
山名八幡宮の駐車場を案内する看板。
地図が変、というか、この山名八幡宮が特殊な場所にあることを端的にあらわしている。
地図に描かれている、点線は鉄道の上信電鉄の線路だ。地図左側に、神社最寄り駅である山名駅の表示が見える。
現在地からその山名駅に向かっていく道沿いに駐車場があることがわかる。それはいい。肝心の山名八幡宮は現在地からまっすぐの細い道で、上信電鉄の線路を横切るようになっている。これがこの神社の珍しいポイントだ。
あと、今風だなーと思うのは、境内に「meco cafe」というカフェ、「PICCO LINO」という天然酵母パンのお店があるということだ。昔ながらの土産物屋ではなく、店名からして今風なお店。しかも「カフェ」だし「パン」だし、すっかり洋風だ。そもそも店名が日本語じゃない。
確かに、「和風」にこだわって、甘味処じゃなくちゃ駄目だ、とかパンじゃなくて焼き団子を売れ、というのは時代にそぐわない。「えっ、洋風でいいのか!」という若干の驚きは覚えつつも、これぞ神道の懐の深さだ、と感心する。

でも、やっぱりなんといってもこの神社がダントツにすごいのは、これ。
随神門が上信電鉄の線路(単線)の向こうに見える。あそこまで、線路の下を潜っていく。
この地下道が車も通れるくらい広いなら、「まあそんな神社があってもおかしくないよね」と思える。しかし、見ての通り、人または自転車が通るのがやっと、という通路で、これが参道でござい、と言われたらギョッとする。マジか?と。
ご丁寧に、地下道の最深部にはスノコが敷いてある。大雨が降ったら、水が溜まってしまって歩きづらくなるからだろう。

線路をくぐり抜けて、神社を目指す。ほら、随神門の向こうに鳥居が見える。

パン屋さんは営業をしていなかった。残念。15時閉店らしい。

石段を登った先が、山名八幡宮。

mico cafeがある建物は新しくてきれい。
こちらのお店も営業をしていなかった。先程のパン屋同様、15時閉店だった。
確かに、神社って朝が早くて夕方も早いイメージだ。僕のように夕暮れ時に参拝する人はあまりいないのだろう。実際、平日ということもあって、参拝客は僕以外ほとんどいなかった。

mico cafeがある建物の中。いろいろ神社の由来などが書いてある。
山名八幡宮は安産・子育て・虫切りのご利益があるとされているんだそうで。「虫切り」ってなんだ?と思ったら、疳の虫とか、まあ要するに体調不良の原因となるものを退治することだった。
じゃあちょうど生後半年の我が息子も、RSウイルスから立ち直ったばかりだ。ちょうど良いタイミングなので、この地で息子の虫切り祈願をしておこう。

16:22
お参りを済ませ、山名駅に向かう。
今日はよく歩いているとはいえ、さすがにここから高崎駅前まで歩くわけにはいかない。1時間半以上かかってしまう。
それでも俺は歩く、とひたすら歩き続けるのも悪くはないんだが、それよりもこれまで乗ったことがない上信電鉄に乗ってみたい。

山名駅の駅舎から見た、ホーム。島式1面2線。
ホームへは、駅構内にある踏切を渡っていくことになる。
この構図で見ると、高崎方面行きが手前、下仁田方面行きが奥のホームを使うようになっているので、ちょっと困惑する。多くの鉄道は左側通行だと思うが、この駅に関しては右側通行だ。

山名から高崎行きのチケット。
硬券!しかも改札鋏で「改札済みですよー」という切込みが入ってる!こんなチケットを手にするなんて、もう自分の人生ではないのだろうと思っていたので、思いがけない出会いだった。
昔の駅員さんは、改札で切符を回収する際に改札鋏の独特なこん形(切り込みの形のこと)で入場駅を瞬時に判別できていたのだから、すごいスキルだ。「あっ、料金不足ですよ」なんてすぐに客を呼び止めることができた。
今は自動改札とかスタンプとか、いろいろ代替技術があるので多種多様なこん形を丸暗記する必要はなくなった。「失われた技能だ」と昔の人の凄さを惜しむというより、昔は大変だったんだな、という感想しか抱かない。
(つづく)
コメント
コメント一覧 (2件)
応仁の乱の西軍の総大将山名宗全につながる山名氏は、この地方の豪族が発祥だそうです。
歴史を感じる地名ですね。
ゆうどんさん>
おおーーー山名宗全!久しぶりに聞いた名前だ!赤入道!
僕は高校時代、社会の選択は日本史だったんですが、
・明治大正あたりで時間切れになって、戦後まで習わなかった
・明治時代に入ってから文化・芸術・政治・経済・世界情勢が入り乱れ、わけがわからなくなった
・南北朝・応仁の乱あたりのゴタゴタをちゃんと記憶できなかった
ということで今や殆ど覚えていないです。みなさんはどうなんですかね?覚えてます?日本史。
一応学生時代に日本史の成績は良かったので、当時は記憶力のみでなんとかなっていたんでしょう。でも、すぐに忘れてしまったのは残念。