
13:28
高崎駅前に到着。
駅ビルそのものは高さがないものの、駅ビルに併設されているビルがガラス張りで立派だ。
何のテナントが入っているのかと思ったら、ヤマダ電機だった。
ビックカメラと比べて大きさが桁違いだ。さすが家電量販業界1位。とはいっても、ヤマダはもともとロードサイド店舗を得意とするお店で、レールサイド店はビックやヨドバシが強いとされている。よくぞこんな好立地を確保できたものだ、と感心する。
そこで思い出した。ああそうだ、ヤマダデンキも創業の地は群馬県だったぞ、と。ただしヤマダは高崎市の隣である前橋市からスタートしたのだけど。
ビックカメラが本社を東京の高田馬場に移したのに対し、ヤマダは高崎を本社としている。そしてその本社こそが、この高崎駅前のお店なのだった。
日々、家電メーカーの営業担当者がここを訪れ、ヤマダのバイヤーに価格交渉で激詰めされているのだろうか?
はるか昔、僕は某家電量販店のバイヤーと仕事でやりとりしていた時期があるが、バイヤーのいるオフィスに向かう道すがら、仲間と「インフルエンザとかにかかって一週間くらい会社を休みたいなぁ」「骨折すれば一ヶ月くらい休めるだろうか?」と不穏な相談をしていたものだ。
それくらい、流通業、とくに家電量販店のバイヤーを相手に仕事をするのはキツい。バイヤーの機嫌を損ねてしまうと自分どころか会社ごと出入り禁止にされるし、「隣の商談ブースでメーカーの営業担当者が土下座をしていたのを見た」なんて話はよく聞く話だった。

ヤマダ電機本社の向かい側、陸橋が繋がっている先にはタワマンがある。駅前の超一等地だ。
その低層階に、「高崎市タワー美術館」という美術館があるようだ。看板がでている。
市営なのか、それとも「高崎市にある、タワーマンションの美術館」ということなのか、どっちだろう?高崎市美術館という施設そのものは、駅の反対側にあるからだ。
調べてみたら、こちらもまた市営の美術館だった。「タワー美術館」という名前の付け方が直球ですごい。
とはいえ、「高崎駅東口美術館」などというネーミングにしたら、なんだかチェーン展開しているお店みたいだ。あれこれ考えたけれど、シンプルな名前にしたのだろう。
調べるついでに、このタワマン「高崎タワー21」の不動産価格も調査してみた。
ただ、東京ほど不動産の流動性が高くないようで、あまり情報がでてこない。せいぜい、賃貸が1軒でてきた程度だった。55平米で月16万。敷1礼2。さすが新幹線駅の目の前だけあって、築25年を迎えていてもかなり高い。賃貸で住んで東京に通おう、というのはちょっと無理そうだ。これだけのお金を毎月払うんだったら、もう少し別の場所で家を買うという選択肢がでてくる。

高崎駅前には、「絶やすな!絶品高崎グルメ 絶メシリスト」という看板がバーンと掲げられていた。

絶メシのリーフレットを見ると、市内様々な「老舗のお店」が紹介されていた。ご主人がご高齢だったりして、いつ廃業するかもわからないというお店をクローズアップして紹介していいる。珍しい取り組みだ。
テレビの全国放送などでも取り上げられることがある企画で、PR効果はかなり高い。
「絶滅寸前のお店」と自虐的な表現をむしろポジティブなパワーワードとして活用するのは、今風のマーケティングだしとても気持ちがいい。ネガティブにばっかり考えていても時代は先に進んでいかないんだし、この「絶メシ」の看板に書いてあるように「食えなくなっても知らねえよ~!」という開き直りと諦めのキャッチコピーがいい。
ただ、「知らねえよ~!」と若干ふざけた感じを出したのは、妥協の産物だろう。ここで「知らねえぞ!」と消費者を突き放した言葉を使ったほうが爽快感が増すんだけど、それだとちょっと良くない、という意見が企画会議の段階で出たんだろうな、と推測する。
これら絶メシのお店は、載っているからどれもスゲーうまい料理が出る、というわけではない。さすがに美味しくなくてボロくて潰れる寸前のお店、というのはセレクトされていないだおるが、美味しさを保証するリストではない。でもむしろ、今なら「当たりハズレがあるリスト」のほうが宝探し感があって旅人は面白がると思う。
ちなみに僕はこの「絶メシ」は全く利用しなかった。今回は療養旅を予定しているので、こういう企画に心をときめかさないことにしていたからだ。普段の僕なら、「一筆書きで何店舗か巡ってみよう」といろいろ画策を始めていただろう。地図を見ながら、営業時間を確認しつつ、胃袋のキャパも勘案し・・・とやっていたら疲れてしまう。
今日はやらない。でも素敵な企画だ。
なお、この「絶メシ」だが、2024年時点でその名の通り絶滅してしまったお店が何店舗もある。単なる脅しではなく、本当に店が閉店してしまうガチ企画だった。

高崎駅。かなり広くてびっくりする。えっ、こんなに?というレベルで駅の東から西に抜けるまで距離がある。

そして、お土産や惣菜、その他いろいろお店がいっぱいある。
高崎に一泊するなら、食事に困ることはない。外食をしなくても、駅ビルで欲しいものがあらかた揃う。しかも、目移りするレベルで。

高崎駅の西口にやってきた。
こちらは市役所をはじめ、いろいろな施設がある。東口と西口を比較すると、西口のほうが繁華街だ。
それにしてもこの駅前の通り、まっすぐ行って突き当りにそびえる建物はなんだ?というと高崎市役所だった。
群馬県人って、役人がデカい建物を立てるのが好きなのかね?前橋にある群馬県庁ビルは県で一番の高層ビルで、周囲と不釣り合いなそびえ立ち具合で目を惹く。そして高崎市役所も負けてられるか、とデカい。
高さ102メートル、地上21階だという。
市役所業務って、こんなにデカいビルが必要でしたっけ?と不思議だが、航空写真を見てみるとかなり奥行きが狭いビルだった。高さを稼いで、最上階を展望台にするという目的もあったのだろう。

高崎駅西口には、複合商業施設や高島屋などいろいろなビルが立ち並んでいる様子だった。
こういうのを見て回るのも面白いのだが、今回は時間がないのでパスした。
どういうテナントが入っているのか、お客さんの雰囲気はどんな感じなのか、いろいろ観察するとその土地の匂いが感じられて案外おもしろいものだ。
複合商業施設なんて、全国どこでも同じようなテナントばっかりだ・・・と思うが、だからこそ「おや?これはなんだ?」というお店が入っていたりすると、新鮮な驚きがある。

時間を気にしていたのは、このあとまたJRに乗ろうとしていたからだ。
えっ、高崎にじっくり腰を据えて一泊二日を過ごすのでは?
いや、急遽予定変更だ。午前中空振りに終わった、「ガトーフェスタ・ハラダ」の工場見学に再度チャレンジすることに決めた。ハラダの本社はJR高崎線に乗って東京方面に3駅、「新町」駅で降りて歩いていった先にある。場所としては埼玉県との県境ギリギリだ。
徒歩でこの工場を訪れる人なんてあんまりいないと思うが、今回はレンタカーやカーシェアを使わないルールを自分に課している以上、ひたすら歩くことにした。

14:05
ということで、新町駅に到着。
せっかく高崎に着いて、「さあガッツリ高崎を満喫するぞ」と思っていたのに、「熱海行き」の電車に乗ることになるとは。
でもここからはまた仕切り直しだ。

駅のホーム脇には、「危険物貯蔵所」という看板が掲げられたレンガ造りの建物があった。
昔、ENEOSの石油が川崎市の浮島から貨物列車でここまで運搬されていたらしい。その名残かと思ったが、だとしたらこれはいくらなんでも小さすぎる。
調べてみると、夜間保線用のカンテラやその燃料などが保管されていた場所らしい。
(つづく)
コメント
コメント一覧 (2件)
応仁の乱の西軍の総大将山名宗全につながる山名氏は、この地方の豪族が発祥だそうです。
歴史を感じる地名ですね。
ゆうどんさん>
おおーーー山名宗全!久しぶりに聞いた名前だ!赤入道!
僕は高校時代、社会の選択は日本史だったんですが、
・明治大正あたりで時間切れになって、戦後まで習わなかった
・明治時代に入ってから文化・芸術・政治・経済・世界情勢が入り乱れ、わけがわからなくなった
・南北朝・応仁の乱あたりのゴタゴタをちゃんと記憶できなかった
ということで今や殆ど覚えていないです。みなさんはどうなんですかね?覚えてます?日本史。
一応学生時代に日本史の成績は良かったので、当時は記憶力のみでなんとかなっていたんでしょう。でも、すぐに忘れてしまったのは残念。