鎖と階段でできた山【石鎚山】

駅で売っているもの

16:16
山頂成就駅では、まだ下りロープウェーの改札が始まっていなかった。既に改札口前に行列ができていたので、それに並びつつも傍らで売られているものを物色する。

やはり、ポンチョなんぞが売られている。山の天気は変わりやすいので、いざロープウェーで山の上までやってきたら雨が降っていた、なんてこともあるのだろう。

そして、防虫ネットも売られていた。頭からすっぽりかぶって、顔を蚊やブヨからの攻撃から守る、というものだ。ご丁寧に、ネットが黒いものと白いもの、あわせて2種類。この色の違いは、好みに応じてお選び下さい・・・ということだろうか。

折角霊的な山なんだし、「耳なし芳一」のように体中にお経を書いていれば、蚊になんて刺されないんじゃないか・・・と思うが、多分うっかり耳だけお経を書きそびれて、耳が猛烈にカユくなるんだと思う。

雨具

ビニール傘500円の横に、防虫ネットの実物が展示されていた。お手にとってこの商品の効果を実感してみてください、というわけか。700円、と案外高い。これはネット単体の値段であり、サンプルとして置いてある笠は別料金だ。笠がないなら麦わら帽子でもシルクハットでもなんでもよいのだけど、帽子がないといけない。さすがにこれを素の状態で頭からかぶるわけにはいくまい。

700円のネットが高い、と思うなら、女性用ストッキングを頭からかぶるのもありだ。そっちの方が安いだろう。ただし、猛烈に蒸れるだろうし、場違いな銀行強盗と思われるに違いない。

グッズ

石鎚山グッズ、というのもあるのだな。天狗が描かれたTシャツ、1枚1,500円。

カンバッジとかキーホルダーは実用性に乏しくて欲しくないが、Tシャツなら普段着としても、ちょっとしたお洒落を決め込んで外出するときに着ても使える。いや、さすがにおしゃれ着としては無理か。合コンの時なんかに着ていくと、女性達から「見て!あの人絶対絶倫よ!」と思われたりするかも。いやほら、天狗ってそんなイメージがあるでしょ?ない?

これが石鎚山

16:17
壁に貼ってあるポスターで、ようやく合点がいった。今更だけど。

「お山開き」と描かれたポスターには、鎖場をよじ登る白装束の人たちがいっぱい写っていた。まるでアリの行列のようだ。あの急な鎖場を、こんなに密着して登るのか!ありえねぇ!一人が足を滑らせたら、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」よろしく全員落っこちるぞ。これはすごい。日頃鍛錬した人々でないとこういう人口密度は無理だ。

で、そんな「お山開き」が例年7月1日~10日開催されるとのことで、これが石鎚神社における例大祭の日でもあるようだ。

山深い鎖場にこれだけの人が張り付いている、ということは、この山全体でこの日はどれだけの人がやってきているのだろう?だからこそ、成就社近辺の宿だったり山頂の山小屋だったりするわけか。納得だ。

そして右側のポスターは「秋季大祭」と書いてあった。その内容はともかく、写真に写っているのが天狗岳。石鎚山の最高峰だけど、今回はガスが深かったので足を踏み入れなかったエリアだ。もし晴れていれば、僕が到達した弥山からこの絶壁な山なみが見えたのに、惜しい。

ロープウェイ

16:18
ロープウェーがやってきたので、搭乗する。さあ、ここから一気に標高を下げるぞ。登山は本当にこれでおしまいだ。

日帰り温泉の案内

16:29
山麓に戻り、駐車場を目指す。

駐車場を借りた、旅館京屋が

ありがとうございました

四季変化のすばらしい石鎚を是非、又お訪ね下さい。

とねぎらいの言葉をかけてくれた。

そして、日帰り温泉の案内。10:00~18:00まで、大人500円。手頃な値段だし、場所は登山の起終点すぐだし、営業時間も登山に都合がいい。ぜひ入りたいところだけど、まだ決めかねているところ。早く帰らないと、実家で待つ年老いた両親が心配するからだ。

さすがに僕のような歳であちこちアクティブに動いていると、親は「計画性無く、貯金すらしないで遊び呆けているダメ息子」と心配になるらしい。昔は自分が元気である証に、と「この前はどこそこへ行った」という話を親にしていたのだけど、最近は言わないようにした。言ったら、誤解されるからだ。

そんなわけで、今回の登山も早く帰宅しないと、親から小言を言われかねない。この歳になって親からあれこれ言われるのはイヤなので、そうならないようにしたい。

タリフ

JR伊予西条駅からこの登山口まで、バスは1日4便。

山を登るのに利用するバスなんて、大抵辺鄙なところを走るのだから便数が少なくて当然。だから、1日4便もあれば豪華ともいえる。しかし、バス1本逃すと大変なことになるので、ついつい焦りながらの下山になってしまう。マイカーだとその点楽だ。

ちなみにロープウェー駅から西条駅行きのバスは、17:23が最終便となっている。今が16:30くらいなので、なんだったら今から50分ほど京屋でお風呂に入ることができるわけだ。マイカーじゃなくて公共交通機関、ってのもよかったかな?という気もする。

京屋旅館

16:32
京屋旅館のアーケードをくぐっていく。

道路両側にお店があって商店街風になっているけど、恐らく右側も左側も、両方とも京屋なんだと思う。店員さんはいない。

弘法大師の掛け軸のすぐ下にこけしが陳列されていたり、壺があったり、どういう基準で並んでいるのかさっぱりわからない品物たち。これ、登山みやげで買っていく人っているのだろうか?

駐車場に戻る

16:38
無事、駐車場に到着。

思わずガッツポーズ。怪我なく戻ってこれたぞー。

とはいえ、家に帰り着くまでが登山だ。ここから3時間弱、実家まで車を転がさないといけない。疲労感でついうとうとしてしまい、瀬戸大橋からダイブ、なんてことがないようにしなくては。魚のエサにはなりたくない。

テントを張る人たち

駐車場の片隅では、大学生くらいの若い青年たちが、テントを並べて本日のお宿としていた。まだ終バスは出ていないのだけど、気が早い。ああ、今日は早めにここに到着して、明日が石鎚山登山なのかもしれない。いいなーテント泊。最近すっかりご無沙汰なので、うらやましい。

SA

17:54
岡山に向け退却中。

途中、豊浜SAに立ち寄り。

ノンアルコールビールが売られている

「あれっ?ビールののぼりが出てるぞ?SAなのに!」

とびっくりして近づいてみたら、「ドライゼロクリーミー」だった。「泡までうまい!」というのを売り文句にしているが、聞いたことがない。こっちで試験販売でもやっているのだろうか?

※後で調べてみたら、別に地域限定品ではないようだ。ただし、提供しているお店は非常に少なく、2017年2月現在東京都でも33軒しかなかった。

いずれにせよ、ノンアルコールビールとはいえ高速道路で販売しているというのは初めて見た。新しい試みだな、これ。

こののぼりの背後には、「豊浜名物揚げたて天ぷら」の屋台があった。どうやら、ここで揚げたての天ぷら(要するにさつま揚げのこと)を食べつつ、ノンアルコールビールをどうぞ!というわけだ。いいねえ、それ。僕もお呼ばれしちゃおうかしら。

閉店していた

トイレに行き、売店で土産物を買う。そして満を持して、「さて。」と手をこすりながら屋台に行ってみたら・・・

しまったァァァァ!お店がしまったぁぁぁぁ!

なんと、先ほどまでの賑わいはどこへやら、何事もなかったかのようにシャッターが閉まっていたのだった。たった数分なのに。タッチの差だったか。どうやらここは、18時に閉店してしまうようだ。四国を舐めてたぜ、18時なんて宵の口にお店を閉めるだなんて、全く想像していなかった。関東感覚だと、むしろこれからの時間がかき入れ時だぜ!って感じなのに。

惜しいなあ、惜しいなあと愚痴りながら帰宅の途に就く。

本日のおみやげ、坊ちゃん団子とじゃこ天

この日購入した、東京へのお土産。宇和島のじゃこ天と、松山の坊ちゃんだんご。甘いもの辛いもの両方を買った。あと、石鎚神社のおまもり。

四国にこれだけごっつい山がある、というのは全く知らなかった。調べてみてびっくり、登ってみてびっくりだ。それもこれも、この山が「日本百名山」とされているからだ。たった一人のオッサンが個人的感覚で決めた「百名山」。その選定基準には、未だに批判の声もある。そして、百名山ばかりを登る「百名山ピークハンター」は侮蔑の対象でもある。とはいえ、こうやって「お薦めの山百選」を選んでもらえたお陰で、僕は全国各地を訪れ、そこの山を登ることができている。ありがたいことだ。

2016年、8月にして百名山を2座登ったことになる。自分にしては順調なペースだが、まだ一泊山小屋泊の3,000mクラス登山は早い気がする。体力にまだ自信がない。9月にもう1座、日帰りで登って、そのあと10月にいよいよ一泊登山に繰り出したい。10月に登山というのはシーズン終わりギリギリなのだけど、間に合わせたい。

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