道の駅きょなんの近くに、「サンセットブリーズ保田」という宿があった。あれ?こんなの、以前からあったっけ?
調べてみたら、もともと東京都千代田区の臨海学校施設として使われていたものを払い下げてもらったものらしい。なので、合宿所として気軽に利用できる宿だという。料金表を見ると、1泊素泊まりで5,000円程度らしい。
なるほど、ばんやから近いし、これから先また「ばんや魚づくしオフ」をやろうと思ったらここを利用するという手もあるな。ばんやの湯の予約が難しいときは、ここを使うという作戦は十分にありえる。
ばんやに戻る途中、広大な駐車場に面食らった。ばんやの建物周辺、漁港近辺にある駐車場だけでも相当広いのだが、そこがいっぱいの場合に備えて結構離れた岸壁にまで駐車場が設けられている。さらには、国道を挟んで山の方にまで駐車場があるのには呆れた。一体どれだけの車を集めてるんだよ。中古車販売会社でもやる気かよ。
ばんやの裏口には、ケースに満杯になったサバがおはようございますと僕にあいさつしてきた。おお、これは今朝獲れたものだろうか。いい料理になれよー。
8時、女性陣の身支度も終わり、朝食会場に全員向かう。
今朝も、昨日と同じ場所に料理がセットされていた。わかっちゃいたけど、全員がその食卓をみて、「はははっ」と小声で笑った。やっぱりそうだよな、朝からお魚ガツン、だよな。
朝から舟盛りなのです。
もともと、朝食には各自に「刺し身盛り」がつくようだ。しかし僕は、予約の段階で「朝から舟盛りが食べたいのですが」とリクエストしたのでこうなった。宿の人も、僕らの「魚づくしで悶絶したいスピリット」はすぐに感づいたらしく、「そうですよね、やっぱり舟盛りの方が盛り上がりますよね。では、みなさんにおつけする刺し身盛りをまとめて、一つの船に盛りますね」とてきぱきと決めてくれた。
だからこれは特注料理ではない。6人分の刺し身盛りが一つにまとまっただけだ。でも、見よこの非日常感。こんなん、自宅の朝食で出ることは100%ありえない。金持ちの家でもありえないことなので、ものすごく贅沢をしている気持ちになる。どうだどうだ。
そういえば昨日は食べなかったよね、のイカ刺しは新鮮そのもので、透明感とコリコリした食感が幸せな一品。
刺し身以外の食事はこんな感じ。刺し身だけに飽き足らず、焼き魚が用意されているところがばんやのばんやたるゆえん。魚に、さらに魚をかぶせてくる。
「ああ、湯豆腐には生き返る」
参加者一同、舟盛りに感激しつつも、魚以外の料理に心が奪われている有様。いいぞ、いい感じでみんな魚にうんざりしてきているぞ。
あまり喜ばれていないアジの塩焼き。そもそも、「これ、なんの魚?」なんて聞かれている始末だ。アジって、圧倒的に干物で食べる機会が多いので、こういう形で出てくると「えーと、どちらさんでしたっけ?」となってしまうかわいそうな魚だ。
一生懸命、ゼイゴをPRして「俺はアジだ!」と主張してらっしゃる。ご苦労様です。
「ううむ、朝から食べ過ぎてしまった」
6人が揃って激しく満腹になり、食事処を後にした。「昨日は食べ過ぎたし、今日は控えめに」とか言っていた人まで、ご飯をおかわりする惨状。何しろ、刺し身なんて醤油っ辛いものを食べていたら、ご飯がはかどってかなわん。
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