ハワイからグアムへ、遠島の刑は移ろう【のっとれ!松代城2019】

統括軍師

村山統括軍師殿が登場。威勢のよい声で、レースに関する注意事項を説く。

歌舞伎者のエントリーが少なかった昔は、ここで村山閣下の独演場となっていたのだけど、今や出演者が目白押し。なので、尺が足りないということで簡潔に語るのがここ数年の流儀になっている。

お互い助け合ってレースに臨め、とかAEDもあるのでなにかあったらそれを使ってくれ、といった内容。はっきりいってバッサリ省略しても何ら大会運営に支障のないパートなのだけど、やっぱり彼が登場するだけで場が盛り上がる。この大会には欠かせない存在だ。

副将軍

昨年までの副将軍からかわった、新しい副将軍(らしき方)。

レース直前

もう、このあたりでレース上位を目指す戦士たちはジリジリとスタートラインににじり寄っている。そもそも、戦士入場の時点ですでに場所取りが始まっていて、その結果舞台正面にはあまり人がおらず、スタートラインがある舞台上手側に人が密集するといういびつな構図になっている。

僕らチームアワレみなんて、はなっから上位を目指していない。だから、堂々とステージ正面で歌舞伎者のパフォーマンスを鑑賞した。

勇者殿の名前

勇者様の今年の歌舞伎者としての名前は「懲りないハンター」だった。一昨年だったか、重たい装備品に四苦八苦し、最下位にちかい順位に甘んじてしまったため、その翌年は「ドンケツハンター」を名乗っていたっけ。で、今年は「懲りないハンター」。

聞いてみると、今年で8回目だか9回目だかの参戦なのだという(正確な数字を忘れてしまった)。すげえ。

「これまでで、なにか刑罰を受けたことってありますか?」

と聞いてみたら、苦笑しながら「ないです」と言った。あああっぱり、まったく抽選にかすりもしないのは僕たちだけじゃなかったんだ。確率っていうのは難しいものだね。

エイエイオーを叫ぶ

えいえいおーの勝どきを上げて、いざ出陣。

のっとれ!松代城レース中

「かかれー」の掛け声とともにほら貝と空砲が鳴り響き、レーススタート。

しかし今年は随分とだらだらとしたスタートの様子だった。ご覧の通り、走ってる感が全然ない人達だらけ。例年、僕は最後尾近くにいるのでだいたいの様子は見ているけれど、今年ほど「最初っから走る気があんまりない」人が多い年は初めてだと思う。

まあ、僕もまたしかり。こうやって観察できてるってことは、この人達よりもさらに後ろにいる、ってわけだ。

のっとれ!松代城レース中

実際問題、レース開始直後は田んぼの中を走る狭いコースなので、人の帯ができる。

レース上位を狙う人が一生懸命スタートのポジション取りをするのは、この人混みに紛れるわけにいかないからだ。ここでモタモタしたら、その後すべてが遅くなる。この先にある障害物も、渋滞ができて行列になるからだ。

だとしても、スタート直後のこのあたりはみなテンションが高く、ちょっとは走ろう・・・という気になるものだ。少なくとも、昨年まではそんな感じだった。しかし、今年はどうにもみんな出足が遅い。

のっとれ!松代城レース中

「歩いてゴールを目指しても、制限時間内にお城には到着できる」

とわかっていても、最初のうちは走っておくことにした。比較的平坦なところは、はっきりいって退屈だからだ。なにせ周囲は真っ白の雪景色の田んぼだし、足元はグズグズなので気持ちよく歩けるコンディションではない。とっとと走って、とっととこの状況を終わりにしたほうがむしろ楽だ。

最初の障害、「馬落とし」にたどり着いた。ここでも人がつかえ、順番待ちのため立ち尽くす人たちが列をなしていた。

のっとれ!松代城レース中

胸の高さほどある段差を3つだか4つだか、乗り越えていくこの障害物。

雪を固めたものなので、つるつる滑る。これが木やコンクリートだったら、表面の摩擦に足や手をひっかけてよじ登ることが簡単にできる。しかし、ここはうまくいかない。身体半分、へその部分まで上に登れているんだけどあともう一息足りず、「ひゃー」と叫びながら足をジタバタしている人も結構いる。

僕は毎年、ここで「さあ!自衛隊のお兄さんに任せなさい!」と何人も人助けをしてきている。ゴール時の順位の低さを言い訳するためだ。あと、自衛隊の格好をしていて、人助けをしないというのはちょっと印象が悪い。

そういえば、今年はある男性の方から「あれっ、その格好は・・・」と驚きをもって声をかけられた。聞くと、元陸上自衛官だという。やべえ、ホンモノにニセモノがばれちゃった。ただ、その人が「あれっ」と声を上げたのは、おそらく「この人、レプリカではないホンモノっぽい自衛隊迷彩服を着てるぞ。でも立ち居振る舞いが自衛官っぽくないな」という違和感からだろう。一度自衛官になると、日常動作がビシッとする癖がつき、町中を歩いていてもそれとすぐに分かるそうだ。たとえ私服姿の赤の他人でも、「あ、あの人自衛官だ」ってわかるらしい。

のっとれ!松代城レース中

今年の馬落としは、ちょっと雪質が柔らかくて攻略しやすかった。つま先を引っ掛けられるような凸凹があちこちにできていて、そこを足がかりにしやすかったからだ。あと、凍てついてツルツル滑るということもなかった。暖冬の影響だろうか。

自分が馬落としを攻略する際に助けられた回数分、自分も後ろの人を助け、それで貸し借りはなしだ!ということにして先に進む。なんだか今日は順位を少し上げたい欲が出てきた。

(つづく)

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