テントサイトに戻り、キャンプファイヤーの準備をする。
「焚き火」という表現をするには太すぎる材木をゲットしたため、今回に関しては「キャンプファイヤー」という表現を使ってみる。
このキャンプ場は、他のキャンプ場同様に地面での直火は禁止となっている。このため、キャンプファイヤーをやろうと思ったら、焚き火台を持参するか、現地でレンタルすることになる。僕らは現地レンタル組。
いざ借りてみると、渡されたのはパラボラアンテナのような形をしたものだった。中華鍋に折りたたみの脚がついている、とも言える。こんな焚き火台を見たのは初めてだ。
なにか適当なものを「本来焚き火台じゃないんだけど、焚き火台として使っちゃってください」としたかのようなデザイン。だけど、コールマンのロゴが入っているので、これって焚き火台なんだな。へー。
一般的に、焚き火台というのは↓のような形をイメージする。
スノーピークの焚き火台がとても有名。
燃えている薪の下から空気が供給できるよう、小さな空気穴が開いている。
しかし今目の前にあるコールマンの焚き火台は、空気穴がない。大丈夫か、これ。
しかし、さすがは焚き火台。当初の不安をそっちのけで、あっけなく火が着いた。
薪と焚き火台しか借りていないので、焚き付けのための着火剤は持ち合わせていない。少量の新聞紙は持ち合わせていたので、それでなんとか着火を試みた。多分駄目だろうなあ、その場合は周辺の森に分け入って、落ちている小枝を拾ってこないと駄目かもなあ、と思っていた。が、何の苦労もしないで太い薪に火が着いたのでびっくりだ。
パラボラアンテナ型をしている焚き火台は、熱を反射して一か所に集中させる働きがあるのかもしれない。
焚き火を前にくつろぐ。
しばらくしたら、兄貴一家が遊びにやってきた。お皿に果物を盛り付けて、それを手みやげにして。
そうか、ロッジに泊まっていたら、「夕食後にフルーツ」なんてこともできるのか。
当たり前すぎることに今更感心した。僕ら、そういう発想は全くなかった。せいぜい、焚き火を見ながらつまみを食べよう、という程度だ。どうしても、「焚火イコール酒を飲む宴会」というイメージが頭にこびりついている。
兄貴家族4名+僕ら2名の6名で、焚火を囲んで話をする。それは楽しかったのだけど、姪たちは「焚き火が消えたら帰ろう」という雰囲気だったので若干心配になった。というのも、焚き火は花火とは全く違う。「消えそうになる」までがそもそも長い時間を要するし、消えそうになってから本当に消えるまでがかなり長い。
ちょっとずつ燃やしていたら、24時過ぎまで続けられそうだ。それはさすがにまずいので、途中から火力を上げて早く燃え尽きるようにスピードをコントロールした。
21時過ぎにお開き。そのまま僕らも就寝。
2020年08月16日(日) 2日目
明け方。
夜が明ける前、うっすらと空が明るくなっているときに撮影したもの。
おしっこに行きたくなって起き出したときに撮影。
夜中ぐっすり寝て、気がついたら朝・・・という生活に憧れる。どうしても寝ている間に1回はトイレに行きたくなる。なので、テント泊のときだって、トイレから遠すぎるところにテントを張りたくない。
明かりが全くない・・・と思って周囲を見渡すと、なにやら空中にぼんやりと光るものがあった。あんだあれ。
よく目を凝らすと、駅のホーム上にある自販機・・・のボタンだった。
見渡すとボタンの明かりだけ、というのはふしぎな体験。
空には三日月。
そして薄明の空。
テントに戻ると、いしがうつ伏せで寝ていた。
この人は枕なしで寝る。彼女と一緒に暮らし始めたとき、枕なしで良いのだ、と主張するのを僕は気味悪がって、頼まれもしないのにベッドに枕をセットしておいたものだ。それでもいしは毎回枕をそっと脇に寄せ、枕なしで寝るのでびっくりした。
「目が覚めたら、寝相のせいで枕から落ちていた」というのは理解できる。でも最初っから枕なし、という人もいることは知らなかった。
寝ているいしの格好を見ると、両手が体の下敷きになっている。手がしびれるはずだけど、大丈夫だろうか。眠りが浅くならないのだろうか。
7時ころになると、キャンプ場にも本格的な夜明けがやってきた。
テントから抜け出して、昨晩の焚き火を確認する。綺麗に白い灰になっていた。大したもんだ。燃え残りができるかと思っていたのだけれど。
姪2人が朝の挨拶にやってきた。ブルボンの「ルーベラ」を差し入れてくれた。ありがたい。
僕らはなにかお返しをしてあげたかったけど、他人に気を回すほどモノを持ち込んでいなかった。姪たちにお礼を伝える。
2人が朝ごはんのためにロッジに帰っていったのち、僕らも朝ごはんを食べる。
フリーズドライのスープと、昨日宇都宮で買ったパン。
パンだけでも嬉しいけれど、温かいスープがあるとより贅沢な雰囲気になる。
あとやっぱり、簡易的なものであってもテーブルはあったほうがいいな。地べたにこういう食べ物を置くと、急に貧相になる。
朝ごはんを食べる。
折りたたみの椅子にちょこんと座って。
座っている人のデカさと比べて、ミスマッチ感があって危なっかしい。実際、昨年日光湯元でキャンプを張った際に折りたたみ椅子を1つ、壊してしまっている。
後日、自宅のバルコニーでこの折りたたみ椅子を使っていて、やっぱり重さに耐えかねて脚がひん曲がってしまった。どうやら、「ちょこっと座る」のには向いているけれど、しっかり座ったり足場が安定していないところで座るのは得意ではないらしい。Amazonで買った安物なので、これはもう仕方がない。
(つづく)
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