屯田兵になろう【北海道ハタケ仕事1】

合流しそびれた1名は「総合受付のところで待っています」と連絡してきた。

「ジンギスカンのビアホールなのに『総合受付』だなんて大げさな」と事情を知らない我々は苦笑していたんだが、確かにこりゃ必要だ。それぞれ個性ある5つのジンギスカンレストランが、今どれくらいの待ち時間なのかを一カ所で把握することができる。あっちこっちハシゴして、空いているお店を探す必要がない。

あと、ビール園のオリジナルグッズが多数売られている売店も併設されていた。いちいち規模がでかい。それにしても札幌土産としてビールジョッキなんて買ったら、デカいし重いし割れ物だし、お持ち帰りが大変そうだ。あ、そうか、宅配便にすればいいのか。

やっぱりイメージとして、ジンギスカン!というものはビアホールのような広いところでわいわいと食べたいものだ。しっとりと落ち着いて、という気分ではない。幸い、園内最大のビアホールである「ポプラ館」というところにちょうど空席ができていたので、そこに滑り込むことができた。

新千歳空港に舞い戻った2名の先行情報によると、週末ということもあって待ち行列が出来る混雑、ということだった。やっぱり北海道観光の定番中の定番だから、人が集まってくるのだろう。しかし我々は全員集合の足並みが乱れたことも幸いして、現地到着は21時近かった。ようやくその「スゲー混んでる」状態が「かなり混んでる」状態に落ち着きつつある段階だった。

「見ろ!見るからにお金を持っていそうな人たちがお上品にお肉を焼いて召し上がってるぞ!」

お値段高めのガラス張りレストランで飲食している人たちを外から眺めつつ、ポプラ館を目指す。

ポプラ館の中は、恐るべきジンギスカン臭だった。えっ、排気ダクトが壊れているの?と思わず全員が天井を見上げてしまうくらい、肉臭い。それだけ今日一日、ここにやってきた客が肉を焼きまくりやがったということだ。みんなナイス食欲。

一枚前の写真を見ればわかるとおり、館内の天井には巨大な排気ダクトがむき出しでついていて、ガンガンに換気はされている。別に故障はしていない。しかし、なにせ焼いているのが独特の香りで根強い人気の羊肉だ。単なる焼肉ではない。そりゃあ、臭いがどうやってもこもる。

しかも、ここを訪れた人は「食べ放題」をチョイスする人が結構いる。そりゃあもう、焼きまくりよ。服に臭いがつこうが何しようが、これが北海道の旅情だ!それッ!とばかりに焼いて、喰って、飲む。いくら脱臭したって無駄ってもんだ。臭いの元は常に供給されまくってるんだから。

今回行動を共にしたのは、僕を入れて男性2名女性2名だった。もう一人の男性はまだ若く、焼肉食いまくるぜ!ビール大ジョッキ持ってこいや!というオッサン臭は微塵もないクールな青年だった。

えっと。多分このメンツだと「食べ放題」という選択肢はないな。

結局1名体調が優れない人がいたことから、「生ラムジンギスカン・焼き野菜セット」3人前を注文することにした。おお、人数分すら頼まないという。

むしろこの状況に僕は興奮した。「普通こういう場だったら飲み食べ放題でしょう!」という人生しか送ってこなかったので、「食べ放題スルー」というツンデレ・・・いや、デレていないのでひたすらツンツンしたシチュエーション・・・に、むしろ萌えた。

そんなわけで、当然飲み放題だって注文しない。みんな各自、飲み物を一杯ずつ頼んで終わりだった。

さすがサッポロビール園、ビールジョッキの量が明確だし、大ぶりだし素敵。「小ジョッキ」でさえ500mlあり、大ジョッキになると1リットルになる。

「大ジョッキだったらぬるくなるし、重たいよ。量を飲むにしても、小ジョッキを2回に分けて頼んだ方がおいしく飲めるよ」

という意見はごもっともだと思う。大ジョッキ1杯と小ジョッキ2杯では、値段差は20円しかない。量が多いからといってお得感がすばらしいというわけではない。

しかしこういうのは、重たいジョッキを持った時に感じる高揚感、これこそが醍醐味なんだよォォォ。

・・・と酒を飲まないおかでんが吠えております。

僕以外の人は、やっぱり北海道なので「サッポロクラシック」を頼んでいた。「北海道限定」が売りになっているビールではあるが、今や何故か北海道以外でも手に入りやすいという変なビールではある。しかし、さすがに缶ではなくジョッキに注ぐ樽生状態はなかなか北海道外ではないだろうから、一応飲んでおきたいところだ。旅情、として。

で、酒を飲まない僕は思案の末「山ぶどうジュース」をチョイス。そうしたらなんだか変な熊の絵が描かれたジョッキがやってきたぞ。サッポロビール園のマスコットキャラらしく、「ポロ君」と言うらしい。やっべぇ、舌なめずりしてるぞポロ君。これ、もしヒグマだとしたらもう生きた心地しないわ。一撃で殺されるわ、ポロ君に。

コメント

タイトルとURLをコピーしました