アワレみ隊奥のマゾ道

燃費ますます向上

燃費計、ついに19.9km/lにまで向上。

「見たか山形県警!」

まだ仮想敵国として山形県警に対して自慢をするが、忘れちゃいけない、ここは山形県であるということを。先ほどは新潟県だったが、既に山形の地に戻ってきている。

これから山岳地帯に入る。燃費競争はひとまずおあずけ。

[05/02 PM19:14 No.011 道の駅月山(月山あさひ博物村) 累積走行距離595.5km]

いやあそれにしても真っ暗ですなあ、とかいいながら山道を進んでいたら、道の駅月山にたどり着いた。さすがにこの時間になると「夜」だ。

道の駅月山

「月山」は、珍しい形に作られていた。道路を挟んで、建物と駐車場が分離されている。広いスペースを確保できなかったので、やむなく道路の両脇に施設を作ったのだろう。

道路を横断すればすぐに建物にたどり着けるのだが、ここは山の中の道。見通しがあまりよくない上に、信号が無いことからびゅんびゅん車が飛ばしている。故に、道路脇に柵を作って、横断できないようにしてあった。

地下横断道

その代わり、地下横断道が用意されていた。なんだか都会の地下道を歩いているかのようだ。まさかこんな山奥で地下道を歩くとは思わなかった。

道の駅月山内部

「24時間解放!」と大きく掲示されていた道の駅だが、さすがに夜間になると見どころなど全然ない。高速道路のPA程度だ。

昼間だと、併設施設として山ぶどう研究所だとかバンジージャンプができる施設があるらしいのだが、さすがにこの夜にバンジーなどできるわけもない。

さっさとスタンプを押して帰ろう。

スタンプを押す

ちょっとだけうろうろして、スタンプを探し当てた。良かった、ここは押印済み紙ではなく、ちゃんとスタンプが残されていた。

それにしても、設置場所が非常に地味なので見つけるまで手間取る。106カ所も巡っていたら、道の駅に入るやいなや「あ、この建物だったらあそこにあるに違いない」と気づくようになるのだろうか?

道の駅月山看板

スタンプ押したら、すぐ移動。所用時間は約10分足らず。そのうち5分は、地下道移動に要した時間。

周りが真っ暗なので、周りが何も見えない。景色も何もあったもんじゃないので、ただひたすらスタンプを押して、はいサヨウナラと。

にしかわの看板

ぐいぐい進む。

こんなところで本日は打ち止め、とするわけにもいかない。夕食を食べる場所すらない。

「・・・そういえば、夕食?」

すっかり忘れていた。お昼ご飯を食べたのが遅かったというせいもあるが、何か明確な目的意識をもって活動していたら、案外おなかは空かないものなのだろう。

おっと、次の道の駅、「にしかわ」に到着。

[05/02 PM19:59 No.012 道の駅にしかわ(月山湖) 累積走行距離625.6km]

午後8時、本日12番目の道の駅となる「にしかわ」に到着だ。なんやかんや行って、ちゃんと数をこなしているから予想外だ。

にしかわ外観

とはいっても、すでに「たじま」から行動開始して13時間が経過。そりゃー、それだけ時間をかけてれば数を稼げるよな。

雪と緑と太陽のまち 道の駅にしかわ

なんか安っぽい看板が入り口に掲げられているんですけど。

「雪と緑と太陽のまち 道の駅にしかわ」

・・・

「要するに何もない田舎、って事ですな?」

「まあ、そういう事だろうな」

青白く光る何か

と思ったら。

引き上げようとしたら、崖の向こうに何やら怪しい光が。

何だこれは!?

青白く光る、刀のような細く、長い「何か」。

日本一の大噴水

看板があった。「日本一の大噴水」だった。

夜間はライトアップして見せているのか。知らなかった。

「何だ、何もない田舎じゃないじゃん。日本一の大噴水があるんだな」

「やるじゃないか、にしかわ!」

看板の打ち上げタイムテーブルを見ると、18時まで1時間に1回ずつ、約10分のスケジュールになっているようだ。現在、既に20時になっているのだが、なぜ噴水が上がっているのだろう。ゴールデンウィークだから、特別サービスなのだろうか。それとも、管理している人がうっかりして、噴水の電源を入れっぱなしにしてしまったのだろうか。

いずれにせよ、いいものを見せて貰った。闇の中、ひたすらスタンプを押すしかないわれわれにとって一服の清涼剤となった。よし、もう少し頑張って先を目指そう。

[05/02 PM20:34 No.013 道の駅おおえ(テルメ柏陵) 累積走行距離650.3km]

さあ、本日のがっぽり稼ぎどころだ。既に夜の8時を回ってしまったが、ここからが勝負。「おおえ」、「寒河江」、「河北」、そして本日の最終予定地点「むらやま」。比較的狭い地域に道の駅が密集している。いい加減早くクリアしないことには、夕食がコンビニ弁当に化ける恐れがある、それだけは避けないと。テンポ良く、ちゃっちゃと前に進んでいこう。

おおえ駐車場

一つ前の「にしかわ」から約30分で「おおえ」に到着。全ての道の駅が、これくらいの間隔で位置していると6泊7日でも余裕でクリアできるんだが。

駐車場に停まっている車は、既に「車中泊するぞモード」に入っており、寝る気満々な状態だ。そうか、もう寝るような時間になってしまっているのかというオドロキと、それでもまだまだ先に進まなければいけない自分たちの境遇に対するオドロキで複雑な心境になる。

スタンプ紙は品切れ

スタンプ用紙を探していたところ、こんな張り紙を発見した。

「!!!」

あぜんとする二人。

「夜間、スタンプラリーでお越しの方は、左側のスタンプ紙をお取りください」

・・・で、その左側には、すでに全部紙が引きちぎられた後と思われる「残骸」がつり下げられていた。

やられた!危惧していたことが現実になってしまった!しかも、初日夜にして!道の駅に到着したものの、スタンプできず!

誰だ、全部持っていった奴は!出てこい!いや、出てこなくていいから、スタンプ用紙1枚よこせ。

頭を抱えるおかでん

頭を抱えるおかでん。

「うわあああ・・・どうすりゃいいんだ、この後」

まだ先に進む気満々だったのだが、ここでスタンプを入手せずに前にいくわけにもいかない。事実上、ここで本日は打ち止めだ。

鼻息荒くご立腹のしぶちょおが、「冗談じゃない、今からここの人に電話して何とかしてもらう」と電話をかけはじめた。確かに、張り紙には「(用紙が)ない場合は、お知らせください」と電話番号が書かれていた。

「いや、でもこんな時間に電話をかけても・・・」

「無かったら連絡よこせ、って書いてあるんだから、呼びつける。今すぐ用紙補給しろ、と」

ぷるるるる。ぷるるるる。

ええと、呼び出し音が非常に近くから聞こえるんですけど。どこからかな・・・?あ、夜の間は畳んでしまっている、屋外屋台のテントの中から電話の呼び出し音がしてるんですけど。

「なんじゃそりゃ。誰か従業員の自宅に繋がるんじゃないのか。誰も居ないここに電話が繋がっても何も意味ないぞ、くそっ」

電話を叩き切るしぶちょお。

「んー、本日打ち止め、かな・・・?いや、でもとりあえず今日のノルマになっている道の駅にまでは進んでおいて、またここに戻って一泊か」

「待て、明日ここの営業開始時間は何時だ?」

「えーと、朝9時から。うわ、使えねぇ」

「朝9時まで悶々としているのはたまらんな、しかも、『むらやま』で朝食バイキングを楽しむというプランまで吹っ飛ぶ」

「じゃあ、しょうがない、予定通り『むらやま』まで進んで、そこで一泊して、翌朝朝食バイキングしてからここまで戻ってくる段取り?」

「それしかあるまい」

「うわ、最高に不毛。・・・朝風呂で、蔵王温泉に浸かるとかそういう楽しみってのは無理なのか?」

「無理だろ、蔵王温泉は遠すぎだ。大体、『むらやま』から『おおえ』に戻ってくるだけでも1時間じゃ済まない移動時間を要するぞ」

「ひでぇ。なんて酷い仕打ちなんだ、おおえ!」

「スタンプ用紙盗んだ奴、窃盗罪で逮捕しろ!何やってるんだ、山形県警!」

こういうところで急に山形県警の名前が出てくる。とんだとばっちりだ。

[05/02 PM20:56 No.014 道の駅寒河江(チェリーランド) 累積走行距離657.5km]

寒河江

15分程度で、次の道の駅に着いてしまった。道の駅寒河江。ここも当然営業はやっていないので、スタンプ用紙を入手して早々に引き下がる。

寒河江の記念撮影

「今日、警察と2時間はじけるトークを展開して時間をロスしてしまったわけだけど、明日も『おおえ』逆戻りで1時間のロスか」

「いや、往復があるので2時間のロスだ」

「また2時間か!そこまでして妨害するかね、僕らのやろうとしていることを」

[05/02 PM21:19 No.015 道の駅河北(ぶらっとぴあ) 累積走行距離664.0km]

本日最終目的地、「むらやま」には、寝るために移動すればいい。スタンプは、翌朝道の駅が開業してから押す予定だ。

道の駅河北

ということで、本日最後のスタンプとなる、道の駅河北に21時過ぎ、到着した。行動開始から既に14時間が経過。この間、移動しっぱなしだ。

なんだかんだいって、今日は15カ所のスタンプを押すことが・・・あ、違った、「おおえ」は明日に持ち越しになったので、実質14カ所・・・できたので、まあ「机上の空論」通りには進めた事になる。案外できるもんだ。ちょっと意外。いや、相当意外だ。

スタンプはポストのような木箱の中に

ここでは、建物の入り口のところに手作り郵便受けみたいな箱が用意されていて、その箱の中にスタンプ用紙が格納されていた。悪意ある人に盗まれたり、雨に濡れたりしないようにするための配慮だろう。

「素晴らしい!こういう気配りができているところとできていないところが道の駅によって歴然としているな」

しぶちょおが嫌味混じりで感心する。

14カ所のスタンプ入手しました

14カ所目のスタンプを入手。これにて初日の行程は終了・・・といっても、この後に

「夕食を食べる」
「むらやままで移動して寝床を確保」
「翌日のために泥のように眠る」

という3行程が残っている。もう少し頑張らないと。スタンプ確保は終わっても、車による移動はまだまだ続く。

ハンバーグステーキの店

今日初めて、ゆったりとした時間が流れる。もちろん、早く夕食を食べて早く寝るに越したことはないのだが、「タイムリミット」みたいなものはもう存在しない。自然とわれわれも頬がゆるむ。

夕食をどこで食べようか、という話になって、「河北」からほど近い天童市街に向かうことにした。新幹線が停まる町だ、食べるところはたくさんあるだろう。

市街を走る、走る、走る・・・いまいち無い。

広島育ちのわれわれが想像する「新幹線停車駅」というのは、東海道山陽新幹線の駅であり、沿線人口がものすごく多い地域のものだ。それと、目の前にある天童市とでは規模が全然違っていた。夜の10時近くなって「おっ、これは!?」と目を惹くような飲食店はなかなか見つからなかった。

おかでん=酒飲み、しぶちょお=酒飲めない という二人の体質の違いも考慮しなくてはならない。ちゃんとゴハンが食べられて、かつビール飲んでも違和感がないお店が選択される必要がある。

結局、天童市街をジグザグに走り回ったのち、国道13号線沿いにあったファミリーレストラン型ハンバーグステーキの店に入ることにした。営業中らしいが、店の看板に明かりがついていない。商売する気があるんだろうか。店頭に表示されている営業時間を再度確認して、店の中に入る。

店内でくつろぐ

よかった、ちゃんと営業していた。

「これで閉まっていたら、今晩は『むらやま』の駐車場で車中、コンビニ弁当を食べて寝るって事になっていたかもしれない」

「恐ろしい・・・これだけ今日一日頑張ったんだから、せめて夕食くらいは落ち着いて食べさせて欲しいよな」

まったくその通りだ。せめて夕食くらいはうまい物が食べたい。

「・・・ん?でも、今日は何だかんだ言っていいモノ食べたよな?朝は喜多方ラーメン、昼は米沢牛。まあ、しぶちょおの場合おやつとして冷凍フライドポテトっていうのがおまけにつくけど」

「冷凍フライドポテトは無かったことにしてくれ。でも、珍しいよなアワレみ隊企画でこんなに名物を満喫できるなんて」

「で、きっちりとノルマはクリアしてるんだから!本日14カ所!」

「凄いよな、スタンプ押せたのは14カ所だけど、スタンプが無かった『おおえ』、これから向かう『むらやま』を入れると、今日だけで16カ所の道の駅に行った事になるんだから」

「クリア、できちゃうかも?」

「できちゃうかもしれない。あり得ないと思ってたけど、まんざら不可能でもなさそうだ」

「マジで?いや、もちろん僕だってこういう企画に乗った以上は、クリアする気満々だよ。でも、無理なんだろうなあっていう諦めはあったわけだよ」

「そりゃ僕だってそうだ。でも、この調子でいけば?」

「行けるねえ。道の駅が営業時間外であっても、スタンプ用紙が置いてあるんだから楽だよな。夜の間で、進捗状況をコントロールできてしまう」

「でも、あと残り92カ所残ってるけどな」

「うへー。92カ所!まだまだ先が長い」

「今回の『おおえ』はまだリカバリーがきく範囲内だったから良かったけど、次、同じような事が起きたら致命傷になるかもしれんぞ。今回はたまたま道の駅密集地だったから、目的地だった『むらやま』から翌日とって返す事ができるけど、明日以降は道の駅同士距離があるからな」

「そうなると、まさに紙切れとなっている道の駅でその日は打ち止め、というわけか」

「そういうことになるな。だから、やっぱり夜は怖いんだよ。できるだけ営業時間中に数を稼いでおかなければ」

ビールをぐいぐい

まあ、そうはいっても今日はよくガンバリました、というのは事実なわけで。

車のキーをしぶちょおの前に差し出し、

「後は頼む」

と一言告げると、ビールジョッキをぐいーっ。

いやー。お疲れさまでした自分。そしてしぶちょお。ビールが口で、喉で、胃袋でお見舞いしてくれている。ありがとう、僕頑張ったよ。そのご厚意にお応えして、もういっぱい注文しちゃえ。

初日夕食をがっつりと

サラダバーとスープバーを何往復かしながら、わしわしと食べつつ明日の行程を議論した。

今回の企画は、決して「単に移動しっぱなし」の旅ではない。四国お遍路の時と根本的に違うのは、ルート設定を自分で行わなければならないということだ。どの順番で道の駅を巡れば最短になるのか。地図とにらめっこしながらの、高度な知的ゲームである。

明日は3県目、秋田県に突入だ。驚いたことに、順調に山形県はクリアできそうだ。

さてこれからの秋田フィールドは、道の駅が内陸部・海岸部に散らばっている。しかも、「どうぞ使ってください」とばかりに秋田自動車道が横断している。われわれは、恥も外聞もかなぐり捨て、最短で行けるのであれば高速道路も使うことにした。下道にこだわりはない。だから、高速を有効利用した場合どうなるのか・・・というシミュレーションをしなければならない。少々遠回りになっても、高速を使った方が早く到着する可能性があるからだ。

やいのやいのと議論を重ねたが、結論はでなかった。あっちの道の駅を優先すると、こっちが取り残される・・・そんなのばっかり。でも、何となく「15カ所程度進んで、明日の晩は秋田市街で一泊」という方向性は固まってきた。

「秋田で、はたはた食べようじゃないか。もしくはきりたんぽ鍋!」

「おお、二日連続で名物食べ歩きだな」

「さすがに秋田市だったら、天童と違ってあれこれお店があるだろ?地元の名産を食べさせてくれるお店だって、絶対にあるって。勝ったも同然」

お店の看板が灯る

方向性が固まったところで、店を後にした。外に出たら、さっきまでは消えていた明かりが点灯していた。

なんだ、店員か誰かが間違えて電源を落としてしまっていたのか。てっきり「看板の明かりをつけない怪しいお店」なのかと思っていたのだが。

さて、ここから「むらやま」までまだ結構距離がある。もう少し頑張らなくては。

[05/02 PM23:16 No.016 道の駅むらやま(村山市故里交流施設) 累積走行距離693.1km]

23時16分、本日の寝床となる道の駅むらやまに到着した。広大な駐車場は、ゴールデンウィーク期間中とはいえ空いていた。われわれは、駐車場の隅に車を寄せ、脇にあった芝生スペースにテントを建ててそこで寝ることにした。

テントを建てたら、後はもう寝るだけ。ランタンがあるわけでもなく、薄暗い中ヘッドランプだけで何かするのも面倒だ。今日も一日無事故無違反、ありがとうございまし・・・あ、無違反じゃなかったか。えーと、無事故でどうもありがとうございました。明日もよろしくお願いします。お休みなさい。

23時45分頃、就寝。明日は朝食バイキングで幕が開くぞ。

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