2,000人の右往左往【メガ鬼ごっこ】

ボブサップ登場(1)
ボブサップ登場(2)
ボブサップ登場(3)

ボブサップの登場には、演出が施されていた。

太っといチェーンにぐるぐる巻きにされて連行されてきたボブサップだが、バーンと鎖を解き放ち、そして煙がぶしゅーっと上がる。フィールドにいる人たちも観客席にいる人たちも、一同にやんやの大声援だ。

鬼ごっこにおいて、「鬼」というのは敵だ。でも、こうやって大歓迎されるという現実。ええい、参加者はみなマゾなのか。

ただ、当初からこのビースト鬼は強敵とは見なされていなかった。パワーはあるのだろうが、その体格からしてとうてい走りが早いとは思えない。いや、彼はもともとNFLの選手で、100mを11秒で走ることができたという。しかも、K-1での活躍のみならず、プロレスではIWGPヘビー級のチャンピオンベルトを巻いたこともある人物だ。彼の経歴にも、キャラクターにも経緯を払うが、「鬼ごっこが強い」かどうかは別問題だ。

いずれにせよ、ボブサップが登場した時点で既にフィールドから退場している、おかでんが何を言っても無駄なのだが。

観客大盛り上がり

先ほどの「熱血鬼」登場時に、「新しい鬼が現れた時は試合がいったんブレークされる」ことを身をもって学んだ人たちが、ボブサップを間近で見ようと群れをなしている。ファールラインから外に出ると失格なので、お行儀良くフィールドの中に収まっているのが見ていて面白い。

さすがに試合再開したら、ボブサップは鬼であり敵だ。まじまじと観察したり、近づいたりはできない。だから、今のうちにガン見しておこうというわけだ。

頭にツノが生えているボブサップ

「ビースト鬼」と名乗るだけあって、ちゃんと頭にツノが生えていた。芸が細かい。

ボブサップに限らず、ゲスト鬼はNB駅伝鬼を除いて全員がツノをはやしていた。バラエティ番組でもないのに、よくぞここまで凝ったなあ、と感心させられる。ボブサップに関しては、当日を前に予告動画が作られ、YouTubeにアップロードされていた。地下室のようなところで暴れるビースト鬼という映像だったが、主催者の力の入れようがよくわかる。ゲスト鬼にツノをつけなくても、予告動画を作らなくても、参加者は2,000人集まるだろうし、場は盛り上がるだろう。でも、こういう「わくわく感の演出」をきっちりやってくるところがすごい。(保険料を除けば)無料のイベントだぞ?これ。

フィールドが狭くなった

みんながバックネット側に注目している間に、フィールドの境界線を示す赤いロープはぐぐぐっと内野側に移動されていた。難易度がこれでさらにUPしたことになる。

試合再開。もうわちゃわちゃ

ビースト鬼が野に放たれ、試合再開。

もう、わちゃわちゃ。野球場は扇形をしているので、フィールドが狭くなれば一気に活動範囲が狭くなる。鬼だらけだ!

鬼も少しは学習してきていて、全力で走ったりはしない。そんなことをやったらすぐに息が上がることを、これまでの時間で悟っている。そしてそれは参加者も同じで、鬼が数メートル先にいても、髪を振り乱して逃げるということはしなくなった。微妙な距離感で、微妙な戦い方だ。若干心理戦的側面も出てきたりする。鬼にロックオンされないような立ち振る舞い、これが大事。

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