10:19
長野県境となる地蔵峠を目指していると、開放的な空間に出てきた。
このあたりが「湯の丸高原」と呼ばれるエリアだ。
「高原」という言葉に、都会暮らしの人間は弱い。弱い、というか憧れに近い感情を持つ。これは僕だけではないはずだ。
で、いざその「高原」に行ってみたら、「単なる山奥じゃないか!嘘つき!」という場所もあるけれど、ならだかな丘陵地帯が続いていたり、牧場があったりすると「うわ、ラッキー!」と思ったりするものだ。
確かにこれは高原だな。うん。(高原の正確な定義はよくわかっていない)
今日は曇天だけど、晴れていればずいぶん気持ち良いドライブが楽しめそうだ。
県境スレスレの、群馬県側に「湯の丸スキー場」がある。
・・・違った、もう県境を越えていた。長野県だ。長野県側に「湯の丸スキー場」がある。ゲレンデ自体は県をまたいでいるようだ。規模はあまり大きくないけど、標高が高いので快適なスキーが楽しめるのだろう。
お店が何軒かある。
お昼時でもないので、ここでご飯を食べるにはちょっと早い。
車を降りて、ざっと周囲を見て回る。
今日は、この後何かライブイベントがあるようだ。音響の確認中らしく、時折ズンズンと重低音が響く。
どうやら、「rural2016」という、テクノなどのDJイベントが3daysで開催されているらしい。
「自然学習センター」があったので、立ち寄ってみる。
雨が降ってきた。標高が高いこともあって、気候はぐずつきやすく、崩れやすい。
自然学習センターから慌てて走って、車に戻る。
この先、山の上を伝って東に向かえば「池の平湿原」がある。どんなものか詳細は知らないんだけど、かなり美しい場所だと聞いたことがある。
以前、高峰温泉に泊まった時、山スキーを履いて池の平湿原を目指したものの、時間切れ引き返し、という経験がある。
池の平湿原は、高峰温泉と湯の丸高原のちょうど中間くらいの場所だ。
今回、「雨が降っているから、行くだけ無駄だろうなあ」と思いつつも、とりあえず様子を見に行くことにした。
道中、キジの夫婦が道路を横断するのを見た。野性のキジを見たのは初めてだ。オスがまず先導し、メスが後についてくるという仲睦まじさだった。
池の平湿原への道。
だんだん道路の舗装が雑になってくるけど、それよりも霧が深くなってきたのが気になる。
池の平湿原に到着。
あれっ!?駐車場、有料なのか。
普通車1台500円。
駐車場料金としては決して高くはないのだけど、「まさかこんな山奥に有料駐車場があるなんて」という驚きと、「そこまでしてお金を払っても、この雨じゃあねぇ」という気持ちがある。すごく高く感じた。
なにせ、これだもの。
濃霧。
今は雨が一時的に止んでいるけど、いつまた降り出すかわからない。
これだけの霧なら、眺めは最悪だろう。
・・・うーん、パス。
Uターンして、何もしないまま湯の丸高原に引き返した。
(つづく)
コメント