コロナ時代、帰省を諦めテントを張って川で過ごす【みよりふるさと体験村1】

小太郎茶屋に通じる道の前が塞がっていて、そこに人が並んでいる。

一体何事か、と思ったら、入場制限をかけているのだった。知らなかった、夏の週末だとこんなに混むだなんて。

ダートロードを走った先にある小さな渓谷で、そこにへばりつくようにある古びた茶店だ。マニアックな趣味な人だけが訪れる、知る人ぞ知る穴場だと思っていた。それが人気スポットだっただなんて。

コロナに対して何もかも過剰な警戒をしているのが2020年夏だ。なので、屋外とはいえ入場制限をかけるのは仕方がない。

・・・と、コロナのせいにしようと思ったが、それ以前に単に人が多い。なんでこんなに?というくらい、人が多い。なんだ、れっきとした観光地じゃん!というレベル。こりゃ物理的に入場制限しないと駄目だ。コロナとは関係がない。

時間で入場を区切っているようで、「PM1:30~」という紙が貼ってあった。数十分待つことになるのはイヤだったので、僕らはここまで来ておきながら、茶店にたどり着くのは諦めた。

「茶店の使用できる縁台は12台です 30人までの使用にして下さい」

と書いてあった。

コロナ対応のために飲食物のシェアはしないでくれ、と書いてある。

団子をシェアしてコロナに感染した、というのは個人の勝手であって、お店が心配するこっちゃない。でも、こういうことまでお店が注意喚起をしないといけないピリピリした空気があったのが2020年だ。

当時はコロナの感染ルートを一人ひとり追跡調査するということを保健所がやっていた。で、どこの施設やお店で感染が広まったか、というのはすぐにニュースになったものだ。茶屋としては、自分のお店で感染者が多数出た、という汚名を被るのはイヤだったのだろう。

この茶屋だけじゃない、当時のお店はどこでもそうだ。

小太郎茶屋。

なんでこんなところに無理して茶屋を作ったんだ?という渓谷沿いの崖に建っている。

しかも、ぱっと見た目は相当年季が入っている。定休日でだれもいないときにここを訪れたら、絶対「廃墟があるぞ!」と思うだろう。そんな建物。そこで売っている草だんごがなかなかイケてるというのだから、面白いものだ。

茶屋に向かうためには、渓谷の岩場を歩き、板の橋を渡っていくことになる。

岩の上にはいくつか縁台がある。小太郎茶屋でイートインする、ということはこの縁台で食べることを指す。

僕らは敷地内に足を踏み入れなくてよいので、草だんごだけこっちで売ってくれないかなあ。

諦めて車に戻る途中、この茶屋が人気な理由がわかった。

秘境感、そしてイケてる草だんごだけじゃない。小太郎ヶ淵は浅瀬になっていて、子どもたちが水遊びをするのにうってつけだったからだ。家族連れがいっぱいいた。

なるほど、だから余計混むのか。これはもう仕方がない。諦めよう。これから先も、夏場の週末にここを訪れるのはやめておいたほうがよさそうだ。

塩原から那須エリアに移動してきた。

道の駅塩原に立ち寄り。

「本日のジェラート」と書かれた看板。

「とうもろこし」や「スイカシャーベット」があるのが珍しい。

フルーツジュースの世界では、オレンジ、アップル、グレープフルーツ、グレープの4巨頭が圧倒的存在で、それ以外がザコに近いほどマイナーな存在になっている。せいぜい、二軍選手としてピーチ、パイナップルが出てくるくらいか。世の中にフルーツはたくさんあるけれど、この一軍二軍を脅かす存在になれていない。

スイカとか梨は、過去に何度も大手清涼飲料メーカーが商品化をし、結局うまくいかずに撤退、という展開を続けてきた。どうもスイカは扱いが難しい果物だ。

さて、ここのスイカシャーベットはどんな感じなんだろう。食べることはしなかったけど、気になる。

「スイカジェラート」にはせず、「スイカシャーベット」なんだな。ジェラートにすると、ベースとなる牛乳の味にスイカが負けてしまうのだろう。

この界隈は「那須高原大根」という名前で大根の栽培が盛んらしい。

「塩原高原大根そば」なるものがレストランで売られていた。いわゆる「刺し身のツマ」が蕎麦の上に山盛りになっている。蕎麦がメインなのか、刺し身のツマがメインなのかわからないレベルだ。

その大根は農産物直売所に大量販売。

一般的に大根の旬は冬だけど、ここじゃ今がまさに旬、という感じで売られていた。

スーパーなどで流通する際には、邪魔ということで切り捨てられる葉っぱの部分が随分残っている。この部分、ごま油で炒めて塩で味付けするだけで相当美味しいごはんのお供になるんだよな。この葉っぱ目当てで大根を買っても良いくらいだ。

冷気が逃げないように、冷蔵ショーケースの上に発泡スチロールのフタをかぶせてある。

「ブルーベリー」と書いてあったので「えっ?」と二度見してしまった、スイカ。

これが那須塩原のブルーベリーなのか?と常識を疑ってしまったが、単に陳列ミスらしい。スイカ本体に値札とともに商品名が書いてあって、これがスイカで間違いないことがわかった。ちなみにお値段、2,500円。

小太郎茶屋で草だんごを書いそびれたので、ここでよもぎまんじゅうを買うことでリベンジを果たす。

(つづく)

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