

チェックインを済ませ、部屋に向かう。この宿は部屋数が4しかない。玄関入ってフロントがあって、正面がお風呂、左が外来も可能な食事処、そして右が宿泊部屋となっている。廊下の写真を撮影すれば、4部屋すべての扉が見える。これだけの部屋数なので、「ばんやの湯を貸切!」なんてことも余裕でできてしまう。「宿を貸切して豪遊したい」というささやかな野望がある方は是非。ただし、コンパニオンとか芸者を呼ぼうと思っても、場所柄そんな人はいないと思うが。
チェックイン時、ルームキーとセットで風呂のロッカーカードが渡された。このカードがロッカーの鍵がわりとなる。ただし、風呂はまだ数時間先の話だ。飯が先だ、メシ。

冷蔵庫の中をチェックしてみる。中にアルコール、ソフトドリンクがたくさん入っていた。飲んだ分を手書きで帳簿に付け、チェックアウト時に提出して精算するというスタイル。

フロント近くにある掲示板。
この「ばんやの湯」は、週末であれば朝7時から営業を始めている。朝は和定食(520円)と刺身定食(840円)の二通りしかないので、「たくさんのメニューを前に目移りしちゃう」楽しさはない。それでも、値段は安いし、この界隈でこんな朝早くから食事ができる場所というのはとても貴重だ。朝風呂とあわせて楽しむと、房総半島観光の幅が広がりそうだ。
なお、時間と体力に余裕がある人は、定置網漁に参加するという手もある。朝5時集合、ととんでもない時間ではあるが、朝食と風呂込みで1,800円というのはお得だ。しかし、東京都内からこの時間に間に合おうとすると、朝3時とか2時に出発しないと間に合わないのだが。

みんな、服を着替える余裕すらなく、そのまま夕食会場に向かう。夕食会場はその他一般の外来客と一緒の場所で食べることになる。しかし、そういう人の中で、ひときわ目立つ一角がある。それは、舟盛り。ぱっと見ただけで、「あっ、あれは僕らのメシ会場だ」とわかる。なぜなら、ばんやには「刺身舟盛り」というメニューは一般的にはないからだ。
「いいねいいねいいねぇ。いいねぇ」
と「いいね」を連発しまくる。

テーブルの上は舟盛りが豪勢である一方、各自の席に配置されている料理は寂しい。どうやらこれから随時届けられるらしい。
そんな中、既にセットされている料理の中で陶板焼きがあった。ほう!ばんやって陶板焼きもやるのか。やるなあ。で、何を焼こうっていうんだい。豚とか牛とか、肉を焼くってのが陶板焼きの定番ではあるが。
って、あれれ。この黒いものは。これ、鯨だよね。
あー、お昼食べたやつやー。
お昼にクジラを頼んだのは、「まさか夜にこれは出てこないよね。できるだけ昼と夜で重複しないメニューを選ぼう」という考えがあったからだ。でも、ばんやはその裏をかき、まんまと夜にもクジラを出してきた。これにはびっくり。
「クジラかー。まさか当日の残り物を優先的に夕食に回しているんじゃなかろうな」
などと失礼なことを思わず口走ってしまう。正直、一日二回もクジラは食べなくてもいいと思う。
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