おかでん結婚式前後のできごと【倉敷・吉備路】

目が泳ぐ。

このレストランにある料理の全体像が見通せない。

一つのテーブルでも立体的に料理が並ぶし、手前と奥に並んでいるし、テーブルを回り込んだ背後にもあるし。料理だけでなく、調味料、装飾の花、いろいろ情報が多い。

忘れちゃいけない、背後にだって食べるものがある。

りんごがまるごとディスプレイされているが、これは1個単位で自分で皿に盛るのだろうか?それともスタッフに伝えるとカットしてくれるのか、または単なる飾りなのか。

フレッシュフルーツジュース、こんな変な形の容器に入っているのをはじめて見た。

これまで僕が見てきた朝食バイキングってなんだったんだ?と思えてくる。あれは単なる餌だったのではないか?

違う違う、これまでが普通なんだ。ここが異常なんだ。あまりに異常づくめの光景が続いているので、感覚が麻痺してくる。

パンナコッタだかババロアだかわからないが、どれも美味しそうだなぁ。。。

一体自分が何を撮っているのか、わからなくなってきた。対象がなんだかもわからないし、何のために撮影しているのかもわからない。そもそも自分が今どういう立ち位置なのかも不明だ。

興奮して「おお、すげえすげえ」とパシャパシャ写真を撮っている、というより困惑という気持ちのほうが強い。

ビュッフェにおいて、全部の料理写真が撮れないのであれば中途半端に撮影するのはあんまり意味がないと僕は思う。特徴的な料理を1品2品、そして料理が並ぶカウンターを遠景で撮るくらいで十分だ。

ただ僕はまだその判断がつきかねていたので、全部の料理写真を撮れていないんだけど、なんとなく漫然と写真を撮っている状態だった。

このしめじのソテー写真、すごいとは思うけどあんまり記録にも記念にもならない1枚だ。写真がHDDの容量を無駄にしている事例。

ただ、これはすごいと思ったものもある。これは撮っておきたかった。

ガラスの戸棚。まるで宝飾品でも入っているかのような雰囲気だ。

棚の上にはグリッシーニ。ガラスの戸の中には綺麗に盛られた・・・これはチーズか?

単なる飾りなのか、それともこれも食用なのか、ぱっと見てもわからない。特にガラス戸の中に入っているやつは、戸を開けようとした瞬間に警報が鳴り響きそうだ。

これもびっくり。

パンのコーナーの脇には、ミツバチの巣が木箱に収められていた。

巣を吊り下げて、その下に樋が斜めに据え付けてある。つまり、巣からタラーリと垂れた蜜が、受け皿に落ちてくるという仕組みだ。「しぼりたて」なんてものじゃない。「垂れたて」だ。

このリッツカールトンの朝食ビュッフェは、テーブルオーダーの品もある。

よくある「メインディッシュはオーダー制、あとはご自由にビュッフェ形式でお楽しみください」というスタイルではない。このメニュー表に乗っているものも、注文することはできますよ(しなくてもいいですよ)、というスタイルだ。

初めての体験なので、一瞬仕組みを理解するのに混乱した。しかも、2品選べる、という。えっ、2品も?

一品だけ、ならまだしも、二品もと言われるとややこしい。さあどうしようか。

どうしようもこうしようも、二人で来たからにはお互いバラバラなものを選ぼう。つまり、二人で四品をチョイスだ。

選べる料理はこんな感じ。

半熟たまご、タワーズオムレツ、エッグベネディクト、ポーチドエッグ、お好みの卵料理(卵2個)、クロワッサンワッフル又はフレンチトースト又はパンケーキ

メニューの中に「お好みの卵料理」というのがあるのにビビる。要するに、言ってくれれば何でも作るよ、というわけだ。たぶん目玉焼き一つとっても、半熟にしてくれとか固くしてくれとか、両面焼いてくれとかあれこれ好みがあるので、そういうのをメニューには書ききらずに「ご自由にお申し付けください」ということなんだろう。

これって、こちらのセンスを試されているようで焦る。こういうときにかっこいいオーダーってなんだろうか?思いつかない。いや、カッコつける必要は全然ないのだけれど、自分が心底今食べたいと思える卵料理って何があったっけ、と考えてしまう。

ここで、「トマトと卵の炒め」なんて中華料理のオーダーをしたら作ってくれるのだろうか?・・・いや、たぶんそれはダメだろうな。ちょっとジャンルが違う。じゃあ、「卵豆腐が食べたいです」と言ったらどうか?

やめろやめろ、そういう「どこまでオッケーなのかチキンレース」をやるんじゃない。こういうお店には二度と来られないかもしれないんだから、定番のメニューを頼んで食べたほうがきっと幸せだ。

ということで、エッグベネディクト。

すごく美しい一皿。

(つづく)

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コメント

コメント一覧 (5件)

  • ご結婚されたんですね。おめでとうございます。20年近く前、カレーのまんてんとえぞ松の記事を拝見し、その後は牛サシか何かでお店の全メニュー制覇など、楽しく読ませて頂いておりました。久しぶりに閲覧し、コメントをさせて頂く次第です。

  • idekenrrさん>
    お祝いメッセージありがとうございます。久しぶりのこのサイト、外観も中身もすっかり変わってしまって驚かれたと思います。
    「美貌の盛り」をやっていた頃から基本的に何も変わっていないつもりなんですが、昔連呼していた「無茶してナンボ」という言葉は今だと全然使わなくなったな、とふと気づきました。無茶できなくなったんだろうなぁ。
    また20年後、「まだやってたのか」とidekenrrさんから言われるよう、これからも頑張ります。

  • おかでん殿
    結婚式前後の事連載が完結してからコメントさせていただこうと思い、遅くなりました。
    連載もさぞ工夫された事とおもいます。
    今まで通りのアワレみ隊ontheWeb連載の流れで、スペシャルイベントを違和感なく読ませていただきました。
    奥様そしてご子息と末永くお幸せに!
    にしても両家参列の式とは言え準備がこんなにも大変だったとは…。
    自分達は諸事情により2人だけで新婚旅行を兼ねてのラスベガス挙式(ジョン・ボンジョヴィと同じチャペルを妻が熱烈希望)だったので、現地日本人コーディネーターにお願いしたくらいですが。
    話は飛びますが、高校野球選抜大会の日程次第では、大阪から広島へ延泊してますゐ訪問を企んでおります。昼・夜・昼&特ランチ弁当なんてシミュレーションし始めただけで涎が止まりません!

  • 軍曹殿>
    ラスベガス挙式すげー。そんなことをやっていたんですか。しかも2人だけって、逃避行みたいですごいですね。
    そういえばラスベガスって、質屋とチャペルが非常に多かったような気がする。
    結婚もギャンブルといいますが、軍曹殿はそのギャンブルに勝ったようでなによりです。

    ますゐ詣で、ぜひご堪能あれ!僕も最近のますゐについては全然疎いので、最新情報入手のために足繁く通ってみてください!!

  • おかでん殿
    事実上の高飛びってやつです。
    その前は同級生とか野球部同期の友人達がお祝いの会を開いてもらったので、感謝しています!
    (実家出禁も半年後には解除されました。)

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