終バスまでに下れ【両神山】

登山道

16:13
外国人の家族3人が前方から上ってきた。「コンニチハー」とあいさつして、すれ違う。

僕は日本人なのに、なぜか外国の人と山のすれ違いであいさつする際、「コニチハー」と片言っぽいアクセントになってしまう。不思議なことだ。

そのパパとママと娘さんを見送ったところで、「えっ?」と思った。そもそも、日本人だろうが外国人だろうが、16時を回ったこんな時間ですれ違うこと自体がおかしい。おい、これから山に入ってどうする気だ?

清滝小屋に一泊するのかもしれない。だとしても、ものすごく身軽な装備だ。町歩きに使うような、小さなリュックを背負っているだけだ。あれだと、寝袋なんて到底入っていないし、着替えだってほとんど入れられない。

夜は、清滝小屋にある毛布にくるまって寝るのだろうか。でも、食事は?リュックの中にカロリーメイトやおにぎりが入っていて、そういうシンプルなもので済ませるつもりだろうか。

いやー、ワイルドだわ。あんな身軽な格好で山中一泊なんて、信じられない。さすが外国の人。

とはいえ、未だに信じられない。このままどこかで折り返して、日没までに下山するんじゃなかろうか?と考えてしまう。しかし、「どこかで折り返す」ったって、どこでだ?たぶん、無理だ。清滝小屋に到着するだけでも、日没前になってしまう。

わざわざ家族で、この時間に、この山に登るくらいだから、相当の手だれなんだと思う。ただただ、驚かされる。

石仏

16:20
泣く子はいねぇかー。

登山道

16:21
このあたりはすっかり土の登山道で歩きやすい。ペースも上がる。

標識

16:23
清滝小屋から2.1km進んできた。バス停がある日向大谷まではあと1.8km。

「山道」という分岐表示があるけど、このあたり全部山道だと思うんですが。えっ、ひょっとして今まで歩いてきた道は山道ではなかったということか!?

怪我をした

16:32
右手負傷。よりによって自分が滑落してしまった。

滑落、というと大げさだけど、実際に滑り落ちたのは間違いない。

沢を徒渉するルートがあって、河原に下りる際に柔らかい土でできた崖を下りないといけなかった。で、下りようとしたら、足元の土がぐずぐずと崩れ、ずずずず、と滑り落ちてしまった。ゆっくりゆっくりと落ちていったので衝撃はないし、せいぜい2メートルくらいなので大したことはない。でも、滑る際に抵抗しようとして右半身を下にしてしまったため、右手甲から肘にかけて擦り傷をたくさん作ってしまった。あーあーあー。

標識

16:32
七滝沢コースとの分岐である「会所」に到着。これ、「かいしょ」って読むんだな。後になって知った。さらに言うと、この文章を書いている時に、「日向大谷」のことを「ひなたおおや」と読むことを知った。うわ、登山当日は「ひゅうがおおたに」だと思い込んでいたよ。良かったぁ、誰かに「今日はどちらへ?」なんて聞かれないで。そうしたら僕、「ええ、ひゅうがおおたにまで」ってしれっと答えて、恥をかくところだった。

登山道

16:46
さすがに5時近くにもなってくると、登山道が薄暗くなってきた。光量不足でブレ気味の写真。

バスまであと20分ちょっと。多分間に合うけど、あんまりゆとりがない。

おい、馬鹿じゃないか、登山開始前は、「あわよくば15時台のバスに乗れるかも」なんて甘いこと考えやがって。到底無理じゃないか。17時10分のバスでギリギリだぞ。

日向大谷が見えた

16:58
とかなんとかいってるうちに、開けた所に出た。おお、日向大谷到着。両神山荘とトイレが目の前に見える。

いやー、それにしても田舎だ、登山口があります、という以外には全くなにもない場所。両神山荘、登山客がいなければ商売あがったりだ。

なるほど、両神山荘があるからこそ、清滝小屋っていうのは有人営業をやっていないんだろうな。もし清滝小屋を大々的に営業してしまうと、両神山荘は商売あがったりだ。

空いた駐車場

17:00
眼下に見下ろすは、バス停近くの駐車場。500円の有料駐車場だ。

朝の時点では、隙間なく埋まっていたけど、さすがにこの時間になるとほとんど駐車していなかった。この場所に駐車できた、ということはかなり朝早くに到着したはずだ。だから下山時間も早かったのだろう。

下山完了

両神山荘では、「ここで飲み物って売ってます?」と宿の人に聞いている登山客がいた。ビールの一本でも買って祝杯をあげたいのかもしれない。どうやら、売ってくれるらしい。

僕も、残っている水は全部怪我した場所の洗浄に使ってしまったので、のどが渇いている。下山したら水分補給をしたいものだ。

17:03、下山。日向大谷口前でガッツポーズ。かなりどっしりとした山歩きとなったので、無事・・・ではないけど、ちゃんと下山できたことがとても嬉しい。山頂に到着したときよりも、むしろ嬉しいかもしれない。

ひゃっほう。

バス停には既にバス待ちの人が並んでいるので、若干控えめに拳を振り上げ、写真に収まる。

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