アワレみ隊奥のマゾ道

[05/02 PM13:47 No.006 道の駅たかはた(まほろばステーション) 累積走行距離389.9km]

直前の道の駅到着から2時間50分経過。にもかかわらず、移動したのは30キロちょっとという大誤算。山形県警さんと愉快なディスカッションをしてしまったため、われわれの予定は大幅に狂ってしまった。もう14時に近いというのに、いまだ6カ所目の道の駅にしか到着できていない。お昼ごはんだって食べていない。1日15カ所平均で回らないと、ゴールできないというのに!

たかはた

時間が惜しかったので、有料道路の「米沢南陽道路」を使って時間短縮を図ったのだが、2時間というタイムロスのリカバリーにはほとんど役立たなかった。

ショックでうなだれるおかでん

警察とのやりとりで受けた精神的ダメージ9割、もう初日にして旅のクリアが難しくなってしまったことに対する絶望1割で、運転席に突っ伏してしまうおかでん。がっくりだ。今日中に山形市まで進む?いや、無理だって。今日はせいぜい、新潟県との県境にある道の駅あつみがラストで、その日の夜はあつみ温泉あたりで一泊がいいところだ。初日は9つの道の駅でストップ!残るは6日で、95カ所巡り。うーむ、厳しい。

たかはたの看板と共に

いつまでもショックを受け続けっぱなしなわけにはいかないので、よたよたとスタンプを押しにでかける。

先ほどまでは、車を降りるやいなや颯爽とスタンプを探し、さっと押してさっと退却だった。しかし、ここでは足取りも重い。

「大丈夫、裁判になっても罪が重くなるわけじゃないから」

としぶちょおから言われるが、やっぱり裁判というのは気持ちのいいものじゃない。未知からくる不安感と焦燥感で、どうも落ち着かなかった。

[05/02 PM14:28 No.007 道の駅いいで(めざみの里観光物産館) 累積走行距離413.3km]

「たかはた」から国道113号を東に向かえば、宮城県の「七ヶ宿」がそう遠くない距離にある。一度宮城県入りして、この「七ヶ宿」を制圧してから折り返してくるか、それとも予定通り山形県内に専念するか、車中で議論が行われた。宮城県は道の駅が9カ所と少なく、ほとんどが北部に集中している。唯一、七ヶ宿だけが南部に位置しているため、ここを制圧しておけば後日宮城編になった時に楽といえば楽だ。

道の駅いいで

すったもんだの末、結論としては「いいで」に向かう事になった。「七ヶ宿」は恐らく最終日・・・もし最後まで企画が続行できれば、の話だが・・・に向かうことになるだろう。今、あちこちに手を伸ばすのは得策ではない。近視眼と言われても、目先の道の駅を一つでも早く制圧していく事が重要だ。

南陽市を横切り、いいでに到着した時には既に14時半になろうとしていた。考えてみれば、われわれはまだお昼ご飯を食べていないんだった。そろそろ栄養補給をしないと。

長靴が売られている

道の駅いいでは、さすがはGW中ということだけあって人がいっぱいいた。広い敷地内には、屋台もたくさんでていて、いろいろな物が売られていた。

ここは・・・長靴と、背中に背負う籠が売られていた。うーん、ローカル色豊かだ。観光客はまず買わない商品だが、こういうのが売られているのを見るのはとても楽しい。

商品が陳列されている台に、なぜか北海道の「熊出没注意」の紙が貼られているのがさりげなく謎だ。

あゆ焼き屋台

人だかりができていた屋台では、あゆ焼きが売られていた。3本1,000円。悪くない値段だ。

先を急ぐ立場としては、こういう屋台でちゃっちゃと食べ物を買って、手早く食べて再スタートを切る方がいいに決まっている。ましてや、今日はとんでもないタイムロスをしてしまった状態だから、なおさらだ。

しかし。

いいで牛

こんなのを見てしまうと、ねえ。

そうか、いいで牛ですか。そういえば、すぐ近くの米沢にも米沢牛という名物があるじゃないですか。

警察とのあれこれで参ってしまっている今だからこそ、がっつりと肉を食らって、元気を出すというのは非常に適切な判断ではなかろうかしらん。

お昼は肉だ。肉を食うぞ。

カウベル亭田中

幸い、館内には「カウベル亭田中」という肉を食べさせてくれるお店が存在していた。暖簾に、どうだとばかりに「米沢牛」と書かれているのが我が意を得たり、だ。

田中さん

入り口脇には、こんな看板がでていた。

どうやら、牛を引いている人が「田中さん」というらしい。なるほど、だから「カウベル亭田中」という店名なのだな。

「可哀想に、これから食われるのか田中さん」

「いや、食べられる対象が違っていると思う。隣の黒い生き物の方が食べられるんじゃないかと」

「ああ、やっぱりそういうことか。田中さんが何人いても足りないもんな、こんな店を出しちゃ」

メニューを吟味

メニューを吟味する。

さすがに米沢牛、道の駅併設レストランにしては手に汗握る価格体系じゃあないかぁ、という塩梅。

「今売れてます!」という東急ハンズでよく売られているPOPが飾られたサーロインステーキ。180gで3,500円。さすがにお昼ご飯でこの値段には手が出ませぬ。

しかし、やけのやんぱち、2,500円のステーキ御膳を選んでやった。どうだザマーミロ。

米沢牛ビーフサラダ

こちらはしぶちょおが頼んだ米沢牛ビーフサラダ600円なり。

上カルビ丼

同じくしぶちょおオーダーの上カルビ丼1,200円。しぶちょおも、何気にお昼ご飯に1,800円もつぎ込んでいた。彼は結構堅実な支出家なのだが、米沢牛に釣られたのか、それとも警察騒動でやけくそになっているおかでんに釣られたか。

ステーキ御膳

こちらがステーキ御膳。

陶板でステーキを焼きやがりなさい、というスタイルの定食だ。

米沢牛を陶板焼き

言われるまでもなく、焼いてやる。

じゅぅー、と、午後3時前にはあまりふさわしくない音が店内に響く。しぶちょおが「畜生、その料理選択はウィナーかもしれん」とつぶやく。

セルフで焼いたステーキ(多分メニューには何も書かれていなかったけど米沢牛なんだろう、きっとそうだ、そうだと思いたい)を、熱いうちに頬張る。

うむ。とても美味いぞ。肉厚なところが、適度な肉汁スポンジになって、噛んだらじゅわーでうひゃひゃひゃひゃ。

渋い顔をするおかでん

の、割には、しぶちょおが撮影したおかでんの写真ではものすごく渋い顔をしている。

まだ、ショック状態から抜けきっていないらしい。

日本海を目指す

「どうする?運転替わろうか?」

というしぶちょおからの提案があったが、ここはリハビリを兼ねてきっちりと運転しないと。

「いや、自分の番である以上、自分で運転する」

と断言し、ハンドルを握った。

国道113号を、一路西へ。日本海方面に向かう。次の道の駅、「白い森おぐに」はそれほど遠くない。

道の駅到着直前になって、何やら赤い旗が見えた。

!!

また警察だ!

「わああ」

「うひゃあああ」

思わず、車内で二人とも悲鳴を上げてしまった。山形県警、頑張りすぎ。もちろんわれわれは、先ほどの一件があったので「スピードオーバーで捕まらないよう、あらためてお互い気を引き締めよう」と誓い合ったばかり。捕まる筋合いは無いので難なく警察の横をスルーできたが、それにしても緊張した。ステアリングを握る手が汗ばんだ。

[05/02 PM15:41 No.008 道の駅白い森おぐに(ぶな茶屋) 累積走行距離442.2km]

「それにしても迷惑な場所にあるよな、おぐには」

と愚痴がでる。ここからちょいと西に進めば、そこは新潟県だ。次の目的地「あつみ」に移動しようとすると、どうしても日本海に一度でて、新潟県内を走らないといけない。

おぐに

「別にどこを走ろうが、最短距離で目的地に到着できるんならどうでもいいんだけどね」

「でも、やっぱり『東北道の駅』の旅なわけで、一度でも新潟県という『東北じゃない地域』を走るのって、何だか悔しいよな」

「しかも俺ら、福島県を通過して、東北二県目の山形県にまで突入してるというのに。何だか、すごろくで『はじめにもどる』を引いちゃった気分」

おぐに看板

実際、おぐにから今来た道を逆戻りして、山形市近くの「おおえ」方面に向かう事も真剣に検討されていた。しかし、

「でも、また米沢市方面に戻ると、山形県警がお出迎えするかもしれんぞ」

という一言で一気に萎え、大人しく新潟県入りすることに決めた。

そういえばあのときのお巡りさん、「今日は上杉祭りがあるので警察は総出で対応している」って言ってたっけ。

新潟に入る

新潟県境に到達したとき、「あー」「うう」と意味不明な溜息が洩れてしまったが、これが最短ならば行くしかあるまい。

村上市を素通りして、日本海を左手に眺めつつシーサイドクルージングだ。

道の駅笹川流れ

途中、こちらが想定していなかった場所に「道の駅」の表記を発見した。すわ、新しく道の駅ができたのか!と焦ったが、ここは新潟県。東北スタンプラリーの範疇ではなかった。

「道の駅笹川流れ」、そのままスルー。

「道の駅をスルーするなんて、何だか悪い事した気分だな」

「あー、とりあえず北陸スタンプラリー用にスタンプ押しておけば良かったかな?万が一、今後『北陸道の駅のスタンプラリーもやるぞ』ってなったときの為に」

「・・・そうか。北陸のスタンプラリーに参加した場合、ここまでやってこないといけないのか。面倒くさいねぇ」

「予定変更して、これから北陸スタンプラリーに切り替えるか?今からでも遅くはないが」

「くそぅ、冗談に聞こえないくらい魅力だな、そのお誘いは!」

燃費がとても良い

走っているうちに、燃費はどんどんよくなっていった。

遂に、山形県警もびっくりの、19.6km/lをマーク。この車は、カタログ公称値で20.0km/lなので、限りなく公称値に近いところまで到達できたことになる。

赤信号が遠くに見えた時点で、アクセルを離す。動き始める時は、まずクリープで前にじりじりと進んでから、ゆっくりとアクセル。

こちらとしては、長い道中、燃費をいかに稼ぐかくらいしか楽しみがないので、「しまった、今ので0.1km/l損した!」とかなんだで盛り上がるしかない。

「みたか山形県警!ますます燃費が良くなってるぞ!これでもまだ疑うか!・・・よし、さらなる証拠写真として、この燃費計を撮影しておこう」

「あんまり意味ないとは思うけど、まぁいいんじゃないか」

「それにしても新潟県に入ると、がぜん燃費が良くなったな。山形県じゃ相性が悪かったか」

「いや、単に海沿いの平坦な道を走っているからだと思うが」

「そっか。山形県警の怨念ではないのね」

[05/02 PM17:29 No.009 道の駅あつみ(夕陽のまちしゃりん) 累積走行距離528.7km]

「うわぁ。『おぐに』から2時間近くもかかってしまった。やっぱりかかるなあ」

道の駅あつみ

「80kmほど走ったからな。これでも早いほうだ」

「予想はできていたものの、結果がその予想とほぼ同じだったってのはちょっとショックだな。もう5時半だぞ?んで、まだ9番札所ときたもんだ」

道の駅建物

今日どこまで進むべきか、というのが議論される。当初、あつみ温泉で泊・・・なんていう話もあったわけだが、もう今更こんな時間で宿を確保するのも難しいだろう。いけるところまで行くしかない。

でも、どこまで行けばわれわれとしてOKなのか?・・・10カ所?それとも15カ所?全部で106カ所という膨大な道の駅を前に、行き過ぎということはない。20カ所でも30カ所でも、行けるもんなら行っておくべきだ。かといって、夜通し走るというのは危険すぎる。疲労困憊して、居眠り運転をしてしまっては命に関わる問題だ。

「でも、『今日どこまで行けるか』って考えている時点で、僕らってクリアする気満々なんだよな、実は」

「うん、どう考えても無理・・・なんて言いながらも、考えてる」

日本海の夕方

ただ、繰り返すがただいまの時刻は17時半。もう日没の時間だ。

道の駅から日本海を眺めると、日が傾いているのがはっきりと見えた。

夕日を眺めるしぶちょお

「やばいなあ、もう日没だなあ」

と言いながら夕陽の写真を撮る二人。

町の花 しゃりんばい

制圧記念の写真を撮る手頃なポイントがなかったので、「町の花 しゃりんばい」の絵が描かれている看板の前で撮影。

日が暮れる

いかんいかん、夕陽の記念撮影なんて呑気にやっていたもんだから、本当に日が暮れてきたぞ。先を急がなくては。

日本海沿いの道

夕陽で車の影が長ーく伸びている状態で、車は日本海沿いを北上続行。

車を運転するおかでん

車内で今後のルートを議論。状況に応じてルートを考えないといけないので、なかなかシビアだ。

これから「庄内みかわ」に進むべきか「月山」に向かうべきかを議論した。本日の最終目的地は「むらやま」に定めたので、「月山」に向かった方が最短距離だ。しかし、庄内みかわが微妙にルートから近いところにあるので、今攻略するかどうするか、決めかねていた。

「庄内みかわ」は、翌日「むらやま」→「とざわ」と進んだ後に制圧しても問題はない。非常に悩ましいところだ。

結局、「今日はもうゴール目標地点が決まったことだし、どんなに遅くなっても『むらやま』には行くわけだろ?だったら、今日中に行ってしまおう。今日行けるところは今日中に行こう」という結論に至り、次の目標地点は「庄内みかわ」に定まった。

なぜ、「本日のゴール」を「むらやま」にしたのかというと。ここの併設食堂には、「ひと皿で盛れるだけバイキング」がある、と耳にしたからだ。小皿で350円、大皿で500円らしい。この値段で、重力が許す限り盛りつける事ができるんだとか。「2日目朝はこのバイキングで決まり」という暗黙の了解が二人の間でできあがっており、そのためにはなんとしても今日中に「むらやま」に到着しておきたかったわけだ。本日の宿は、「むらやま」駐車場にテント設営で決まりだ。

日が暮れていく

日が暮れていく・・・。

朝7時から活動開始しているというのに、まだ本日の行程が終わるめどが立っていない。どうなってるんだ、一体。

「こんなのが毎日続くのかねえ」

「当然だろ。それは最初から分かっていたこと」

「あはは。温泉宿に泊まろうとか、そんなのは大甘な発想だったかな」

「無理でしょう、どう考えても。夜11時チェックインOK、とかいうなら話は別だけど」

「で、翌日朝6時にチェックアウト、とか?うわ、温泉に泊まる意味ねぇー」

庄内みかわの看板

辺りが徐々に暗くなってきはじめた頃、庄内みかわの看板が見えた。

[05/02 PM18:23 No.010 道の駅庄内みかわ(いろり火の里) 累積走行距離568.9km]

「ようやくこれで10カ所目か・・・な、長い!あらためて考えてみても、長い!」

道の駅庄内みかわ

車を降りながら、悲鳴を上げる。そして、いつも通りスタンプ台帳を持って建物に入ろうとしたら・・・

「あれ。営業終わってるぞ」「なに?」

調べてみたら、物産館の営業は18時をもって終了となっていた。

「ぬぅ、ここからわれわれも夜間モードで対応しないといけないわけか」

夜間モードとは、即ち「夜の間だけ設置されているスタンプ(もしくはスタンプが押された紙)」を探す」ということだ。二人で手分けして、探す。

スタンプ夜間モード

あった。

なるほど、こういう形で用意されているわけだな。スタンプそのものは盗まれる恐れがあるからだろう、既に押印された紙がたくさん吊してあった。

一枚ちぎって、台帳に挟む。

「はさみと、ノリを買っておく必要があるなこれは」

日が暮れる中記念撮影

「何か納得行かないんだよなぁ。できれば全部台帳にはスタンプを押したかったんだけど」

と残念がるしぶちょお。でも、仕方がない。ここで、翌朝の営業開始まで待つわけにはいかない。

「ま、しゃーない。台帳の美しさ、よりも全部の道の駅を制覇することを優先させようや」

記念撮影。

道の駅の案内図

ここの道の駅の案内図には、屋根の上にオッチャンとおばちゃんの人形が乗っかっていた。
オッチャンが「三川町さよくきたのー」とあいさつしてくれているのだが、すいませんおじさん、僕たち滞在時間10分足らずで三川町を後にしますんで。ごめんなさいさようなら。

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