
高崎の街歩き中。
案外アパートを観察すると面白い、ということに気が付き、あれこれ見ているところ。
このアパートは一見普通の作りなのだけど、1階がちょっとおもしろい。
目隠しが目的なのか、細くメッシュ状の板が廊下に沿って貼ってある。二階にも同様のメッシュ板は貼ってあるのだが、これは転落防止が主な目的だ。
1階の場合、転落はないだろうということで板を省略したのだろう。そのかわり、ちょうど人の顔が隠れるあたりに板を貼っている。これなら愛人を連れ込んでも週刊誌のスクープを防げる・・・のか?

高崎駅方面が何やら賑やかな雰囲気になってきた。だんだん駅に近づいてきたことがわかる。
それでも、相変わらず空が広くて気持ち良い。
ああ、僕の日常生活に足りていなかったのは空なのかもしれない、と思う。
僕が住んでいるエリアは低層住宅地ではなく準工業地域だ。そのせいで、だいたい高さ45メートルギリギリに建て、14階建てか15階建てのマンションだらけになっている。お陰で空がとても狭い。

駅に近づくにつれ、ちらほらと階高のあるアパートが見えるようになってきた。
このアパートかマンションなのかは、5階建て。三角形の屋根が連なっているのがかわいい。

なにやら巨大な建物が見えてびっくりする。
しかも、そこに車がどんどん吸い込まれていく。巨大建物に通じる道の脇には、「2列でお進みください」という看板まででている。なんだなんだ、何事だ。
建物には、「Gメッセ群馬」と書いてあった。幕張メッセのような展示場だ。なんでこんなデカいのが市街地にあるんや!?と思ったら、もともと地方競馬の高崎競馬場があった場所に建てられたものだった。高崎競馬が廃業したとは聞いていたが、いつの間にか展示場になってたのか。
で、どんどんやってくる車は何事かと思ったら、群馬県はここを新型コロナウイルスのワクチン接種会場として大規模に運用しており、ワクチンを打つ人が大勢集まっているのだった。
ファイザーのワクチンが認可されたのが2021年2月で、接種開始になったのがそれからしばらく経ってからのことだ。「ワクチンの供給が遅い!」などとさんざん政府や自治体が叩かれたくらい、人々はこのワクチンを待望したものだ。しかしそれはまだ牧歌的な時代で、しばらくすると「反ワクチン」を訴える人たちの主張が世間で目立ちはじめ、世の中はギスギスした時代になっていった。

13:18
これもまた謎の建物。変な屋根の形のデカい建物。
地図で確認すると、高崎芸術劇場だった。

高崎芸術劇場から先、高崎駅までは歩道橋がずっと伸びている。片側三車線の広い道の中央分離帯に高架が作られ、そこが歩道となっていた。
せっかくなので歩道に上がってみる。

歩道があるくらいだから、もう高崎駅まですぐ目と鼻の先だろう、と思ったら大間違い。
ずいぶんと長い、ひたすら真っすぐ歩くことになる歩道だった。
一応ひさしがあるので雨に濡れずに歩けるのだが、ひさしは狭いので風雨の日は雨除けとして機能するかどうか疑問だ。
なんでこんな歩道を作ったんだ?と不思議。もちろん、駅から芸術劇場にアクセスしやすいように、ということなんだろうが、車道脇の歩道を普通に歩いてもさほど苦労しない真っ直ぐな道なのになぜ?と思う。
新交通システムを作りかけて、建設を諦めた高架橋を利活用したのかな?と疑ってしまうレベルで、長い。

歩道橋から見下ろすと、高速バスのりばがあった。
大阪京都名古屋羽田新宿池袋など各方面に行ける。
駅前ロータリーをバス乗り場にするのではなく、ちょっと駅から離れたところがバス乗り場だった。

バスターミナルのとなりにはビックカメラ高崎東口店。
高崎はビックカメラ創業の地で、現在は高崎に唯一あるビックカメラがこのお店になる。
創業の地なのだからさぞや大きなお店なのだろうと思っていたが、案外小さくてびっくりした。というか、こんな小規模なビックカメラを見たのは初めてだ。てっきり、駅前などにドカーンとでかいお店を構えているのだと思った。
ちょっと風変わりな外壁の色をしている。創業当時は蛍光オレンジ色の塗装を施し、目がチカチカすると市民からクレームが入って色を塗り替えた、という逸話があるお店。さすがに今はチカチカしないが、家電量販店の建物にしては珍しいカラーリングなのは相変わらずだ。

今日の夜に宿泊するホテルが見えてきた。
そしてさすが駅前、タワーマンションが建っている。
駅前一等地が商業施設ではなくタワマン、というのが高崎のポジションを表している。東京に新幹線通勤したい人がこのタワマンに住むのだろう。高崎で働き高崎で暮らす、という人は車生活が前提だろうから、駅前立地に高いお金を払って住む必要はさほどない。
僕も、もし高崎に移住するのが現実的だったら、高崎駅から徒歩数分以内の物件を探していただろう。で、「なんだ案外安くないじゃないか」とがっかりして、不動産探しは袋小路に陥る、という展開になっていたと思う。当たり前だ、新幹線駅の駅前は、たとえ地方都市であってもそれなりの不動産価格になる。
(つづく)
コメント
コメント一覧 (2件)
応仁の乱の西軍の総大将山名宗全につながる山名氏は、この地方の豪族が発祥だそうです。
歴史を感じる地名ですね。
ゆうどんさん>
おおーーー山名宗全!久しぶりに聞いた名前だ!赤入道!
僕は高校時代、社会の選択は日本史だったんですが、
・明治大正あたりで時間切れになって、戦後まで習わなかった
・明治時代に入ってから文化・芸術・政治・経済・世界情勢が入り乱れ、わけがわからなくなった
・南北朝・応仁の乱あたりのゴタゴタをちゃんと記憶できなかった
ということで今や殆ど覚えていないです。みなさんはどうなんですかね?覚えてます?日本史。
一応学生時代に日本史の成績は良かったので、当時は記憶力のみでなんとかなっていたんでしょう。でも、すぐに忘れてしまったのは残念。