表彰式開始。
男性1位から順に壇上に呼ばれ、そのあと女性1位からまた呼ばれ、と続くのでここが結構たるい。間延び感がある。・・・って、表彰式なんだから本来このパートが一番重要な時間。「たるい」とか言うな。
それもこれも、僕らは全部の表彰が終わったあとにある抽選会が目当てだからだ。表彰式で呼び出しを受けるほど上位に食い込んでいる仲間は誰一人いないし、今後も出る予定がないし、ここは完全に弛緩しきったひとときだ。
歌舞伎者の表彰は、踊っていたチームが受賞していた。毎年の傾向だけど、シュールな歌舞伎者は「大歌舞伎者」として表彰されないようだ。みんなでキャッキャと楽しく踊ったりしている方が、評価が高い。
表彰式のあと、抽選会が始まる。
毎年のことなので、もうあまり「うおおおお」というテンションにはならない。当たる気がこれっぽっちもしないからだ。このイベントに参加するようになった初期のころは、「昨年まではダメだったから、今年こそは遠島の刑が当たるんじゃないか」と仲間で語らいあっていたものだ。しかし今年はすっかり「もう無理だ」という諦めの境地に達しており、ほとんど無心でこの表彰式を眺めるようになった。
俗世間の欲から解脱した、といえば聞こえがいいが、そうやって事前に諦めておかないと、毎回がっかりするのがしんどいからだ。
最初のうちは、それほど大したことがない賞が抽選になる。しかも10名様、などと大盤振る舞いだったりする。「やばい、この数だったら当たるかもしれない。でもこんなところで運を使い果たすのはなぁ」なんて思わず皮算用をしてしまうが、やっぱり抽選には選ばれることなくスルーされてしまった。
おーまさんのこの微妙な顔を見よ。
番号札を引き当てるのは村山統括軍師殿なのだけど、彼が「よんひゃく!・・・」と言って一呼吸置いたりしようものなら、400番台の入場の証を持っている人は色めき立つ。しかし、僕なんかは全然当たる気がしないので、一応「おおおお」なんて言うけれど、期待はしていない。
そういう、斜に構えた姿勢が良くなかったのかもしれない。今年も、全員何一つ当たることなく抽選会は終了してしまった。まじですか。当たる気がしなかったというその勘はしっかりと当たる。どういうこっちゃ。
遠島の刑、グアム旅行をゲットした人たちがレイを首からぶら下げて壇上にいる。それらを下から唖然として見上げる僕ら。
最後、万歳三唱で締め。
どうしたものかなあ、ここまで何一つ賞が当たらないとなると、この先10年20年かけても当たる気がしない。別にグアムなんて自腹で行けばよいのだけれど、こうやって抽選になっていて、そしてそれが全然当たらないとなると「のっとれ!」に来年以降参加するかどうかもちょっと心が揺らぐ。
まあ、そうはいってもまた2020年もエントリーすることになるのだろうけれど。
お開きになると、壇上で記念撮影を撮ろうとする人たちでにぎわう。僕らも写真を撮るために壇上に上がる。これくらいしか、運がない僕らが壇上に上がる機会がない。
で、振り向くともうあっという間にのっとれ!戦士が退却をしていた。引き際がものすごく早い。
日曜日の夕方、ということもあって、早めに帰らないと・・・という人も多いのだろう。
屋台もそれをわかっていて、退散する人たちに対して最後の商売をするお店は少なく、もうすでに撤収を開始しているところが多かった。
(つづく)
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