アワレみ隊奥のマゾ道

荒野を走る

陸奥湾から下北半島の背骨を抜け、太平洋を目指す。

あれこれ議論して検討した結果、これからのルートは「21.みさわ」>「25.おがわら湖」>「1.しちのへ」>「8.奥入瀬」>「22.とわだ」>「6.しんごう」>「9.さんのへ」>「13.なんごう」>「2.はしかみ」で青森県クリア。あと9つ。ただ、もう日が傾いてきている現状から考えると、このあと今日中に9つ進めるとは思えない。適当なところで打ち切り、ということになりそうだ。

車は六ヶ所村に差し掛かった。核再処理工場や高レベル放射性廃棄物貯蔵センターがあることで有名なところだ。

広大な石油備蓄基地の横を通り過ぎて、車は平野に降りてきた。

荒野

荒野。

平野部が少ない日本では、平地があれば必ず住居地や耕作地として活用してきた。にもかかわらず、この眼前に広がる一面の荒野。見渡す限り、何もない。

日本にもこういうところがあるのか、という事で驚かされる。

風が強いからか、気温が低いからか、草木も大きなものが生い茂っていない。まさに、荒野だ。

こういう場所だからこそ、核処理施設ができるのだなと気づく。

六ヶ所村のアパート

荒野の中にぽつんと、簡素な作りのアパートが何棟か建てられていた。恐らく各施設で働く人たちのための住まいなのだろう。それにしても、周囲に娯楽が何もない。スーパーも、コンビニもない。ここに住んでいたら、人生観が変わりそうだ。・・・離島や海外ではなく、本州であるというのに。

ちなみに、この建物からそう遠くないところにエッチなビデオや本を売る自動販売機が道路脇にあった。

この手の商売は、どこにでもついて回るものなのだなあとあらためて感心。

荒野を進む

ひたすら誰も手をつけていないであろう荒野を進む。アフリカのサバンナみたいだ。でも、猛獣は一匹もいない。

[05/05 PM18:07 No.057 道の駅 みさわ(斗南藩記念観光村) 累積走行距離2088.5km]

「あれ?」

既にシャッターが下りている

到着してみると、すでにシャッターが閉まっていて営業を終了していた。そうか、時計を見ると既に18時を過ぎている。もう、道の駅が閉まり始める時間か・・・今日もまた、合宿モードに突入だ。時間と体力が許す限り、そして夕食が食べられるお店がまだ開いている限り前進しなければならない。

ここからは、写真が暗くてロクにとれないし施設内見学もできないので、巡礼ペースが一気にあがる。

それにしても斗南(となみ)藩って何だ、聞いたこと無いぞと思った。調べてみたら、たった2年間だけ存在した藩らしい。なんとも壮絶だ。

スタンプの扱いも夜間モード

施設が閉まっているので、当然スタンプの扱いも夜間モードだ。

ただ、ここはありがたいことに建物の真っ正面、シャッター前の支柱にでっかく「スタンプラリー」というオリジナル看板を出してくれていた。有り難くスタンプ用紙をゲット。

そうか、この道の駅は下北半島の付け根にあるのだな。ようやく半島めぐりも終了というわけか。

おがわら湖の先に日が沈む

次の道の駅、「おがわら」は大きな小川原湖を回り込んだ先にある。われわれは半周近く小川原湖を回らないといけない。しかも、その先には三沢空港があり、そいつもあわせて大回りだ。

おがわら湖の先に日が沈む。

[05/05 PM18:33 No.058 道の駅 おがわら湖(湖遊館) 累積走行距離2108.6km]

おがわら湖看板

道の駅おがわら湖は、何だか郊外型スーパーのような作りだった。大きな駐車場には、車が結構な数駐車されていた。

OTTOTTO

まだ営業中だ。やっぱり、営業している道の駅でスタンプをもらうとちょとほっとする。

建物2階の窓が、なぜか「OTTOTTO(おっとっと)」となっている。駄菓子メーカーの新手の広告宣伝だろうか?

農産物が大量に売られていた

中は、非常にきれいで農産物が大量に売られていた。

・・・きれいなわけだ、この道の駅って5月1日にオープンしたばっかりだった。道理できれいなわけだ。

農産物、そして小川原湖特産のしじみ。非常に魅力的だったが、こんなところで生ものを買っても処分に困る。「あー、ええなあ。最終日だったらあれこれ買ってもいいんだけどなあ」と指をくわえつつ、断念。

スタンプ押して、さようなら

結局どんなに魅力的な商品が陳列され、売られていようとも僕たちゃやることは常に一緒。スタンプ押して、さようなら。

[05/05 PM18:59 No.059 道の駅 しちのへ(七戸町文化村) 累積走行距離2123.6km]

夜のとばりが降りようとしている。

道の駅 しちのへ

日常生活だと、日没時間なんて大して気にしないものだが、こういう生活をやっていると日没が非常に気になる。いや、正確に言うと日没はどうでもよくて、空が真っ暗になる時間が気になる。

人気が去り、静かになった駐車場を早足で歩き、スタンプを探す。その俊敏な動きはさすが手練れだが、盗人のようでもある。

夜になると便利なのは、建物のすぐ横に車を横付けにできることだ。昼間だとさすがにこうはいかない。

記念撮影

と、道の駅しちのへの話は何一つしないまま、記念撮影しておしまい。

記憶に残ってないんだから仕方がない。

それ、次。

[05/05 PM19:30 No.060 道の駅 奥入瀬(奥入瀬ろまんパーク) 累積走行距離2143.0km]

国道4号線から、十和田湖方面にぐぐぐっと内陸に入り込んだ先に道の駅奥入瀬があった。

道の駅 奥入瀬

昔、ここを訪れた事があったが(当然お昼)、そのときは奥入瀬渓流を観光したバスがものすごい台数、駐車場に停まっていた。そして、観光客も何か巨大マスゲームでもやるのかというくらい、敷地内に溢れていた。

なのに。

夜になると、がらーんとしている。大量の観光客とバスをさばいている場所とは思えない殺風景さだ。建物の写真を撮ったら、自動販売機の灯りが圧倒的インパクトを持って「どうだ!」と主張してくるくらい、物寂しい。

案内看板の前で

確かここではステーキハウスがあって、地ビールぐいっ、ステーキじゅぅ、という素敵な組み合わせが楽しめたはずだ。しかし、当然われわれはそんなものに構っていられない。ああ、今晩何食べようかね。

「今晩何食べたい?」

「いや・・・もう、開いているお店に入るだけだろ。選択の余地なんてあるのか?」

今晩の夕食は八戸市街を予定している。郊外型レストランなら何とか開いていそうだが、それ以外はあまり期待できない。車で移動しているということもあり、幹線道から外れて細道のお店を探すわけにもいかないし。

「そもそも八戸の名物って何だ。何か新鮮な魚介類だとかそういうの、聞いたことあるか?」

「ないねえ」

まあ、夕飯の話ができるようになったということは、今日の行程にある程度めどがついて来始めたという証拠だ。あともう少し頑張らなくては。

[05/05 PM19:54 No.061 道の駅 とわだ(とわだぴあ) 累積走行距離2158.6km]

道はジグザグに進む。また国道4号に復帰し、南下を続けると「道の駅とわだ」に到着した。

道の駅 とわだ

「おや?まだ営業しているっぽいぞ?」

時刻は既に20時近い。こんな時間まで道の駅が営業しているのか?

20時を過ぎても営業をしていた

半信半疑で中に入ってみたら、ちゃんと営業をやっていた。21時まで開いているというのだから立派だ。まあ、お客さんはほとんど居なかったが。

それにしても道の駅って凄いねえ。こんなにきれいで、こんなに広々とした館内に農産物や地元特産品がずらり。見て楽しい、買って楽しい場所だ。

シャッターが降りて漆黒の闇に埋もれている道の駅が続いていたので、こうして明るい電灯の下に立っていると非常に心がなごむ。ついつい笑顔になってしまう。

建物内のスタンプ台

そんな笑顔で、記念撮影。今回は、建物内のスタンプ台があったところで。

[05/05 PM20:36 No.062 道の駅 しんごう(間木ノ平グリーンパーク) 累積走行距離2188.4km]

新郷村は「キリストがゴルゴダの丘ではりつけにされて死んだ後、なぜかここで暮らしていた」という伝説が残る怪しい・・・といっては失礼だが、面白い村だ。「戸来(へらい)」という地名は「ヘブライ」からきているんだ、とか乳児をはじめて外に連れ出す時には額に十字を描いて魔よけにするのはキリスト教の影響だ、とかいろいろ面白い。

道の駅 しんごう

その割には、この新郷村でキリスト教信者が多かったとか、江戸時代に幕府から弾圧を受けたという話は聞いたことがないので、さしものイエス・キリストもこの地では布教活動をせず、のどかに余生を送ったという事なんだろう。

さらに、キリストの遺言状まで残っているというから強烈だ。もう、「東京ディズニーランドのミッキーマウスの中には人間が入ってるんだよ」といった「それは内緒のお約束でしょ!」という事を解った上で楽しむ大人の心境だ。「そりゃどう考えてもあり得ないよ」と否定しちゃつまらない。ミステリーロマンとして、受け入れて「ほぉー」と感心するくらいの気概じゃないと。

道の駅の脇には、ログハウスの教会があった。さすがにこの地に教会が一つもないとなると、収まりがつかないだろう。

でも、日本におけるキリスト教の聖地として巡礼客がくる、といった話も聞いたことがないので、やっぱりキリスト教界からは無視されてるっぽい。

と思って後ほどあれこれwebで調べ見たら、このキリスト伝説を明示した「竹内文書」という文献が全くのでたらめだったということが判明。結局、ある人がつくったニセ物のネタに、村が悪のりして便乗しているという状況だ。おかしな話だ、古くからの言い伝えに基づいているならば、諸説あるだろうから村が観光資源として使うのもいいとは思うが、一人の妄想が作った偽文書に、偽だとわかっていながら便乗しているこの現状。

記念撮影

しんごう、わざわざこのために国道4号線をぐいっと外れて十和田湖の近くまでやってきたわけだ。ジグザグに地図を這い回っているありさまで、なんだかすごく効率が悪い。でも、これしかルートがないから仕方がない。
でも、確実に今日のお夕食会場:八戸が近づいてきた。

[05/05 PM21:19 No.063 道の駅 さんのへ(さんのへ交流広場) 累積走行距離2215.7km]

道の駅さんのへ到着。「ひっそりと寝静まっていた」・・・というより、誰も居なかった。車中泊をしている車も無く、殺風景だ。

道の駅さんのへ

こういう場所は、スタンプの在処はすぐにわかるものだ。トイレの入り口近辺にあるのが普通だ。・・・と思ったが、見つからない。スタンプを探して二人がかりでウロウロしてしまった。

暗闇に丸テーブル

建物の入り口かお手洗いの入り口になければ、どこにあるんだ・・・と途方に暮れていたら、暗闇に丸テーブルが据え付けてあることに気がついた。何やらモノがのかっている。何だろう。

丸テーブルがスタンプ台

あ!

こんなところにスタンプがあった。うわあ、これは気づかないぞ。難易度★★★★

昼間でも探しにくいと思うのだが、夜になるとさらに難しい。

危うく、「スタンプが盗まれたか何かでここにはスタンプ無し。仕方がないので明日の営業時間中に再訪問」という選択になるところだった。

記念撮影

ほっと一安心して、記念撮影。施設内がまんべんなく暗いので、交通情報を提供しているキオスク端末前で記念撮影。これだけは24時間、かいがいしく動いていた。

[05/05 PM21:49 No.064 道の駅 なんごう(カッコーの森エコーランド) 累積走行距離2235.7km]

なんとかなるもんだなあ。

道の駅なんごう

感慨ひとしおだ。本日最後のスタンプ場所となる、道の駅なんごうに到着。この後は、八戸で遅い夕食をとり、青森県最後の道の駅である「2.はしかみ」に移動後駐車場泊、という段取りだ。

朝7時半に宿を出て、14時間ちょっと。なんとこの「なんごう」で本日18番目の道の駅ということになる。いつの間にこんなに進んでしまったのだろう。ちょっと心当たりがない。日没になってからのペースが非常に速かったので、気がついたらどんどん数を稼いでいたという状況だ。今日一日で、青森県をほぼぐるり一周してしまったかたちになるわけだが、まさかこんなに進めるとは思わなかった。

記念撮影して本日のスタンプラリーは終

18番目のスタンプを押印終了後、記念撮影して本日のスタンプラリーは終了。4日目終了時点で64カ所制覇、ということは1日換算で16カ所。このペースだと、7日間で112カ所回れる計算になる。ようやく、理論値上「6泊7日で106カ所を制覇することは可能」というところまでこぎ着けた。おお、戦いは中盤戦にていよいよ白熱してきたな。面白いぞ、これ。

われわれは意気揚々と八戸市街に車を転がしていった。

ラーメン屋

「うーん、ないねぇ」

八戸から本八戸のあたりを車でウロウロしながら店を探すが、なかなかぴんと来ない。そもそも、夜の10時過ぎで営業しているお店があまり無い状態だ。ファミレスはちょっとねぇ、なんて事を言いだしたら、八戸に限らず選択肢なんてあまり無い。

理想を言えば、「やっぱり地の物を食べさせてくれるお店がいいよな」ということになるわけだが、そんなお店が駐車場完備の郊外型店舗として国道沿いにあるということは稀だ。理想と現実に乖離がある。

結局、しばらく市街地をウロウロした結果、目に付いた中華料理屋のお世話になることにした。地のものもなにも関係ない。結局、お店に入ったのは23時近く。

ラーメンとチャーハン1
ラーメンとチャーハン2

夕食は二人ともラーメンとチャーハン。おかでんはこれに加えて瓶ビールを。「まあ、現実ってこんなもんだよ。やっぱり美味いモノ食べたければお昼がねらい目だな、道の駅の併設レストランで地物を食べるに限る」と語りあった。

このあと、24時頃に本日のおやど「はしかみ」に移動して、駐車場の片隅にテントを張って、就寝。4日目はこれにて終了。おやすみなさい。

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