ばんや到着。
毎回来るたびに様子が変わっていて、どんどん変化していく場所だが今回もそう。今は平屋建てだけど、いずれ豪華3階建て、なんて建て替えられるんじゃないかという予感すらする。で、宴会もできる大広間があります、とか。
ただ、今のところ広い保田港の一角を使っているので、上へ上へと建物を高くする必要はないようだ。横に広げていく余裕がまだある。でもそろそろそれも限界で、これから先どうするのだろう。
建物の前には、ベンチが並んでいる。これは以前なかったものだ。大量のお客さんが入店できずに待つ場合、ここでおくつろぎくださいというわけか。いずれ、待合用の建物とかできるんじゃあるまいか?または、立ち食いスペースとか、回転寿司とか。
なにしろ、これだ。一昔前のバーゲンセール並の混雑。これ、何をやっているのかというと、空席待ちをしている人たちの群れだ。
写真なので、勝手に
「ふざけんな!店長を出せ!」「物売ってるっていうレベルじゃないぞ!」
なんてキャプションを付けてもなんら違和感がない。それくらいのお客さん密集度。整理券を配布したり、銀行窓口みたいに「現在ご案内している整理券番号」を電光掲示してもいいと思う。それくらいは儲かっているだろうに。
でも、お店から言わせると、「いや、その儲けを全部美味しくて安い魚料理で還元してるんです!設備投資する金があったら、その分安く料理を出します!」と言われると、お客としては返す言葉がない。そういう言葉に説得力があるのが、この「ばんや」というお店だからだ。
とはいえ、数年前から短冊タイプのメニューボードは液晶ディスプレイに切り替えられ、便利になっている。設備投資を怠っているわけではない。主なメニューを表示するために、6画面を使っているというのだからすごいことだ。それだけの料理数を誇るお店というのは、なかなかないことだ。
従来型の紙メニューにしない・できないのは、その日の水揚げによってメニューがコロコロ変わるからだろう。もちろん、朝どれの魚を売りにする海鮮居酒屋で、手書きで魚のメニューを列挙しているお店はある。しかし、はっきりいって字が汚かったりレイアウトが雑で、読み取りにくいものが多い。その点このお店は、煮物、焼き物、揚げ物・・・とジャンル分けされていて、とても視認性に優れ散る。おすすめメニューは赤字で表示されているし、売り切れたら即座に反映されるし。すばらしいと思う。
昔は、メニューボードを眺めていたら、どんどん売り切れて札が下ろされていく一方で、追加で新メニューが登場したものだ。油断も隙もあったもんじゃない。しかし最近はそういう「途中からひょっこり現れるメニュー」というのは見かけない。水揚げや仕入れのタイミングが変わったのかもしれない。
刺身とか寿司とかは、日によってネタが変わるのでボードで紹介しているのは相変わらず。ばんや初心者がよく頼む「朝獲れ850寿司」は、9カンで850円。ネタの重複が結構あるので、要注意だ。なお、9カンと数が同じなのに1,650円とお高くなる「ばんや寿司」は、ネタがかぶらないのでおすすめ。
以前テレビで「サワラの刺身は幻だ、滅多に食べられない」とおさかなクンが言っていたが、そんなことはない、ばんやではサワラの刺身も寿司も手軽に食べられる。ついでに言うと、僕の実家はサワラの本場・岡山なのだが、帰省の度にサワラの刺身を食べている。質が良い物だと、刺身の王様と呼んでもいいくらいねっとりと甘くてうまい。真鯛よりも美味しいと思う。
店頭には、ラップされた食品サンプルが並ぶ。入店待ちのお客さん達はすっかりメニューボードの方に目が釘付けになっており、あまりこのサンプルは注目されていない気配。
最近のばんやは鍋もやっているのだな。ばんやの醍醐味といえば、いろいろな魚料理をあれこれ頼んで、わいわい食べることにあると思う。でも、鍋を頼んでしまうと、コトコト煮込まれた鍋に舌鼓を打っているうちい満腹になってしまう。それはそれで美味しいとは思うが、ちょっと残念であり悩ましいところだ。今回はパスだろうな。
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