温泉に浸かってブルブル【中ノ沢温泉】

杉葉

12:32
会津若松を目指す。

これまでもこの地を訪れたことは2度ほどあったような気がする。でもその全てが、「素通り」だった。なので、白虎隊でお馴染みの鶴ヶ城も見たことがないし、もちろん今日のお目当て、桜肉というのが会津若松名物というのも知らなかった。

会津若松を待たずに、喜多方市街でもちらほらと「桜肉」の字が見える。おお、盛り上がってきたぞ。

先ほどのラーメンバーガー、そしてしっかり食べた宿メシ朝ごはんのせいでおなかも盛り上がっているけれど、桜肉なら何杯でもメシが食える。・・・多分。本当は酒のつまみにしたら最高なんだろうけどな。

もちろんチョンマゲの時代に馬肉を公然と食べていたわけではないので、会津とはいえ馬肉食文化が根付いたのは江戸末期だ。戊辰戦争の際、傷病兵に牛馬の肉を食べさせ栄養を採らせたことを起源にするのだとか。

「桜さしみ」という大きな看板が食欲をそそる。やっぱり馬肉は刺身が一番うまいよな。

会津若松を目指す

大きな酒林が軒先にぶら下がった小原酒造の横を通り抜ける。

小原酒造は、熟成中の清酒にクラシック音楽を聞かせて味をよくする、という醸造をやっている酒蔵として知られている。アマデウスを聞かせたとか、交響曲ジュピターを聞かせたといった銘柄がいくつもラインナップされている。

音楽を聞かせることで味が良くなる、というのが、どこまでがオカルトでどこまでがマジな話なのか、よくわからない。本当にそうなら、どこの酒蔵でも飲料メーカーでもやっていそうだけど、一般的ではないようだ。

究極的には、酒造米を生育している田んぼにもその音楽を流すべきではないのか。土にも良い影響があるかもしれないので、稲がない季節も、ずっと。いや、土なら別の音楽がいいかもしれないぞ。ロックとか。

音楽というか、何らかの波動が分子レベルに影響を与える可能性はあるかもしれない。しかし、「味がまろやかになった」程度では曖昧すぎてよくわからない。もうちょっと何とかならないものだろうか?

いや、もうちょっと何とかならなくても、こういうのはロマンを楽しむものだ、ということなのだろうか?

会津若松を目指す

このあたりの信号は縦型。雪が信号機の上に積もらないように、という配慮で、雪国ならではだ。冬になるとこの辺りは雪が相当降るのだろうか。

会津若松を目指す

なにやら煙突のようが見える。そしてその周囲には、蔵造りを意識した大きな建物も連なっている。

煙突には「麺造蔵」と書いてあった。喜多方ラーメンの製造工場だった。

お店

13:08
喜多方市街から約30分で、会津若松。

今日のお昼ご飯は、ここにした。「吉し多」という名前のお店。

いざ桜肉料理!と思っても、「夜だけの影響」というところが結構あるものだ。ランチ営業をしているのはあまり多くなく、その中からここを選んだ。

店頭には、でかでかと「850えん」の字が赤く表示されている。その850円なのは、「桜さしみ定食」「桜ソースカツ丼」、そして「桜すし定食」だ。

桜肉の料理が850円で食べられる、というのはとてもお安い。ありがたいことだ。

メニュー

店内のメニューを見ると、同じ料理でも昼と夜とでは300円~350円ほど値段が違っていた。食べるならランチに限る。

しかも、平日のみ税金サービス!と書いてある。今日は平日昼。お得感倍増。

店頭に出ていた3品の他に、「桜鍋定食」「桜丼定食」「桜カツ定食」といったものもある。ああ、どれも目移りするぜ。全部馬肉を使っている料理なのに。

料理

こういうとき、連れがいると料理を分担できるから良いものだ。一人旅だと、何かを選ぶということは何かを諦めるということだ。

まず届けられたのが、「すし定食(850円)」。

桜寿司、厚焼き玉子、一品料理、お新香、こづゆ

とメニューに書いてある。「一品料理」というのは、厚焼き玉子の脇に添えられたナスとししとうの天ぷらのことらしい。

「こづゆ」という食べ物は初めて見たのだけど、見た目はけんちん汁だ。しかしよく見ると、けんちん汁ではありえないきくらげがコンニチハしているし、汁をすすってみると帆立貝柱の味がする。見た目以上に面白い、そしておいしい料理だ。

料理

そしてもう一つの料理が、「桜ソースカツ定食」。

馬刺しはある意味珍しくないので、馬肉をカツにした料理を食べてみたかった。

料理

人生初の桜肉のカツ・・・かな?

脂身のほとんどない赤身肉なので、豚肉とは違う食感と味。ソースでしっかりと味をつけつつ食べるとうまい。

ちなみに会津地方で桜肉の刺身が食べられるようになったのは、昭和30年に力道山がプロレス巡業のために会津若松を訪れた時以来なのだそうだ。力道山が精肉店に行き、そこの軒先で持参したタレにつけて馬肉を生で食らった、という伝説がある。

昔のプロレスラーというのは、「バスを一人で引っ張る」「いつも歯をヤスリで研いでいる」といった尋常ならざる存在だった。力道山も、あっと言わせるためにやったパフォーマンスなのかもしれない。しかしそれがきっかけて今や会津の食文化として定着しているのだから、面白いものだ。

(つづく)

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