13:37
山頂の一角、積みあがった石にめり込むように石鎚神社の頂上社があった。
ガスが深くて、ちょっと先の視界も妨げられている。
午後も結構いい時間なので、夏場でこの調子だと雷雨になっては困る。天気予報では大丈夫だけど、念のために昼食を食べ終わったら早く下山しないと。
ひとまず、頂上社にごあいさつごあいさつ。
山頂にほこらがある山は多いが、ここまで立派な神社があるのはあまり多くない。それもそのはず、頂上社の横に神札授与所があるのだった。えっ、有人の神社なの!?ここ。
13:38
「ほこら」と呼ぶには立派過ぎる頂上社の社殿を回りこんで裏に行くと、そこに石の鳥居があった。
柵で覆われ、鳥居の奥には石のほこらがある。ここがどうやら弥山の本当の山頂にあたるらしい。
13:39
石のほこらにごあいさつをして退却しようとしたら、頂上社の社殿に向かう方向とは逆に向けて道があることに気が付いた。
その道を目線で追いかけていくと、先には・・・あ、鎖が見える。
ちょうどここは、三の鎖の終着点になるらしい。そうか、三の鎖ってのは頂上直行便なのだな。
で、三の鎖を上から見下ろしたところ。
あー、絶壁ですわこれ。岩がでこぼこしているので、僕がびびりまくった「試しの鎖」よりは足がかりが多そうだ。しかし68m、この調子で登り続けないといけないとなるとさすがに躊躇する。
先ほどは、「下山時に鎖場を使えばよかろう」と思ったけど、やっぱりやめておこう・・・レンジャー部隊のヘリコプターからの降下訓練じゃないんだ。こりゃあ、むしろ下りのほうがキッツイかもしれない。
13:40
頂上社の神札授受所。
「ご用の方は、石鎚山荘までお越し下さい」
とでも書かれているかと思ったけど、ちゃんと神官さんがいらっしゃった。ここまでの道中、開店休業状態の旅館や小屋を見てきたので、大祭のとき以外は静かな山なのかと思ったけど。
いろいろなお守りやお札が売られていた。
僕はもともとこういうものを買わないし、買うとしても毎年初詣に行っている神社のものだけにしている。しかし、山頂に立った!という事実は、気持ちを大きくしてしまうものだな。「せっかくだから」という言葉のもと、お守りを買った。
買ったのは赤い札のような、小さなお守り。よく見かける巾着袋に入ったお守りとご利益は一緒のようだけど、サイズもお値段も違う。神官さんに聞いてみると、「巾着袋の中だけ」のものなのだそうだ。お財布に入れたりするのに向いている、と。なるほどそれはそうだ。
石鎚山登頂記念、ということでこの日以降、僕の財布の中にはこの赤いお守りが入っている。儲かりますように。
山頂近くにある山座同定板。
これだけガスってれば、見るだけ無駄な状況。
これまでいろいろ山に登ってきたけど、山座同定板を見て「ほー、なるほど!あの山がアレなのか」と感心した記憶があんまりない。晴れていても、かすんでいて遠くが見えないことも多いし。
頂上社のある岩場は、鎖が執拗なまでにグルグル巻きにされていた。おそらく三の鎖の末端部分をくくりつけているのだと思うが、大きな岩場を何周もするほどの巻きつけっぷりだ。まるで、この鎖が解けたら中から魑魅魍魎が湧き出てくるのを恐れているかのようだ。
「試しの鎖」があった岩場も、やはり鎖がこれでもかこれでもかと巻いてあった。何か宗教的な意味があるのかもしれない。
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