鎌原観音堂から、さらに南下するルートをとる。
今晩の目的地、新鹿沢温泉はここから西に向かうべきなのだけど、敢えて南、つまり北軽井沢方面に向かう。
というのは、北軽井沢にある別荘地がどんな雰囲気なのか、チラッと見てみたかったし、この後「つまごいパノラマライン」を走ってみたかったからだ。
「つまごいパノラマライン」の話は後で述べるとして、まずは別荘地を目指す。
「北軽井沢」と名乗ってはいるけれど、長野県ではなく群馬県だ。それだけ、「軽井沢」という地名のブランド力が素晴らしい、という証拠だ。千葉県なのに「東京ディズニーランド」を名乗るようなものだ。
浅間山の山麓なので、決して平坦な場所ではない。そのため、思った以上に道はグニャグニャしていて、カーナビを頼りにしていても走るのが難しい。
特に、「できるだけ最短距離で行こう」「別荘地の様子を見たいので奥深くまで入り込みたい」なんて良くを出すと、なおさら。
ほら、未舗装路に入っちゃったよ。大丈夫かよ。
あれ。何か豪華なエリアに来たと思ったら、ホテルグリーンプラザ軽井沢の横を通過。
道理でさっき、教会みたいなのがあったわけだ。
このホテルには、アワレみ隊が「雪上ドライビング教室」を受けに行った際、泊まったことがあったっけ。
もう昔すぎて、殆ど記憶が残っていないけど。記憶が残ってりゃ、こんなに車で右往左往してるわけがない。
「脱出できねぇぇぇぇ」
このあと、本当に右往左往してしまった。
元々、別荘エリアと幹線道を繋ぐ接続道路自体が少ない。通り抜け目的の外来者を好まないので、敢えてアクセスポイントを減らしているのだろう。
その接続道路自体が、さらに閉鎖されていたりする。
カーナビを見ながらあっちに行っては通行止め、こっちに行ってもやっぱり通行止め、というのが何度もあった。随分と、出入り口を絞り込んでいるらしい。
安易に別荘地に入りこむんじゃねぇよ、ということなのだろう。
苦労してようやく別荘地を脱出。
「ロイヤルブルーゴルフリゾート」という施設から、「つまごいパノラマライン」に入る。
つまごいパノラマライン。
「広域農道」という表示があるとおり、別に有料道路でも観光道路でもない。
嬬恋村をぐるっとCの字型に取り囲むように走る広域農道で、真ん中を走る国道144号線を境に「南ルート」と「北ルート」に分かれる。なので、僕らが今走り始めたのは、「南ルート」。
全線風光明媚で信号は殆どなく、ツーリングにとても向いているのだという。今回の旅行で初めて知った。北ルートまでぐるっと回っていくと、トータルで30キロほど。草津温泉の手前くらいにたどり着くという。
おお、これはすごいすごい。
一面のキャベツ畑だ!!
見渡す限り、キャベツだぞおい。
長野の川上村で「高原レタス」農場が一面に広がっているのを見たことがあるけれど、それに匹敵する・・・いや、こっちの方が神秘的でびっくり度が高いかもしれない。
畑になっていない周囲の山を見ると、当然木々が生えている。当たり前だ。
なので、「おや、都合の良い空き地があるぞ。じゃあキャベツでも植えよう」というわけではなく、先人が苦労して開墾し、時には浅間山の噴火にも耐え忍び、そして今や一大キャベツ産地として成長したわけだ。すごい、としか言いようがない。
これ、全部キャベツだぜ?
広大な田んぼ、というのは結構見慣れた光景だ。しかし、広大なキャベツ畑というのは見慣れていないので、ひたすら驚く。今思えば、車を停めてゆっくりとこの光景を鑑賞すればよかった。
田んぼと違って、畑なのであぜ道がない。それもまた、デカさを実感する要素なのだろう。ひたすら、キャベツが並ぶ。
16:51
びっくりしながら進んでいると、信号が見えてきた。「鹿沢温泉口」という交差点で、ここを左折すると新鹿沢温泉エリアになる。
先ほどまでのキャベツ三昧から一転して、急に人の気配がするエリアになってきた。といっても、静かな集落だ。
ああ、急に看板がいくつも並ぶエリアになった。どれも温泉旅館のものだ。
このあたりが新鹿沢温泉。
「新」という名前がついている通り、「鹿沢温泉」というのはもう少し山奥の、別の場所にある。なので、この温泉エリアは鹿沢温泉からの引き湯だ。
油断して、うっかり今晩の宿を通り過ぎてしまった。
温泉旅館集落を通り過ぎてしまったので、慌ててUターン。あったぞ、今晩の宿「鹿澤館」の看板。建物が奥まっていて道路からは見えなかったので、大きな看板が出ていても見逃していた。
看板には簡易に「鹿沢館」と書かれているが、公式webサイトを見ると「鹿澤館」になっている。おそらく、正式名称は「鹿澤館」なのだろう。
(つづく)
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