吊尾根の下の、一つ屋根の下で【上高地デュオキャンプ2019】

18:42
上高地バスターミナルを出発したバスは新島々に到着し、そこから電車に乗り換えて松本へ。

ちょうど夕ご飯どきに松本駅に到着した。

ならば、ということでいしを連れて行ったのが、松本駅ビル内にある「松本からあげセンター」。ここで山賊焼きを食べて、今回の旅を締めようと思う。ここの大きな山賊焼きを目の当たりにして、さぞやいしは驚くことだろう。

さて、何を食べよう?定番の定食を頼むとして、せっかく二人での訪問なんだし単品を頼んでもよさそうだ。シェアすればなんとかなる。

・・・と、このときは思っていた。しかし、ここのお店の料理はデカいことをすっかり忘れていた。定食プラス単品料理、というのはやりすぎだということをこの後思い知る。

メニューの中の「さっぱりお摘み」というジャンルに、「暴走族」というメニューがあったので頼んでみた。タイマン勝負じゃ勝てそうにないので、こっちは二人がかりで対決だ。

出てきたものは、キャベツに塩昆布、それに黒胡椒がかかったものだった。ほう!?

これはこれでうまいんだけど、なんで「暴走族」とネーミングされたのかは謎。

「暴走族って黒色イメージがあるから?」
「そんな理由?というか、黒かったっけ?」

むしろ、白いツナギの特攻服を着ているような印象・・・いや、記憶をたどると、実物をまざまざと見たことがないのでよくわからない。せいぜい、「警察24時」みたいなドキュメンタリーTV番組で見たことがあるくらいだ、暴走族。

「えっ、これが無料なんですか!」

いしが嬉しそうに卓上にある壺を自分の手元に引き寄せる。ガリもやし。「松本からあげセンター」ではこれが食べ放題になっている。牛丼屋の紅生姜よりも太っ腹だ。

酒飲みだったら、これをつまみにぐいぐい飲める。

なんでこのお店はこんなに太っ腹なの?と心配になるが・・・

それは、お店のメイン料理がかなりのボリュームだから。

主食をガチッと食べてしまうと、いくらガリもやしが無料でも胃袋のキャパがこれ以上許してくれない。

そうか、牛丼屋で紅生姜をしこたま盛る人がいるけれど、あれは牛丼の量が足りないからだ。「これは満腹になるぞ!」と畏怖するだけの量が提供されていれば、紅生姜をうず高く丼に積み上げるようなことはしなくなるはずだ。

ちなみにこの料理は「ターザン定食」、980円。

ジャングルのように野菜が積み上がっているから、「ターザン」なんだそうだ。すごいネーミングだ。つまり、野菜が高騰したからといって、野菜の量を減らしてしまうと「ターザン」ではなくなる。

メニューには「ヘルシー」と書いてあるけど、いやいやいや、ジャングルの下に潜んでいる揚げ物はかなりの量だ。これを食べるとかなりのカロリーになる。

いしは、初回ということでノーマルな山賊焼き。

「わたし、ご飯はいらないです」

といって単品で注文していた。おう、ターザン定食よりもヘルシーかもしれん。

それでもこのボリューム。食べたら確実に満腹だ。実際僕は、「ご飯はいらなかったかな・・・」と思ったくらいだ。それでも、味の緩急をつけるためにご飯はほしい。悩ましい。

これは「砂ぎもネギまみれ」というやけくそな名前の一品。530円。

確かにネギまみれだ。これは「ターザン」とは呼べないけれど、すごい迫力であるには変わりない。うん、美味しかった。でもお腹いっぱいになったぁ。

僕が店頭でお会計をやっている間、いしは隣のお土産物屋さんを物色してもらった。

遠目で見ていると、・・・あれ。何かお菓子の試食コーナーの前で立ち止まっているぞ。

あ、食べた。

あれだけ山賊焼きとかを食べたのに、まだ食べるのか。

それを見てつくづく反省した。なんだか僕の立場は、「あれこれ食べるいしをたしなめる、ツッコミ役」のようだ。しかし、本来なら僕自身がツッコまれるくらいにあれこれ食べたりしていたのに。そういえば昔は「無茶してナンボ」という言葉を自分のキャッチコピーにしてたっけ。

でも今や、すっかりそれがなりを潜めてしまった。他人のフリ見て我がフリ直せ。自分ももっとあれこれ貪欲にならなくちゃ。

食欲だけが貪欲になったら、食べた分だけ太る。食べ過ぎるのは良くないけれど、「貪欲さ」はいしの真似をしたい。

そんなことを考えながら、帰りの特急あずさに乗車すると・・・

えっ、いしさん、「安曇野のむヨーグルト」をこれから飲むんですか!?

てっきり、自宅用のお土産かと思ったのに。これから?今?

「だって、傷むかもしれないですし」

いやそうだけど。いやあ、僕のはるか上をいってらっしゃる。これにはびびった。

これでいしがデブなら、「ちょっとは控えろ」とも言いたくなるけれど、太ってないからなぁ。さすが、これが若さだ。

こんな二人が、このあと半年後に結婚するのだった。そんな、二人が人生初の泊りがけ旅行となった上高地。このあと二人は何度も上高地を訪れ、そして2021年に二人の間に産まれた子供にも上高地にちなんだ名前をつけた。

これまではおかでん一人の人生だった。ここからは、二人。そして三人へと増えていく。

(この項おわり)

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