元来、年季の入った温泉旅館とか、複雑に入り組んだ巨大施設の探検というのが大好きだ。
電車というのは、ずーっと同じ客席が並んでいるイメージがあって、お客さんが大勢乗っていて、探検の余地なんてないと思っていた。しかし「サンライズ」はすごい。探検するしかない!という乗り物だ。
鉄道マニア的視点を持ち合わせていないからこそ、気軽に探検ができる。アホみたいに「おお、すごいすごい」と喜んでいられる。これが鉄道に詳しい人だったら、あれもこれも気になりすぎてソワソワしっぱなしだと思う。

「シングル」を覗いてみる。
「車内のご案内」を見ると「Bシングル」と書いてある。「B」とか「A」というのはランクのことで、この編成で「A」ランクなのは「シングルデラックス」しかない。僕らが寝泊まりする部屋の2階部分だ。僕らがツインとして使用している部屋を一人で利用するので、ベッド幅は広く、部屋の中に椅子や洗面台も備わっている。
ちなみに新婚旅行中?の僕らが泊まっている部屋は「Bサンライズツイン」と記されている。あくまでもBランク。
せっかくだからシングルデラックスの部屋を覗いてみたかったのだけど、中に人がいるかいないか問わず扉が閉まっているのがデフォルトのため、ガチャッと開けてみるわけにはいかなかった。中に人がいたらさすがにまずい。
で、このシングルは扉が開いていたので中を覗き見することができた。
ちょっとしたカウンター、鏡、そしてベッドと寝具。ちゃんと浴衣も用意されている。

1枚の写真では撮影しきれないので、もう1枚。今度は枕元方面を。
この部屋、扉を開けたらすぐそこにベッド、という狭い空間ではなくベッド脇に空間がある。靴を脱いで置いておく場所があるし、荷物だって置ける。
なんだ、広いじゃないか、と思ったら、枕元あたりは床がふさがっていた。あんまり広い空間とはいえない。

トイレも撮影してしまった。
最近、旅行に行っても宿泊先の部屋中を撮影することをやめた。きりがない、と思うようになったからだ。昔はトイレや洗面台、冷蔵庫の中まで撮影していたし、提供される食事は1皿ずつ撮影していたものだ。そういう執着は歳とともに消えていった。いや、単に無駄だと気づいたからだ。
でも、こういう電車のトイレは興味深い。狭い空間でどうやっていろいろなものを配置するか、というのは創意工夫のしどころだからだ。
東海道・山陽新幹線のトイレと比べると、明らかに広くてゆったりしている。おそらく、乗客定員が新幹線とくらべてとても少ないので、トイレの数をたくさん用意しなくて良いからだろう。あと、新幹線が二両ごとにトイレが設置されているのに対し、このサンライズは各車両にトイレがある。

洗面台も激写。

まるで昔のRPGのダンジョンマップみたい。
2階部分に9部屋、地下部分に9部屋。そして11番~14番は1階部分。

RPGマップをリアルにするとこうなる。
楽しいよなー。
階段手前、右側にちらっと写っているのが先ほど写真を撮ったシングルの部屋。
二階建て部分にもシングル部屋があるのだけれど、こうやって車両の両端には乗降口からフラットアプローチでたどり着けるシングル部屋がある。その分、天井が広くなるので人気が高いのだとか。

こちらは「シングルツイン」。
ツイン、といっても僕らが泊まっている「サンライズツイン」のようにベッドが横に並んでいるのではなく、垂直方向に並んでいる。なるほど、1部屋で2つのベッドなんだから、「ツイン」って呼んでも間違っていないな。
ビジネスホテルでツインの部屋を予約して、いざ部屋に入ってみたら二段ベッドが置いてあった・・・というのだとお客さんは「待って、話が違う」と言うだろうけど、寝台列車ならそういう人はほとんどいないだろう。だって、マニアックな乗り物だから。乗る人はちゃんと調べてから席を予約する。

二段ベッドの上に上がるための階段はご覧の通り。狭いところになんとか空間を作っている。
上のベッドは跳ね上げ式になっていて、使わない時は跳ね上げさせることができる。
「シングルツイン」という意味不明な名前になっているのは、この部屋を一人でも使えるから。

これが寝台特急の席案内図だとわかる人はそうそういるまい。

この列車に食堂車は備わっていないけど、シャワーはある。
シングルデラックスの客はA寝台の特権ということで、車掌さんからシャワーカードが渡される。料金のうちに含まれているというわけだ。それ以外の、僕ら平民は自販機でシャワーカードを購入したうえでシャワーを浴びることになる。
値段は330円で、6分間お湯が出る。
繁忙期は売り切れることがあるそうだ。何しろ大量のお湯を消費するので、水タンクを車両に備えていなければならない。無限に水を供給できるわけではない。
シャワールームの写真はない。「もう23時だし、面倒だからシャワーはいいや」となったのだと思う。記憶が全然ない。

ミニラウンジ。10号車にあった。
ミニ、という言葉は謙遜でもなんでもなくその通り。両側の窓にカウンターがあって、それぞれ4席ずつ。
おそらく、シングルで寝る人が仲間同士でここに集って軽く飲み食いする、という用途なんだろう。僕らみたいにカップルが1部屋で寝泊まりするとなると、わざわざこのラウンジを使うメリットはなかった。
(つづく)
コメント
コメント一覧 (5件)
ご結婚されたんですね。おめでとうございます。20年近く前、カレーのまんてんとえぞ松の記事を拝見し、その後は牛サシか何かでお店の全メニュー制覇など、楽しく読ませて頂いておりました。久しぶりに閲覧し、コメントをさせて頂く次第です。
idekenrrさん>
お祝いメッセージありがとうございます。久しぶりのこのサイト、外観も中身もすっかり変わってしまって驚かれたと思います。
「美貌の盛り」をやっていた頃から基本的に何も変わっていないつもりなんですが、昔連呼していた「無茶してナンボ」という言葉は今だと全然使わなくなったな、とふと気づきました。無茶できなくなったんだろうなぁ。
また20年後、「まだやってたのか」とidekenrrさんから言われるよう、これからも頑張ります。
おかでん殿
結婚式前後の事連載が完結してからコメントさせていただこうと思い、遅くなりました。
連載もさぞ工夫された事とおもいます。
今まで通りのアワレみ隊ontheWeb連載の流れで、スペシャルイベントを違和感なく読ませていただきました。
奥様そしてご子息と末永くお幸せに!
にしても両家参列の式とは言え準備がこんなにも大変だったとは…。
自分達は諸事情により2人だけで新婚旅行を兼ねてのラスベガス挙式(ジョン・ボンジョヴィと同じチャペルを妻が熱烈希望)だったので、現地日本人コーディネーターにお願いしたくらいですが。
話は飛びますが、高校野球選抜大会の日程次第では、大阪から広島へ延泊してますゐ訪問を企んでおります。昼・夜・昼&特ランチ弁当なんてシミュレーションし始めただけで涎が止まりません!
軍曹殿>
ラスベガス挙式すげー。そんなことをやっていたんですか。しかも2人だけって、逃避行みたいですごいですね。
そういえばラスベガスって、質屋とチャペルが非常に多かったような気がする。
結婚もギャンブルといいますが、軍曹殿はそのギャンブルに勝ったようでなによりです。
ますゐ詣で、ぜひご堪能あれ!僕も最近のますゐについては全然疎いので、最新情報入手のために足繁く通ってみてください!!
おかでん殿
事実上の高飛びってやつです。
その前は同級生とか野球部同期の友人達がお祝いの会を開いてもらったので、感謝しています!
(実家出禁も半年後には解除されました。)