離島で癒やされる筈が疲れた22時間【東海汽船ミステリーきっぷ】

さるびあ丸1等客室の寝具。

折りたたまれたマットレスを引き出すと写真のようになる。マットレスの上に、同色の薄い生地がシーツ代わりに敷いてある。

まくらは白いシーツが被せてある。

まくらもマットレスも特注品なのか、一人分の横幅ちょうどきっちりに作られている。

掛け布団はなく、毛布。

マットレス。ヘロヘロの材質みたいに思えるが、僕が寝たくらいでは床つきがないくらいの反発力があった。

見よ、これが1等客室の財力だ!

2等客室の場合、この布団がないので床にごろ寝することになる。もちろんそれでも十分に眠れるとは思うが、我が家には2歳児がいる。寝られない、と夜中に泣きわめいたら同室の皆様に迷惑なので、お子様には快適に寝てもらわないといけない。そのためのマットレスだ。

まくらは壁際にぴったりはまっている。このため、僕のように枕にしがみついてうつぶせ寝をするような人にとっては、若干使いづらい。これは仰向け寝の人向けの枕だ。

部屋は完全に寝るための場所だ。マットレスを敷いたら、あとは通路スペースしか空きがない。そのため、大きな荷物がある人は廊下の棚に置くことになる。

島でキャンプをする人、釣りをする人は荷物が増えるので、こういうスペースが必要になる。

22時、さるびあ丸は竹芝桟橋を出港。夜の東京を見送る。

東京タワーが見えるのだが、それにしても景観が悪くなったなぁ・・・高さ330メートルの麻布台ヒルズ森JPタワーが完成し、東京タワーの背景に屏風のようにそそり立ってしまった。

森ビルは数十年という年月をかけて土地の買収を粘り強く続け、麻布台ヒルズを作る際は緑地を多く作るなど丁寧な営みをしてきたと思う。しかし、メガロポリス東京の景観を著しく損ねてしまっていて、僕は残念だ。

弊息子タケにとっては、いつもなら寝ている時間だ。親としてもいつまで彼を起こしておくか、悩ましいところだ。

僕としては、23時40分に着岸する横浜大さん橋までは起きていて欲しい。一緒に東京~横浜の夜景を楽しもうじゃないか。でも、翌朝は6時に伊豆大島に到着してしまうので、寝る時間が圧倒的に足りない。早く寝ないと。

船の外をぼんやりと眺めているタケ。僕は彼にもっと「すごい!面白い!」と楽しんで欲しい。なので、僕は彼に「ほら、東京から離れていくよ。これから島流しだよ。もう戻って来られないかもしれないよ」と声をかけた。すると、隣にいた女性がぼそっと一言、「何を失礼な」と吐き捨てられ、あっ、と慌てた。

そうだ、この船には島民を始めとして島の関係者がいっぱい乗っているんだった。「島流し」などといって茶化すのは失礼だった。ごめんなさい。

レインボーブリッジをくぐっていく。この頃は船は加速し続けているので、「さあ、近づいてきたぞ!」と思ったらあっという間に下を通過してしまう。

びゅーん。

大井ふ頭のガントリークレーンが動いている様子を見ようと思ったのだけど、今日は土曜日だからなのか、夜だからなのか、稼働していなかった。なのでここでデッキでの夜景見物は終了した。

さすがに1月下旬。外に長居をするのは寒い。ほどほどで切り上げないと。

寝る前に、レストランによってみる。デッキがある6階にあるからだ。

レストランの営業は随分変則的で、小刻みに営業開始と終了を繰り返す。

22:00~00:00、07:30~08:30、12:00~15:00、18:00~19:30

レストラン前には、大行列ができていた。遅い夕食なのか、夜食なのかを食べようとする人たちが集まっているからだ。

この人たちは本当に飢えているというよりは、おそらく「せっかくさるびあ丸に乗ったんだから、その記念にレストランでご飯を食べよう」と思っているのだろう。

我々はタケを寝かしつけないといけないので、偵察だけして帰る。

自動食券機があったので、その写真は撮影。

トマト&アボカドのパスタ スープ付き 1,300円
島海苔塩ラーメン 1,200円
ジャンボエビフライカレー 1,500円
旨辛チキン丼 1,200円
豚の角煮丼 1,500円

など。当たり前だけど、船のレストランなので値段はそれなりに高い。

あと、お酒のメニューもそれなりにあるのだが、これだけ営業時間が短くて席数がそれほど多くない場合、お客さんがお酒を飲み始めたら全然空席ができないのではないか?と心配になる。

レストランに並ぶ際は、店内のお客さんをざっと見て「お酒を飲んでいる人がどれだけいるか」次第で本当に並ぶのかどうかを決めると良いと思った。

(つづく)

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コメント

コメント一覧 (4件)

  • 利島(以遠)タッチを目論んでたら大島ターンになっちゃったと。
    飛行機でのステータス修行風に言うとこんなとこですね。
    おととし全日空のプラチナ目指してた時は小松ー羽田ー那覇ターンとかやってたので
    交通機関は違いますが何となく懐かしく読んでます。
    那覇だとわりと何でもあるので、乗り継げる最終便まで4時間空いても何とかなるんですが
    大島8時間はちょっとキツそうですね。タケ君の興味と集中力が8時間続くよう、お祈りしときます(笑

    能登の地震当日は飛行機で八丈島タッチやってました。
    機窓からの景色は最高でしたが、足止めは余計でした…

  • ティータさん>
    元旦から修行ですか?お疲れ様です。正月の離島路線の値段はいかがでしたか?帰省が一段落して安いのか、それとも年末年始は高止まりなのか。

    気がついたら、いつのまにかANAの三宅島路線がなくなっていたんですね。知らなかったです。
    ということは、三宅島に飛行機で行くには、調布飛行場からしかないのか。

  • >おかでんさん
    いや、ステータス修行はさすがに卒業しました…羽田那覇一日2往復とかやれる体力もないですし懐が…(笑
    プラチナメッキも3月末で禿げます。
    コロナ明けで需要喚起しててPP大盤振る舞いしてた頃に旅行してたら「…あれ?あと新千歳那覇乗っちゃえばプラチナ(5万PP)行けるんじゃね?」って感じだったのでノリっで取っちゃっただけなので。
    面白かったですけどね。

    島路線の値段はちょっと覚えてませんが、だいたい羽田小松線と同じくらいか福沢さん一枚二枚くらい安かったかなぁ。

    八丈島線、国鉄の急行みたいな雰囲気で良かったです。
    行きの搭乗口も島流し(67番→48番乗継)食らって、whillも無いルートなので車椅子のお世話になりました。

    三宅島、噴火とか色々ありましたもんね。もし今も残ってればDHC-8-Q400(通称ボンちゃん)が飛んでて
    そろそろATR42に世代交代ってなってるんでしょうか。乗ってみたかったなぁ…

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