
10:58
広大な青空の下、大きな白い建物が見えてきた。どうやらあれがガトーフェスタ・ハラダの工場らしい。

11:01
「CHATEAU DE CREATION」とフランス語で書かれた建物。そしてギリシャ建築を模した柱がずらずらと並ぶ。
ガトーフェスタ・ハラダといえば、トリコロールカラーがトレードマークになっている。さすがに敷地内にフランス国旗を掲揚するほどフランス好き、というわけではなさそうだが、建物がギリシャ風なのにはちょっと驚いた。歌舞いているなぁ。

11:05
広い敷地の駐車場には車が一台も停まっていなかった。それもそのはず、入口のゲートが閉まっていて人の出入りがまったくない。どうやら今日は休業日らしい。
あれ?そうなの?工場見学ができると聞いていたのに。
そして入口の看板を改めて見て、「あっ」と声が出てしまった。看板には「株式会社原田 高崎工場」と書いてあったからだ。ここ、「高崎工場」だったのか。
工場見学ができるのは、「本社工場」。本社工場も高崎市内にあるのだが、僕はすっかり勘違いをしていた。ここが本社だと思っていた。違うのか。
https://www.gateaufesta-harada.com/tour
しかし驚いたな、本社工場があって高崎工場、と2つの工場を持っているガトーフェスタ・ハラダ。そして2番目の工場であるこの高崎工場がこんなデカさなんだから。デカい、デカすぎる。一体何を作っているんだ。
何を作っているんだ、といってもみんなおなじみのラスク「グーテ・デ・ロワ」をはじめとする各種お菓子に決まってる。でも、デパートなどのお菓子売り場で売られているこのメーカーが、こんな超巨大な工場を持っていることに驚いた。グリコや森永といった全国のスーパーで売っているお菓子じゃないんだぞ。もっと高級な場所で売っているお菓子だぞ。それでこの規模の工場とは。
現地を訪れてみるものだな。歩いてここまでやってきた甲斐があった。もし車で訪れていたら、「ふーん、デカいね。」という感想だけで終わりだろう。歩いて歩いて、ようやくたどり着いたからこその感慨がある。

11:05
とはいえ、目当てにしていた工場見学が出来なかったのは痛恨の極みだ。これが車だったら、気を取り直して本社工場に向かうことができるのだが、今回は敢えて車を使っていない。さあ、どうやってこの後体制を立て直そうか。
とりあえず、工場の敷地内にあった神社に、「ラスクが食べられますように」とお祈りをしておく。

11:08
線路をまたぐ建物があった。JRの建物なのは場所柄間違いないだろうが、なんであんな建物があるのか、謎。
高崎市の都市計画を見てみると、この界隈は再開発の予定があるようだ。
https://www.city.takasaki.gunma.jp/uploaded/attachment/13258.pdf
なんとJR新駅の建設、そして僕が「あれっ」と思った倉賀野駅のバリアフリー化や駅前整備といったことを計画していた。道理でこのあたり、空き地があるわけだ。

11:17
そんな再開発予定エリアを通り抜け、高崎市街を目指す。
行き先は、高崎のB級グルメとして知られるスパゲティの名店、「シャンゴ」だ。
高崎はパスタの街として有名で、毎年「キングオブパスタ」というパスタ店同士が競うイベントが開催されるくらいの人気ぶりだ。その中でももっとも有名であろうお店が「シャンゴ」なので、一度訪れてみたかった。
訪れてみたい、という気持ちは僕の足を使わせる。普通なら歩こうと思わない距離を、テクテクと歩く。
でも、街歩きをしているといろいろな発見があって楽しい。
当たり前だが、東京と違って土地に余裕がある。そのため、平屋の家が並んでいたりする。こういう光景がそもそも新鮮だ。そしてその平屋の家が長屋風に連なっている前は砂利の地面になっていて、車を好きに駐められるスペースがある。これも地味に驚きだ。

「クッソ高い土地なんだから、極力建ぺい率・容積率を最大化しなくちゃ」という発想にまみれているのが東京だ。だから、自然と建物は積み木のような四角い形のものが増える。無駄がなく床面積を最大化できるからだ。
一方高崎の建物は遊びの要素が多く含まれていて、見ていて楽しい。
建物の角が円形のガラス張り空間になっているビルを見つけた。ガラス張り部分は3階まで吹き抜けになっている贅沢な空間。残念ながら「テナント募集」と書いてあるので、この建物を建てた主はここでの事業を諦めたらしい。
「スローライフトミーズ」という看板が残っている。調べてみたら、カフェと雑貨のお店だったらしい。

11:22
そんなビルのすぐ隣、国道17号倉賀野バイパスからちょっと奥まったところにあるのが「シャンゴ 倉賀野バイパス店」。
倉賀野駅からハラダの高崎工場を経由して、徒歩40分程度。

洋館の出で立ち、シャンゴ。

店内はテーブルクロスが敷いてあるような、ちょっとおしゃれなお店。ファミレスのような気軽さと、格式あるお店のハイブリッドといった感じ。
隣の席では、ぱりっとした服を着た家族が「久しぶりの会食」といった雰囲気で食事を取っていた。
さて、早めのお昼ごはんにしよう。工場見学が流れた分、ご飯の時間が早くなった。でも、おかげで客席は空いていた。
僕が食べている間に続々と客がやってきて、食べ終わる頃には満席になっていたから人気のほどがうかがえる。
(つづく)
コメント
コメント一覧 (2件)
応仁の乱の西軍の総大将山名宗全につながる山名氏は、この地方の豪族が発祥だそうです。
歴史を感じる地名ですね。
ゆうどんさん>
おおーーー山名宗全!久しぶりに聞いた名前だ!赤入道!
僕は高校時代、社会の選択は日本史だったんですが、
・明治大正あたりで時間切れになって、戦後まで習わなかった
・明治時代に入ってから文化・芸術・政治・経済・世界情勢が入り乱れ、わけがわからなくなった
・南北朝・応仁の乱あたりのゴタゴタをちゃんと記憶できなかった
ということで今や殆ど覚えていないです。みなさんはどうなんですかね?覚えてます?日本史。
一応学生時代に日本史の成績は良かったので、当時は記憶力のみでなんとかなっていたんでしょう。でも、すぐに忘れてしまったのは残念。