払って中に入る。

そういえば階段がない、って先ほどの解説看板には書いてあったな。

さざえ堂

なるほど、確かにそうだ。渦巻き状のスロープになっている。滑って転んだらおおごとなので、滑り止め用に凹凸は付けてあるが、これは階段ではない。

さざえ堂

塔をぐるっと回り込むように、比較的急な坂を登っていく。一方通行なので、すれ違う人はいない。岬の灯台を見学するのとは訳が違う。

さざえ堂

さざえ堂のてっぺんにやってきた。特になにやら秘仏が祀られているようなことはない。旅のクライマックス感!は特になし。

それよりも、坂道の途中に観音様が33体、ずっと並べられていて、このさざえ堂を一周すると33観音霊場を巡礼したのと同じ御利益があるとかなんとか。まじですか。仏教ってこういう「省エネ」が沢山あるよな。「マニ車を回したら、お経を唱えたのと同じ」とか、お坊さんが法事のときにお経をバサバサっとやると、一巻丸ごと読んだのと同じ効果があるとか。仏教だけの話なのか、それとも他の宗教も似たような「省エネ」はあるのか、どうなんだろう。

さざえ堂

さざえ堂のてっぺんには「太鼓橋」と呼ばれる橋のような場所があり、「上り専用スロープ」と「下り専用スロープ」の橋渡しを担っている。

さざえ堂

上りは左回りで登っていくのだけど、下りは右回りとなる。

・・・といえば、なんだか不思議な建物のように感じるけど、見た目は「Uターンしているのと同じ」だ。太鼓橋のところでUターンしたとしても、右回りになるわけだから。

外に出るまでわずか数分。

でも、なんだか不思議な気持ちになれた。神妙な顔をしてみんな外に出てくるのが、よくわかった。特にヤマがないしオチもない建物だけど、かといってつまらない訳ではない。地味に、面白かった。

なんかモヤモヤした面白さ、とでも言おうか。

水路

15:44
戸の口堰。

猪苗代湖方面から掘られた水路で、傷ついた白虎隊がこの水路を伝って飯盛山に逃げてきたという。

水量は結構豊富だし、天井は低いし、ここを移動するのはかなり難儀したことだろう。

猪苗代湖

16:28
猪苗代湖。

随分天気が悪くなってきた。ちょうど撤退日和。

スワン

猪苗代湖の湖畔には、白鳥の遊覧船と亀の遊覧船が停泊していた。

亀の遊覧船は、ご丁寧に甲羅の上に子亀が乗っかっている。

いつも不思議なのだが、何故この手の白鳥は頭に王冠をかぶっているのだろうか。優雅で美しい姿から、「鳥の王様」という扱いを受けているのだろうか?

磐梯山

「出逢いが熱い」の磐梯山は、山の上が雲で覆われていた。

さて、雨が降る前に帰ろう。

一泊二日の今回の温泉旅、福島駅東口限定のご当地グルメ「福島ブルブル」からはじまって、「湧出量日本一」の中ノ沢温泉、そして二日目の磐梯山界隈観光とあれこれ楽しむことができた。土湯峠界隈の温泉地を泊まり歩く、という夢というか目標も出来たことだし、またいずれこの地を訪れたい。でも今回はこれにて解散!おしまい!

(この項おわり)

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