伊豆大島討伐

デッキに出てみる

待合室の脇から外の送迎デッキに出ることができるので、外に出てみた。「有料:100円」なんてケチくさいことはいわれない。どうぞどうぞお好きに出て行ってください。

ただし外は相当な強風。自分自身が飛行機になってそのまま飛んでいってしまいそうだ。踏ん張れ!

何しろ空港だ、飛行機の離発着に支障がでないように回りは殺風景なまでに開けている。風はアクセル全開で吹き抜けるのだった。

「さっきの飛行機、よくこんな風で着陸できたなあ」

感心してやまない。あれぞプロの技術、というやつだ。SFアニメのように、レーザー誘導装置が飛行機をロックオンして、そのまま誘導してくれるような事はないんだから。自動化が進んでいる飛行機であっても、やっぱり人の力って素晴らしい。

・・・って、あれれ。さっきの飛行機は?

デッキの上から、クルー及び機体を褒め称えようと思っていたのだが、既に姿をくらましていた。小型機なので、お客を降ろしてから出発までに時間を要さないらしい。とっとと調布に戻ってしまっていた。あらら。

おかげで、この広い空港はがらんとしている。あまりにも何もないので、一応写真撮影はするけど「だからどうした?」という内容の写真になってしまった。だだっぴろい広場を撮影しました、以上。という感じ。

「こういう空港だったら、少々適当・乱暴にタキシングしても大丈夫だよな」

とけしからん事を考えてしまう。羽田空港のように、飛行機同士が肩を寄せ合って、なおかつ搭乗ゲートが3桁もある場合はそうはいかない。

ところで、その飛行機の搭乗なんだが。

写真の通り、ボーディングブリッジが一本、待合室から延びている。飛行機の機体が結構大きければこれでもよいが、さっき見かけたような小型機だと位置があわない。わざわざこのブリッジを渡って、階段降りて滑走路に出て、さらにそこから停留している飛行機脇に据え付けられた階段を登って機内に乗り込むんだろうか。なんたる位置エネルギーの無駄だ。

1階のチェックインカウンター脇

・・・と思ったら、ヘリコプターと調布行きの便の人は、1階のチェックインカウンター脇の小さなドアの先だった。「職員以外立ち入り禁止」って書いてありそうな雰囲気がある、狭いドア。すげえ、ということは2階のあのガラス張りの待合室は一日一便しかないANA羽田便専用って事か。さすが大キャリア様は扱いが違う。この格差は何?

てっきり、ああいう設備って空港着陸料で賄われており、どのキャリアも関係なく使えるもんだと思っていた。しかし、このようにれっきとした格差があるのだった。

いや、実はこの先にはさっき見た待合室以上のゴージャスなスペースがあるのかもしれないけど。扉の向こうは全く伺い知ることができなかった。ミラーボールが天井では回転し、8トラのカラオケ完備、とか素敵な空間かもしれん。

空港へのアプローチ道

空港を満喫した後、次の目的地に向かう。そろそろスタンプラリーのスタンプ集めを開始しないと。もう2日目の10時半。あと30時間後にはこの島を後にしなくちゃいけない。

「まだ全然島を回っていないぞ!やばい」
「朝ご飯が8時、夕ご飯が18時っていう制約が案外デカいなあ。案外行動時間が短い」
「八丈の時は朝飯は7時だったからな」
「今考えると早すぎだわ。でも、その分7時半には行動開始できたから、結果としてはよかった。しかもおかずが少ないから食べ終わるのが早ぇ事早ぇ事」

車は空港から島一周道路に向かう道を走る。片側一車線の道路で、ほとんど車の往来なんてないだろうに、立派な中央分離帯がある。しかも南国ムードをだそうとしているのか、シュロの木まで植えてある。

「力入れてるなあ。空港ターミナルだけじゃ飽きたらず、アクセス道路までカネをかけてるぞ。玄関口だから、よそ者に舐められたらイカンというわけだろうな」

驚いたり、褒めたり。

大島ふる里体験館
大島ふる里体験館のコース

大島ふる里体験館。

伊豆大島の郷土文化体験やらなんやらができる施設。

一周道路から脇道に入ったところにあるため、例のごとく道を若干右往左往する。なんせ、手元の地図には「ここだぁぁぁぁッ」とズバリの矢印等の表示が無く、肝心の「ここ」という場所の真上に「ふる里体験館」って文字が書き込まれちゃってるから。おかげで、施設の捜索範囲が文字数が多いほど広くなってしまう。

さてこのふる里体験館だが、椿油を搾るなんてのは面白そうではある。ただし、非常に高価な椿油なため、搾れたとしても目薬程度にしかならないっぽい。しかも、椿油に限らずどの体験コースも結構よいお値段する。もちろん時間もかかる。ここで60分とか90分満喫するにはちょっと時間が足りないので、ここはスタンプを押すだけで退却する事にした。

スタンプ台
スタンプを押す

幸い、施設の中に入らなくてもスタンプ押していってくださいねー、とばかりに入口の分かりやすいところにスタンプ台があった。有り難く押印する。

いやね、この手のスタンプって、「さあここでモノを買え」とばかりな場所にある事もあり、気弱な人はついつい欲しくもないものを買ってしまったりする事があるわけだが、ここはそういう事をしていないのが潔い。

建物内部も覗いてみた

スタンプは手に入れたのではいサヨウナラ、というのはあんまりなので、一応建物内部も覗いてみた。

高い天井、太い梁。そして大きな木の一枚板で作られた椅子。木材をふんだんに取り入れた建物になっている。「いや実はこれは全部オーストラリアから輸入していまして」といわれたらびっくりだが、多分大島産の木材なのだろう。

まだ床にストーブが置いてあるのが、意外。既に夜になると蚊の襲来を受けるほどの気温なのだが、さすがはまだ3月。冷えるときは冷えるようだ。

親子連れが草木染めなんぞに挑戦していた。家族連れにとってはよい思い出づくりになる施設だと思う。ただわれわれおっさん組は、先を急がないといかん。今日のところはパス。

建物内にはお土産物が結構売られているのだが、明日葉関係食品と椿油だらけなのは大変に潔かった。コレ、という売り物がある観光地ってのは素敵だ。

ほら、場所によっては「○○に行ってきました」みたいなどうでもいいクッキーとか、鳩サブレもどきとか、漬物とか、「お味噌汁の具」みたいなものしか売っていない観光地があるじゃないですか。あれって淋しいよな。または、器用貧乏であれもこれも名物です、って並んでいてなんのこっちゃよくわからなくなっている観光地。

ここでお土産を買うのはとりあえずパス。荷物になるし、最終日である明日に買えばいいや。

次もスタンプポイントである「リス村」を目指す。やや三原山方面に登っていった高台に、目指すリス村はある。

リス村
リス村入口

そもそも、なんで伊豆大島でリスなんだか、さっぱりわからない。ただ、われわれが昨日レンタカーを借りた直後、道路を横切るリスを見かけたのは事実。この島にはリスがたくさん生息しているらしい。

・・・それもそのはず、調べてみたら戦前に島内の動物園から脱走したリスと猿が大繁殖して、大事な椿を食べちゃったりやりたい放題らしい。小笠原の父島では山羊が繁殖して迷惑がられているが、こういう離島の場合、もともとなかった生態系が外部から入ってくると手が付けられなくなるほど繁殖しちまうようだ。

というわけで、われわれはこれから「害獣」であるリスを見にいきますよと。

入園料800円と結構いいお値段しちゃうけど、売上の一部が駆除費用に充てられればそれはそれで結構なことだ。実際に駆除にお金が回るのかどうかは知らないけど。

チケットを購入するカウンターのところには、わざわざ「今日の船は岡田港から出ますよ」という案内表示が出ていた。さすが島だ、この情報は非常に重要なのだろう。ところで今日はちゃんと船が就航しているのだろうか?相当風が強いのだが。

スタンプ台発見

チケットカウンターの手前にスタンプがあったので、そこで押印。

目の前のガラス張りの部屋内では、「リスまんじゅう」と「牛乳せんべい」が作られている最中だった。とてもよい匂いがしている。

うむむ、このスタンプ台の位置だと、「スタンプだけ押して帰るつもりが、リス園の中に入っちゃう」「さらにリスまんじゅう買っちゃう」という二重の出費が。ただ、われわれは先ほど大島牛乳をごきゅごきゅ飲んだばかりなので、まんじゅうはとりあえずパス。

しかし、さすがにリス見ずに帰るという選択肢はあるまい。入場料を払い、園内へと向かう。

リス用の木材

チケットを買ったら、職員さんから「椿園がありますからね、こちらの出口からどうぞ」と建物の出入り口を指し示された。はぁ・・・椿園、っすか?ええと、僕らリス見にきたんですけど。なんで椿なんだ。

リスは最後のお楽しみにとっとけ、まあがっつかないで椿でも見てまったりとしていなさい、ということなのかね。それはそれでいいスけど、ええと、とっとと僕ら先進みたいんだけどなあ。明日は三原山登山というイベントで半日潰れるので、今日はできるだけ島各地のスポットを見ておきたいんですけど。はあ、椿ですか。椿は・・・別のところに町営の大きな椿園があるはずなんですけどね。

いぶかしがりながら、指示された出口から屋外に出る。

そこには、何やら筒状のネットで覆われた木が伸びていた。

「何だコレ?」
「・・・ああ、リスの通り道だ」
「なるほど!では肝心のリスは?」
「いないねぇ」

どうやらここにはいないらしい。

椿ガーデン
椿を見て回る

そんな中を歩いていると、椿ガーデンなるエリアに到着。ああなるほど、辺り一面ずっと椿の木が植えられている。あまり身長が高くない木なので、この敷地内で鬼ごっことかかくれんぼするには最適だなと思った。いやいやいや、せっかくだからそういう事じゃなくって、花を愛でなさいよアンタ。

紹介看板を読むと、日本椿協会の会長さんの個人コレクションの一部をここで公開しております、ということだった。椿にもマニアがいるのか。非常に限定的な世界だな。こういうマニアも存在するとはしらなかった。

しかし、いざまじまじと椿の花を見ると、これが結構面白い。木によってどれも品種がバラバラ。そして、咲いている花もバラバラ。さすが秘蔵コレクション。あと、大輪の花であるがゆえに、「満開だけど外側の花びらはもうしおれ始めている」「花が活き活きしているけどまだ満開ではない」とどれも微妙で、「写真撮影に最適な「今が旬!」の花を探し続けるだけでも結構な暇つぶしで楽しい。

そんな事をやっていたら、この椿ガーデンの手入れをやっていると思われる職員さんがやってきて、いろいろ話を聞かせてくれた。曰く、椿というのは風によって受粉するため、別の品種と大変に混ざりやすい植物なんだという。だから、A品種の株とB品種の株を並べて植えておくと、今度は全然別のC品種ができ上がるんだそうだ。何と何をかけあわせたらどうなる、という組合せは無尽蔵にあり、実際に新種が成長して花を咲かせるまではどんな花になるかわからん。それがまた楽しいんだそうだ。

いろいろな品種が作れる、という「カスタムメイド」感が受け、今や海外でも椿ファンは多いんですよー、と職員さんはうれしそうに語っていた。なんと既に品種は数万種類にも及ぶんだとか。すげー。

実際、その職員さんの手ほどきでいくつか花を見せて貰ったのだが、外国人さんが作った品種っていうのはどうもバラの花っぽい、複雑にびらびらしたのがお好みのようだ。もう、こうなると椿の原型を留めていない。日本人だったら、やっぱり赤くてもっさりと、鈍くさいくらいの椿の方が好みだなあ。ただ、その柔軟な品種改良っぷりにただただわれわれは驚きまくったのだった。

椿1
変わった椿

一応柄にもなく、椿の写真を撮ってみた。大きな花びらなので、撮影はしやすい。

それにしてもいろいろな椿があるもんだ・・・。

一般的にわれわれが想像する椿は「藪椿」というやつで、こいつら「突然変異しまくりブラザーズ」の祖先にあたるらしい。

すげーな。「カエルの子はカエル」ということわざはうそだぜ。何世代、「トンビが鷹を産む」を繰り返せばこんなにイケメン椿になってしまうんだ。

写真右の椿は、おもしろい形をしている。まだ花びらが完全に開いておらず、真ん中のおしべ・めしべは姿をみせていない。しかし、職員さんによると「これはそういう状態を楽しむ花」なんだそうだ。ほへー。だから、逆に花びらが完全に開いてしまうとおもしろくなくなるんだと。

散った椿

椿は花がきれいなのだが、ご存じの通り花が枯れると丸ごと下に落ちる。落椿、というやつだが、椿園にもなれば地面はご覧の通り。あちゃー。これ、掃除するのは相当大変だぞ。

セレブなやつが「彼女の誕生日を祝いたいので、部屋いっぱいにバラの花を敷き詰めてくれ」とホテルに依頼する、というのは聞いたことがある話だが、庶民ではそれは無理だ。しかし、「枯れて地面に落ちた椿の花」なら庶民でもできる。春先限定だけど。安くムーディーな雰囲気を味わいたかったら、ぜひ椿の花を!

・・・いや、多分そんなことやったら、即座に別れ話になるな。

プレーリードッグ
太っている

椿の木々を抜けていくと、なにやら動物園のような場所になった。

「?」

いったいここはなんなんだ。リス村、じゃなかったっけ?いるのはなんだかまるまるとしたネズミみたいな生き物。これがもしリスなら相当びっくりだ。デブりすぎだ。

看板をみると、「プレーリードッグ」と書いてあった。なるほど、プレーリードッグか。・・・って、やっぱりデブってるな。あれ、野ネズミの一種だろ。おまえ何食ってそんなに丸くなったんだ?椿油を毎日舐めているのかもしれん。

色合いを含めて、カピバラさんに似ている。ただ、カピバラさんとあらためて比較してみると、いかにカピバラさんの顔がのっぺりしているかがよくわかる。

ゴーカート乗り場
ゴーカート乗り場看板

アップダウンが結構ある園内だが、その中をうねうねと縦横無尽に走る舗装道路がある。なんだろうと思っていたら、ゴーカート乗り場に行き着いた。なんだなんだ、リス村、今度はゴーカートか。手広くやってるな。目指せマザー牧場(千葉県)、みたいな感じか。マザー牧場、牧場なのにバンジージャンプ台があるもんな。

車大好きしぶちょおさんは、「この高低差とくねくね道を走ると楽しいぞきっと」とワクワクしてテカテカしていたのだが、乗り場には職員さん皆無。リスが飼育されているところに居るので、用事があったら呼んでね、という札が置いてあるだけだった。そもそもカートがスタンバイされていないし、いざ乗るとなったら相当手間暇かかりそうだ。時間が惜しいので今回はパス。

きっとこの施設、「リスが飼育されている施設」のではなく、「村長がリスである施設」なのだろうという勝手な結論。ここまで、リスに一匹たりとも会っていないんでスけど。ほら、あるじゃないですか、「スーパー駅長」として、猫の「たま」が就任している駅とか。ここにはスーパーリスがいるにちげぇねぇだ。

物見櫓

高台のところに、物見櫓のような場所があったので登ってみることにした。

この施設、子供に開放すればケードロやら鬼ごっこ、かくれんぼ、ロクムシなどありとあらゆる遊びができていいな。町中の公園じゃ、こうもアップダウンがあって、適度な遮蔽物もある場所って滅多にないから貴重だ。

でも今の子供はそういう遊びをほとんどしらないだろうから、「つまらん。DSステーション作ってくれ」っていわれておしまいな予感。

三原山は相変わらず見えない
リス園

物見櫓からあたりを見渡す。

三原山・・・相変わらずガスの中。でも少し視界が開けてきたようだ。始終吹き付ける強風のせいで、ガスが少しは離散した様子。晴れてくれんかなー。でも今日は山には登らないけど。明日一発勝負。もし明日の天気も悪かったら、もうふてくされて温泉にでも浸かって時間つぶしをするしかない。とはいえ、そういう時間つぶしができる場所があるというのは、伊豆大島の大きな魅力だ。

眼下に目をやると、柵で囲まれた一角があった。俘虜収容所ではない。どうやらあそこにリスがおわすらしい。なるほど、柵を作っておかないとリス、逃げたい放題だもんな。

われわれが一般的に想像するのは、「野生のリスの生態を遠くから観察する。そのために、木の枝のところにひまわりの種などを置いておく」というものだが、ここはそんな間接的なものではない。リスと直接触れあえるのが特徴。・・・らしい。

カメラを構える

「きみまろズーム!」

としぶちょおが叫び、カメラを構える。アニメヒーローが変身したり、必殺技を繰り出すかのようだ。昨年からこのかけ声を時々聞くのだが、おかでんはなんのこっちゃわからん。むしろ、「彦麻呂ズーム」なのかと勘違いして聞き流していたくらいだ。玉手箱みたいに飛び出るズームである、と。

実は、パナソニックのデジカメについている10倍ズームのことらしい。綾小路きみまろがCMをやっていたので、そういう名前らしい。でも、10倍ズームなんて必要なのかよ。そこまで望遠する意味なんて・・・って、うわあ。

はるか遠方にあるリス生息地帯の様子をばっちり撮影してやんの。盗撮ですかこれは。しかも幼女の。
いやいや幼女盗撮とは聞こえが悪い。隣にはちゃんと男の子がいるから決して変態趣味ではない。

そうか?

それは冗談としても、よくぞまあズームするもんよ。おかげで、「ははーん、どうやらリスに手渡しで餌をあげることができるんだな」ということがここからでもわかった。

ただし、さすがに10倍ズームにするとブレやすくなるので、しぶちょおはカメラを固定するのに難儀していた。なにせ、風が強い。高台にある展望台ともなれば、風がモロに吹き抜けていく。

カメラをセット
焦りながらセルフタイマー

記念撮影を撮ろう、とおかでんから提案。

このガスっている景色を背景に撮影したってなんの記念になるんだか、さっぱりわかっていない。提案する側がわかっていないんだけど、まあいいや。

おかでんデジカメの三脚用ねじ穴はすでに崩壊しているため、三脚は使えない。そのため、目の前にあった有料双眼鏡にカメラを据えて撮影してみることにした。

セルフタイマー、設定10秒。いざ、勝負。

ごーぅ

強い風が吹き抜ける。カメラが前のめりに倒れた。

「うわあああ」

慌てて手で止めた。どうやらおかでんのデジカメは、レンズが出ている状態だと重心バランスが前のめりになるらしい。加えての強風だ。「デジカメが壊れるリスクを覚悟の上で撮影」どころか、「確実に10秒以内にデジカメは壊れます」状態。むちゃするのはやめよう。

今度はしぶちょおが挑戦。そこまでリスクを背負う必要は全くない景色なんだが・・・ここまでくると止められない、止まらない。

さあセルフタイマー10秒間のチキンレース開始です。強風に煽られてぐらぐらするデジカメに手を伸ばしたら負け。どこまで我慢できるか。で、撮影できたのが右の写真。撮影はちゃんとできたのだが、残り1秒くらいで耐えられなくなったしぶちょおが右手をさしのべているところがリアル。

リスの餌を受け取る
リスの餌

リスが飼われている檻の中に入ってみる。ようやく、だ。まさかここでこれだけ時間を費やすとは思わなかった。

リス檻の入り口は二段階になっていて、扉を開けた瞬間にリスが外に飛び出さないようになっている。その二つの扉の間で、職員さんから「リスの餌やりセット」を借りる。有料。

熱い鍋を触る用みたいな手袋と、ひまわりの種一袋。

「餌をやるときは必ず手袋をした手の上で行ってください」

と指導を受ける。鋭い爪と歯を持つ生き物なので、猫にゃんに餌をやる感覚でひまわりの種を手渡ししようとすると痛い目に遭うらしい。

幼稚園時代に友達の家で飼われていたハムスターに指をがっつりかみつかれたときは、子供心に恐怖するくらいものすごい大出血をした。そのときの記憶がいまだに鮮明に残っているので、取り扱いは気をつけなくちゃ。

餌を手に載せる
リスが出てきた

リスは、あっちこっちの木の枝に棲んでいるわけではない。

キャンプファイヤーにすると盛大に燃えるだろうな、と血がたぎるような積み上げられた木材の奥に潜んでいる。井桁に組まれた丸太の奥から外の様子をうかがっていて、人間がやってきたら・・・いや、人間に反応するというより、手袋に反応している・・・ひょこひょこと表に出てくる。臆病な生きものらしい。

多分この生きもの、「人間様が餌を与えてくださっている」という認識はあまり持っていなくて、「手袋が餌を持ってきてくれる」と思っているに違いない。けしからん認識だ。違うぞ、オレサマたちがお金を払って、手袋と餌を手に入れて持ってきたんだ。もっとこっちに敬意を払え。違う違う、手袋に経緯を払うんじゃない。

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