鎖と階段でできた山【石鎚山】

山小屋

12:25
「試しの鎖」を下りたすぐ近くに、青い人工建造物が見える。地図によると「前社が森(ぜんしゃがもり)小屋」だそうだ。

峠状の地形のところに位置している。一部二階建ての建物だ。

この山の規模なら、宿泊を受け付けている小屋ではなさそうだ。茶店といった位置づけなのだろうか?そういえば、人の声も、発電機の音も聞こえてこない。

前社ヶ森売店

案の定、誰一人いない場所だった。

売店カウンターとおぼしきところはふたがされている。とはいえ、廃墟ではない。放棄されてボロボロになっているわけではなく、シーズン時以外は営業しない小屋なのだろう。

「石鎚山のミネラル 不動の力水」という看板が出ている。営業期間中はここで水を売っているらしい。

力あめの看板

建物は扉で仕切られておらず、自由に中に入ることができる。

中に入ってみると、「力あめゆ」と書かれた大きな看板がお出迎え。ここでも、成就社周辺の売店同様に「あめゆ」が名物として売られているようだ。

前社ヶ森売店の中

床はない。地面が剥き出しになっている。その上に、大きめのベンチが並ぶ。登山者はここに座り、力あめゆで失われた水分と体力を取り戻し、あらためて石鎚山の頂上を目指すのだろう。

あのー、僕も登山者なのですが。

平日登山は、人が少なくて快適だ。でも、ちょっとさみしくもある。

標識

12:33
前社が森小屋で休憩することなく、そのまま素通りして山頂を目指す。なにしろ、既に正午を回っている。ゆっくりはしていられない。

これまで歩いてきた距離が2.1km、そしてこれから山頂までの道が1.5km。下界でもらってきたリーフレットによると、ここから60分で山頂だという。案外さっと登れるものだな、という印象。

ほこら

12:35
登山道のところどころに、石のほこらがある。何が祀られているのかはよくわからないが、わざわざステンレス製のお賽銭箱らしきものが置いてあるところを見ると、単なる石灯籠のたぐいではなく信仰の対象なのだろう。

遠目で見ると、この石には「古森王子社」と書いてある。なんだろうこれは。

後で調べて見たら、石鎚神社本殿から山頂の頂上社までの古道沿いに、三十六の王子社をお祀りしているのだそうだ。ここを巡礼し、納め札を納めていくという。ああ、あの箱はお賽銭箱ではなくて納め札用の箱なのか。

階段

12:36
とにかくこの山は階段が多い。

それだけ登山道が整備されている、ということだ。草木を刈った、獣道のような登山道ではなく、しっかりとした階段になっているのが立派だ。さすが信仰の山だ。手間も、費用もガッツリとかかっている。

登山道

12:41
だんだん植生が変わってきた。

おかしいな、四国で、まだ1,000m台の標高じゃ森林限界なんて無理なはずだが。

12:42
木がなくなり、笹が広がる場所に出た。道はこのあたりはなだらか。

晴れていれば周囲が良く見渡せるのだろうが、どんどんガスが濃くなってきている。このままだと、このあと雨が降ってもおかしくない。

看板

12:44
「ここは夜明峠」という看板があった。「夜明」と書いて「よあかし」と読む。

風の通り道なのか、ここだけ木が生えていない。

晴れていると、ここから石鎚山の全貌がよく見えるそうだが・・・いや、なんでもない、真っ白だ。何も見えない。

標高差

路程図を確認すると、標高1,300mの八丁から標高を上げ、だいたい1,650mくらいの地点にいることがわかる。1時間10分で標高を350m稼いだことになる。まずまずのペース。

ここから山頂まではより斜度がキツくなるようだ。標高差は300mちょっと。一の鎖から三の鎖まで、ザ・修験道な場所となる。キツいからこの山は神聖なわけであり、あがめられるわけであり、歴史があるのだと思う。さて、覚悟を決めて山頂を目指そう。

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