終バスまでに下れ【両神山】

14:58
案内看板が見えてきた。ということは、ここで産体尾根は終了。

これから先は、一気に山の斜面を下っていくことになる。

登山道

15:00
鈴が坂を下る。

ぐいぐい下る。黙々と下る。こうやって上から見ると、吸い込まれるような感じがする。前のめりにつんのめらないよう、足元注意。

登山道

15:09
上りの際はあれだけフウフウ言わされた鈴が坂だけど、下るとなればあっけないものだ。

もう清滝小屋が見えてきた。

あ、テントが2張見える。15時過ぎだけど、早速幕営準備をしたのだな。「短時間で山頂を目指す」というのとは違う、ゆったりした登山なのだろう。こういう山登りも楽しいだろう。キャンプ感覚も味わいつつ、山頂にも到達できる。

重たい荷物はこのテント場にデポして、身軽になってから登頂すればいい。

清滝

15:11
小屋の裏手、すなわち僕が今歩いているところに滝があった。これがどうやら「清滝」なのだろう。

写真だとよく見分けがつかないくらい、細い水流がじょぼじょぼと落下している。高さは結構あるので、ここで滝行をしたら相当悟りが開けそうだ。というか、頭を滝に打たせたら、首が寝違えてしまうと思う。とても耐えられるとは思えない。

しかし、いい塩梅で肩に当てると、肩こりが一発で解消するかも・・・と淡い期待を抱いてしまった。やめとけ、たぶん足元はコケが生えていたりして滑りやすい。滝の水を浴びた瞬間にバランスを崩して、ツルーンと滑って頭を打つに決まってる。

清滝小屋

15:12
あらためて、清滝小屋。かなり立派な建物だ。これが無人で放置されているのは本当に惜しい。

小屋番になります、と名乗りを上げたら、ここの管理を任せてもらえるだろうか?ただし、給料はもらえないだろうけど。小屋番を雇うお金の余裕があるなら、とうの昔に雇っているだろう。

清滝小屋

メイン小屋の傍らにある、サブ小屋。建物表は白いシャッターがあり、登山客に飲食物の便宜を図っている売店なのだと想像する。で、その裏手には入り口があった。貸し別荘のような雰囲気。

入り口が小さいことだし、ここは一般の登山客向けではなさそうだ。やはり、小屋番などが寝泊りする場所なのだろうか?

答えはどこにもなかった。

清滝小屋

そのかわり、こんな看板が出ていた。

都合により、休業させていただきます。
緊急の場合は、避難小屋としてご利用ください。

「避難小屋」と呼ばれる、無人の山小屋は全国あちこちにある。しかし、ここまで立派な建物の避難小屋というのは見たことがない。たいてい、もっとシンプルな作りだし、しっかりした建物であっても小さい。

清滝小屋

これが避難小屋。いや、お金かけすぎだってば。

こういうのを見てしまうと、がぜん一泊したくなる。しかし、明日は仕事だし、そんなわがままを言ってはいかん。今日中に東京に戻らないと。

清滝小屋

折角なので「避難小屋」の清滝小屋に入ってみる。

中に入ると、とてもシンプルな内部が広がっていた。

繁忙期は、ここに登山客がごろ寝するのだろう。魚市場でのマグロの競りみたいに。

・・・いや、待て、今日は9月10日。まだ登山シーズンといえば登山シーズンだ。しかも土曜日だし。土曜日清滝小屋泊で山頂を目指す人、というのはいてもおかしくないのだけど、がらんとしている。

両神山というのは、やはり日帰り客が多いということなのだろう。わざわざ有人小屋として運営してもコストがかかりすぎるのかもしれない。

清滝小屋

柱と柱の間にはロープが張ってあり、そこには毛布が干してあった。

山の中なので、この毛布だけで寝るのは夏場であってもちょっと寒いだろう。寝袋を持参した上で、床に毛布を敷いて寝るのがよさそうだ。

清滝小屋

床にはござが敷いてある。

砂でザラザラしているかと思ったけど、そんな感じはなかった。ちゃんと掃除もされているようだ。

清滝小屋

たたきの部分。

学校で使うような机が2つ。

この小屋で談笑したければ、寝床にあぐらをかいて車座になるか、外の水場にあるベンチで語らうことになる。照明は一切ないので、日が暮れたら小屋の中は真っ暗だ。早々に寝る人がいるだろうから、酒を酌み交わしつつしばらく話をするなら、外に出るのがマナーだろう。

清滝小屋

この建物には二階部分もある。なんてぇ贅沢なんだ。

どれだけの人が宿泊する、と想定していたんだろう?少なくとも今日はゼロだぞ?

清滝小屋

二階がどうなっているのか、見てみたかったが、二階に通じる階段はふさがっていた。キャパ的に、一階だけで十分だろうから二階は開放しないことにしたのだろう。

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17

コメント

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください